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ReVornの赤ちゃんはバーチャルアイドルの夢路をたどる

南條夢路という少女

南條夢路という少女を、あなたはご存じだろうか。あるいは、ReVornというオーディションに臨んでいる少女たちのことをご存じだろうか。

ReVornとは、avexの発のバーチャルアイドルプロダクション・AVALONが主催するオーディションである。

「なりたかった自分」「なりたい自分」になるために、まっさらなスタートから「来世」の物語を始めたい。そんな願いを抱えた、少なくとも240人を超える参加者。その中からグランプリ(1名以上)をとった者のみが、AVALONへの正所属を勝ち取ることができる。

8月に始まったこのオーディションも佳境に入っており、現在は最終選考に残った10人が「研究生」として活動しながら、グランプリを目指している。今回の主役・南條夢路(通称:なんぜう)もその1人だ。

彼女たちは全員がまさに十人十色の魅力を持った人物たちであり、また、惜しくも途中で落選となってしまった配信者の中にも、語り始めれば何万文字とかかるであろう、素敵な配信者はたくさんいる。しかし、それに触れ始めてしまうとキリがないし、何よりなんぜう以外のメンバーには私より詳しいリスナーさんがいるはずなので、今回他への言及はあえてしないこととする。

宇宙で一番可愛い。でもそれだけじゃない。

さて、そんななんぜうの魅力はどこにあるのか。ReVornの誰かを追っていたり、公式配信等で彼女を見たことがあったりするリスナーさんなら、それは「可愛さ」であると容易にお答え頂けるはずだ。

実は8月に行われていたライブ配信選考時には3Dモデルの使用はできず、声と歌のみでの活動だった。しかしその中でも彼女は、甘く柔らかい声質と少し舌足らず気味なしゃべり方でリスナーのハートを射貫いていたのである。それに3Dモデルを用いた動きまで加わった今、彼女の可愛さは世界を救うレベルに達していると言っても過言ではないだろう(もしかしたら少しくらい過言かも知れない)。

もはや可愛さの暴力。愛がこぼれ落ちる。というかこの赤ちゃん、自分の可愛さを熟知しすぎではないだろうか。

だが、待ってほしい。なんぜうが宇宙一可愛いというのは確かに事実であるが、しかしそれだけがなんぜうではないのだ。

なんぜう元ヤン疑惑

さて、ご存じの方もいらっしゃるだろうが、実は彼女の言葉遣いは非常に悪い。いや、普段はそんなことはないのだが、SHOWROOMのカラオケに歌いたい曲が入っていなかったり、リスナーからいじられたりしたとき、ときおり口の悪さが顔を覗かせるのだ。

一度配信を聴きに来て頂ければ、「クソがよ」「は? てめぇ覚えとけよ?」なんて暴言が聞けるはずだ。手っ取り早く暴言を聞きたければ風呂敷のギフトを贈ってみるのも良いだろう。

また、言葉遣いに限らず、「赤ちゃん」を自称する割にストロングゼロについて語っていたり、なぜかダンスを考える課題で煙草を咥えてみたり何かと治安の悪い赤ちゃんである。

にもかかわらず、リスナーからの評判は決して悪くない。むしろリスナーの方が暴言を聞きたくて彼女をキレさせている節もある。元ヤンなんてネタにはしているが、「クソがよ」とリスナーに吐き捨てた1秒後に花澤香菜さんの歌を可愛く歌い出すような、そんなギャップに虜にされているリスナーも実は多いのだ。

歌唱力

さらになんぜうの人気を支える大きな要素として、歌唱力が挙げられる。単に音程を外さないだけではない。なんぜうの歌は、どうも人を引きつける力を持っているのだ。

まずそもそもの声が可愛いから、可愛い歌と相性が良いのは容易に想像がつくだろう。実際、花澤香菜さんや田村ゆかりさん、ナナヲアカリさんやHoneyWorksあたりの歌を一節歌えば、コメント欄は「かわいい」で埋まる。

しかし、意外に思われるかも知れないが彼女は「エンヴィキャットウォーク」や「いけないボーダーライン」のようにかっこよく魅せる歌もまた非常に得意としている。リズム感が優れていることに加え、彼女自身がバンド好きであり、アップテンポの曲やロック系の音楽に馴染みが深いのも関係があるかもしれない。

さて、実を言うと、ライブ配信選考中皆が企画の内容に工夫を凝らす中、ほぼ歌枠のみで選考を突破したのが彼女である。本人いわく「雑談が苦手だから逃げの歌枠」と表現するが、毎日のように4時間も5時間も歌枠をしながらリスナーを飽きさせなかったのは、色々な曲をそれにあった歌い方で歌いこなせる彼女ならではの芸当なのではないだろうか。

