ウーバイヤーイーツ コラムとかエッセイとか#10


トムヤンクンにハマってしまいウーバーイーツでまで頼むようになってしまった。汁系とウーバーイーツの相性は悪いのはわかっているのだがやめられない。世界三大スープのうちのひとつなだけある。世界三大スープなのに四つあるふざけた代表の中でも私はNo. 1に推したい。  

その日は休日なのをいいことに夜更かししてしまい、起きるとすでに昼を過ぎていた。お腹が空いているがなにも料理する気にならなかったためウーバーイーツでご飯を頼むことに決めた。 安定のハンバーガーエリア、誘惑のスイーツエリアを超え、タイ料理コーナーにたどり着いた。
タイ料理はなんだか体に良い気がするので労力を少しもかけずにご飯を調達してしまったという僅かな罪悪感を完全に打ち消すどころかプラスにしてくれる。 トムヤンクンだけで十分だったが、トムヤンクンだけだと送料無料にならないとのことでがガイヤーンも注文することにした。 

 チャリに乗って商品のピックアップに向かったビリーが小気味良くマップ上を進んでいく姿を眺めながら、YouTubeなんかみてたらあっという間にビリーが到着した。
受け取った商品を開けてみるとガイヤーンのみが来てトムヤンクンしか見当たらない。 ビリーに聞いても、これしかなかったで??としか言ってくれないので一旦ビリーとはお別れしてタイ料理屋さんに電話してみることにした。 

 「トムヤンクンないんだけど?」
「まじ?確認するわ」
「どう?」
「よくわかんねーけどもう一個持っていくわ。ちょっと待っとってー」
「あいよー」 

 多くの場合シラを切られて終わってしまうのだが、タイ人の方はとても親切である。 電話後すぐに新しいトムヤンクンが届けられた。 

 トムヤンクンとガイヤーンを食べていると再びインターフォンが鳴り、扉を開けると無人で足元に小包のみが置いてあった。 包に間違いなく自宅の住所が書いてあったので包を開けるとトムヤンクンが出てきた。 まさかの2度目のトムヤンクンが届いたが、一回目に届くはずだったトムヤンクンがなぜか今来たんだろうとあまり気にしなかった。

 トムヤンクンとトムヤンクンとガイヤーンを食べているとまたしてもインターフォンが鳴った。 扉を開けてみると無人で足元に小包のみが置いてあった。 少し不気味だが持ち入り開けてみるとトムヤンクンが出てきた。 もちろん3度は頼んでいない。 誰かの間違いでの配達だろうと思い、一旦新しいトムヤンクンは置いておき、とりあえずトムヤンクンとトムヤンクンとガイヤーンを食べることに集中することにした。 

 しばらくして3度目のトムヤンクンがしゃべりかけてきた。
「きみ、このままトムヤンクンが無限にもらえると思っていないかい? 僕たちはそんなに甘くないよ?あ、スープはちょっと甘みがあるけどね〜」

トムヤンクンは辛いし甘いしうるさい 

 気を取り直して食事に戻ろうとするといつのまにか食べかけのトムヤンクンがアメリカの子供向け小説の名作に姿を変えていた。
「絶対びっくりしたでしょ?大人の人びっくりさせるのってとっても簡単!」 

 トムソーヤはイメージ通りクソガキ 

ふともう一つのトムヤンクンのほうから声が聞こえてきた。
「トムさんのサッカーテクニックス!!」
「おっはー トムバイヤーです。」 

 トムバイヤーさん61歳の誕生日おめでとうございます。(11月21日記)

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