<還暦編2> 60歳の私が、少女だった頃の彼とのその後~実家を片付ける

実家は、持ち家で築50年だった。母との同居が始まってからも、数か所の最低限の補修は、しなければならなかった。そのたびに、出費がかさんだ。

2階は、使わない荷物であふれ、ほぼ物置状態だった。家を建て直す経済的余力は無い!父と三回忌を済ませた私は、実家を売却することを決めた。

50年間動かさなかった荷物の片付けを始めた。とにかく捨てた!庭がゴミ袋でいっぱいになり、ゴミの収集日には、本当に全部持って行ってくれるのか、収集車が行った後、必ず確認していた。

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お土産の「番傘」が、残っていた

下駄箱の中を整理した時、番傘が出てきた。高校時代に彼が、修学旅行のお土産に持ってきたものだった。

そういえばずーっと置いてあった。今まで何度か「捨ててイイよ~」と私が言うことはあったけど、父は、この番傘をけっこう気に入っていて、「あいつが、持ってきたんだろ~、取っておけ。」と言って、捨てずにきたのだ。

最後の実家の片付で、私は、どうしようと思ったけれど、父の「取っておけ」という声が聞こえて、捨てなかった。

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私の勉強机は、ずっと私の部屋に置いてあった。高校時代、彼と毎晩、おしゃべりしていたアマチュア無線の無線機が、勉強机の下から埃だらけになって出てきたけれど、捨てた。机ももうない!

スマホの時代ではないから、高校時代は、写真を撮ることは日常的なことではなかった。だけど1枚だけ、実家の2階の廊下で撮った、彼とのツーショットのピンボケの写真が、どこかにあったはず。

でもその写真は、見つけ出すことは出来なかった。

次回は、いよいよ最終回です!


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