美学と信念、貫く強さ

可愛いのに柄が悪い。そして歌が上手い。どれも彼女の大切なチャームポイントであるが、しかし、リスナーがなんぜうのことを愛してやまない理由の核心はそのいずれにもないと考えている。

では、彼女の本質はどこにあるのか。それをもう一段掘り下げて論じるために、彼女が制作した動画を例にとりたい。

この動画は、ReVornの参加者に課されるMissionの一つで、PVを作ることになった際なんぜうが作成したものである。

まず、PVを作るように言われて恋愛シミュレーションゲームのOP動画風に仕上げてくる、という発想はどこからくるのだろうか? 普通にPVを作ればいいのに、なぜこのように奇抜なアプローチをとるのだろうか?

その根底には、端的に言えば「面白い作品を提供したい」という気持ちがあるのだろうと推測している。というのも彼女は面白くないもの、半端なクオリティのものを世に出すのは極めて「ダサい」と感じており、抵抗があるようなのだ。

そもそもPVというのは自分のことを知らない人に知ってもらうためのものであり、それ自体を楽しむものではない。だが彼女はそれを良しとしない。自分のことをきちんと紹介しつつ、既存のリスナーも楽しめるようにと頭を捻った結果、恋愛シミュレーションゲーム風動画という形式にたどりついたのだろう。

そして言うまでもなく、作り込み方が極めて丁寧である(たまに誤字があるのは赤ちゃんなので仕方ない)。動画編集技術もゼロに等しかった彼女が、これだけのものを作るのに、どれだけ手間と時間をかけただろう。動画のクオリティへの美学、視聴者を楽しませようという強い信念がなければ到底できることではない。

もしかすると、もっと要領の良いやり方があるのかもしれない。評価対象にならない項目に時間と労力を割くのは、些か非効率と言われても仕方がない。それが分かっていても手を抜けないのがなんぜうという少女であり、そんなともすればちょっと不器用でクソがつくほど真面目なところが、私は大好きなのだ。

リスナー想いな任侠赤ちゃん

一つ、なんぜうが活動当初から掲げている目標がある。それは「みんなを一生幸せにする」ということである。

それが口先だけの約束ではなくて、ほんとうに思っているからこそ、彼女は提供するもののクオリティには人一倍こだわるし、マシュマロにはいろいろな手段で真摯に答えてくれる。なんぜうのことが好きなリスナーのことが、なんぜうも大好き。ときには慰めときには笑いかけ、ときには代わりに怒ることで、それを実感させてくれる。

そう、なんぜうはかっこいいのだ。誰より思いやりが深くて、自分の信念と約束は守る。大切なもののためなら言いづらいことだってズバリと言える。侠気とでも呼べば良いだろうか、そのかっこよさが根底にあるからこそ、ちょっとした口の悪さだって「頼りになる」要素としてむしろ好感に繋がるのだろう。

頑張る姿からも悩む姿からも、リスナーのためにという想いがひしひしと伝わってくる。それの最たる例が、先日のFANBOXの全体公開記事だった。

そんなに頑張らなくていいよ、悩まないで。出かかった声をなんとか飲み込んで、一生付いていこうと改めて決めた瞬間だった。

なんぜうはバーチャルアイドルの夢を見るか

はたして、なんぜうはグランプリを取れるのだろうか。そんなことをつい考えてしまうが、当然ながら答えは出ない。私にできるのはただ、彼女の手がそこに届くよう、隣で一緒に走りながら大声で応援することくらいしかないのだ。

だが、彼女がアイドルになれるか、という問いであれば考えるまでもなく答えは決まっている。彼女は今もアイドルで、これからも活動をしている限りアイドルであり続けるだろう。

それはなんぜうが可愛いからという理由でもなければ、歌が上手いとか、ファンサービスが良いとかそんな話でもない。もちろん元ヤンも関係ない。ただ目標に向かって夢路を歩くその強さが、リスナーに見せる小さくて大きな背中こそが、彼女をアイドルたらしめているのだと、私はそう思う。

まとめ

なんぜうを推そうな。推してる人ももっと推そうな。

参考

・ReVorn公式サイト https://avex.code-avalon.com/revorn/

・Twitter https://twitter.com/Namjo_0029

・FANBOX https://rv-namjo.fanbox.cc/

・ReVornバーチャルアイドルオーディション2020非公式Wiki @ ウィキ https://w.atwiki.jp/revorn2020unofficial/pages/312.html

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