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あこがれの人はいますか?

私には、常々あこがれている人がいます。

大丈夫、商材屋さんとかではありませんし、何かの宗教でもありません(笑)


みなさんは前田 利益としますという武将をご存知でしょうか?

あまり知られていない名前ですが、前田 慶次まえだ けいじと言ったらわかる人もいるのではないかと思います。

『一夢庵風流記』『花の慶次』でおなじみの人物。

特に『花の慶次』は、原 哲夫先生が作画を描かれているので世紀末感が半端ありません(笑)

『花の慶次』より、前田慶次(講談社)

歴史学的には一次資料に不足のある人物で、実は正確な生涯はわかっていません。

特に加賀前田家を出奔した理由は分かっておらず、専門家によれば「史料を残せないほど奇抜なふるまいをしていた人だったのではないか」とも考察されています。

その後の記録も断片的で、米沢藩に召し抱えらえるまでの足取りも断片的。

史料によって書かれている内容もまちまちです(原書で探しまくったw)。


そんな前田慶次を小説と漫画の主人公に仕立て上げた、原作者の隆 慶一郎りゅう けいいちろう先生はすごいな、と思うわけです。

隆慶一郎先生(新潮社)

私の、物書きとしてのあこがれは隆先生です。

わずか5年で歴史小説家としても、ご自身としても生涯を終えられています。

なので隆先生の著書は非常に少なく、書店でもあまり目にすることがありません。

「歴史小説が好き」って方というと、どうしても司馬 遼太郎先生だと思われるようです(嫌いとは言ってないw)。


私がすごいな、あこがれるな、と思う最大の理由。

それは歴史上名もなき人物たちにスポットを当てて、現代に続くイメージ作りができるまで調べ込んでいること。

隆先生はもともと新聞記者ですし、大学の専攻もフランス文学科です。

ものを書くという点では一緒かもしれませんが、歴史学の研究ってすっごい時間かかるんです(歴史学科卒)。

まず言葉が違うから翻訳しないといけないし、ものすごく詩的に書いてあるものの意味を理解しないといけない。

さらに言えば、当時の日本の史料ってメチャクチャ適当に書かれていることも多い(失礼w)からなおさら困った。

これを補完するときに、ある程度の妄想力、いわゆる仮説を立てる力もいると聞いたことがあります。



まあ、語り出すと3日間ぐらい話し出すのでこれで…。

とにかく徹底的に調べ込んで、人物のイメージを損なわないようにしなければいけない。

そのなかで一人の人物・前田慶次のイメージを作り上げた隆先生は私の憧れです。

私も時間と余裕があれば、隆先生みたいな挑戦をしたいんですけどね。

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