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ライド・ライク・ア・ガール

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テリーサ・パーマー主演

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生後半年で母を交通事故で亡くしながらも、10人きょうだいの末っ子としてすくすく成長したミシェルの夢は、騎手になること。

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オープニングではミシェルたちの幼少期のフィルムが流され、家族の様子も映しだされます。兄や姉たちもほとんどが騎手という大家族での生活って、どんなに賑やかなのでしょうね。 10人きょうだいのうち騎手になったのは8人。すごい確率です。

ライド⑭

すぐ上の兄スティービーとは特に仲良しで、いつも一緒に遊んでいました。その関係はミシェルにとっては何にも代えがたい貴重なものでした。彼女のそばにはいつもスティービーがいたのです。
馬が大好きで、彼らの気持ちが誰よりもわかるスティービーは、やがてミシェルが所属する厩舎で調教師の道へ進みます。
スティービーを演じるのはミシェルの実兄です。ミシェル役のテリーサとの相性も抜群でした!

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自宅の牧場で調教師をしている父の仕事を手伝いながら、馬への愛情を注ぐミシェルの頭の中は、競馬への憧れでいっぱい!
いつか兄や姉たちのようにレース出場の夢を抱きつつ、乗馬の練習にも力が入ります。海岸線を愛馬で疾走する姿からは、スター騎手になる決意が表れているようでした。

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折々に、父からレースを有利にする極意を授けられます。それこそが彼女を未来の勝利へと近づけるコツなのですね。
レース場を実際に歩いて、その日の土の状態を確認する。たとえレースに有利な内側でも柔らかかったら回避するようにと教えられます。もうひとつ、「レース中に間が空くことがある。それを見逃してはいけない。すぐに閉まるから」というような言葉でした。
後のメルボルンカップレースの勝負どころで、この言葉がミシェルの脳裏に甦ります。とても劇的な瞬間でした!

オーストラリアの大自然を背景に繰り広げられる競馬の世界が、私にとって未知の扉を開いてくれました。こんなにもスリリングで危険なスポーツって、他にはあまりないのではないでしょうか。しかも、ギャンブルという側面から見ても、完全なビジネス。馬が好き、乗馬が好きだけで務まる世界ではありません。

ライク・ア・ガール

十代なかばにさしかかり、ミシェルは父にG1レースに出たいと懇願します。もうその資格は十分にあると説得しますが、父は「おまえはまだまだだ」と頭から突っぱねます。

ライク・ア・ガール④

納得できないミシェルは、家を飛び出し、ある大手の厩舎で働くことになりました。実家以外での経験を積むのも大切なことだと思うので、その選択は良かったと思います。
そこでの経験を認められ、ある優秀な馬に騎乗し、勝利を治めたことでミシェルは前途有望な騎手に近づきますが、あるレースでトップでのゴール直後に落馬、重傷を負います。

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その報せを聞いて駆け付けた父でしたが、彼が恐れていたのはまさにそのことだったのです。単にミシェルが騎手になることに反対していたのではなく、落馬事故から愛する娘を守ることでした。

というのは、すでに上の娘を同じような落馬事故で失っていたからでした。妻に続いて娘、と2人の愛する家族を失った父としては、ミシェルが騎手になることにどうしても賛成できなかったのですね。

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やがて、リハビリを経て、レースに復帰できるまでに回復したミシェルを突き動かすのは、念願だったオーストラリア競馬最高の栄誉であるメルボルンカップで、女性騎手として初の勝利を手にすることでした。寝ても覚めても頭から離れない夢…

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「平穏な人生などいらない」と突き放すかのように、ひたすらメルボルンカップへの挑戦に燃えるミシェル。女性騎手というハンデにしり込みする重役たちへの説得が功を奏し、登録ギリギリで騎乗許可を取り付けます。

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さらに、レース出場の条件である52㎏という体重制限に挑まなくてはなりません。
ワークアウト、走り込み、身体にビニールをぐるぐる巻きつけ、蒸気で汗を無理やり出すなどの壮絶きわまる減量を計量間際まで続け、奇跡的に出場権を手にします。
これは、彼女だけの問題ではなく、厩舎、馬主、調教師など多くの人の運命さえも左右する重大なミッションだったのです。

計量寸前までのダイエットの凄まじさが衝撃的でしたが、万が一減量に失敗すれば、自分が騎乗するチャンスを逃すばかりか、もし次候補の騎手が勝てなければ、関係者全員から名誉や賞金さえも逃げていってしまうのですから。

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メルボルンカップのスタート直前にミシェルの胸によぎったのは、父からの「大切なのは自分がつけるオッズだ」という言葉でした。それは、「周囲の雑音には耳を貸さなくてもいい」という諭しだったのでしょうね。
「人生において何が大事で、何をしたいのかは自分がよく知っている」という意味だと思います。

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客席にはミシェルの兄や姉たちも陣取り、声をかぎりに応援していました。麗しききょうだい愛ですね。そんな家族に見守られ、新しい一歩に踏み出す彼女の、緊張しながらも誇らしげな表情が胸を打ちました。

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この映画のレース中のせめぎあいのすごさに圧倒されます!特にカーブ付近やゴール前での駆け引きには頭がクラクラしました。なるほど、こういう危険と隣り合わせの競り合いがあるから落馬事故も避けられないのでしょうね。見ていてほんとに恐かった…

女性騎手初のメルボルンカップ優勝への道のりは、私たちに「夢をあきらめないで。やればできる」ということを証明してくれるものでした。

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ミシェル役のテリーサは、クリステン・スチュワートにそっくり!
劇場のポスターを最初に見たときは、クリステンだと思ったほどでした。私にはテリーサの知識は皆無だったので、なおさらそう早合点したのでしょうね。

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そう言えば、2月公開だった「チャーリーズ・エンジェル」でのクリステンもジョッキー姿だったのが目に焼き付いていたのかもしれません。
たまたま閲覧した映画サイトでも2人の写真が並んでアップされていたのを見ると、「テリーサとクリステン激似説」は私だけではなかったようでちょっと安心しちゃいました!

すてきなテリーサのプロフィールはこちら(私が劇場で観た作品)
アンドリュー・ガーフィールドの妻役で「ハクソーリッジ」にも出演していました!
知らなかった…

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2015年公開/テレンス・マリック監督「聖杯たちの騎士」
クリスチャン・ベイル主演。自分の過去と向き合わざるを得なくなった脚本家と、6人の女性たちをめぐる詩情あふれる作品。マリック・ワールドが堪能できます

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2016年公開/メル・ギブソン監督「ハクソー・リッジ」
アンドリュー・ガーフィールド主演。「人を殺さない」という信念のもと、銃を持たずに戦地に赴き、多くの負傷兵を救った兵士の物語

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2015年公開/エリクソン・コア監督「X-ミッション」
エクストリームスポーツの犯罪集団に潜入し、彼らとの命がけのアクションを通して絆を深めていくFBI捜査官の物語。CGを使わないアクションは緊張感たっぷり!!

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