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たった3人で毎週2回のセミナーを開催し続ける7つのポイント

こんにちは、ユーザベースの酒居です。
最近ちょくちょく「note参考にしてる」と言ってもらえて嬉しいです。
ということで、今回もセミナーについて書きました。

ぼくたちマーケティング&インサイドセールスチームのマーケティングパートでは、現在3人で毎週1,2回のペースで、数十人から数百人規模のセミナーやイベントを開催しています。(今月からは週2回以上やってます笑)

マーケティングのメンバーは、セミナー以外にもオンライン関連や動画制作、カンファレンス・展示会対応、導入事例制作、予算管理など、さまざまなタスクをこなしながら、セミナーを進めています。セミナーだけをやっているわけではなく、他の施策も行いながら、イベントを毎週開催しているというところが、ひとつ特徴かなと思います。

今回は、「そもそもなぜ高頻度でセミナーを企画・開催しているのか」ということから始まって、「週2回ペースでセミナーを開催するための7つのポイント」について書いていきたいと思います。

なぜ毎週2回のセミナーを開催しているのか

ぼくたちがセミナーを開催する目的は、セミナーからの商談獲得です。マーケティング戦略の中で、オフラインマーケティングの重要な施策として行っています。

では、なぜそれを週1,2回という高頻度で行うかというと、セミナーからの商談獲得数を増やす為ということはもちろんあります。ですが、一番の理由は、セミナーの精度を高めるために「PDCAの絶対量を最大化させる」ことにあります。

ぼくは元々Webマーケティングをやっていて、サイトやWeb広告の成果を向上させるために、高頻度でABテストなどに代表される効果検証をやってきました。なので、それと同様の発想で、セミナーやイベントというオフラインのマーケティングでも、PDCAサイクルの絶対量が成果に大きく影響すると思っています。

たとえば、年に1回セミナーを開催しているのであれば、年に1回しか仮説検証のPDCAは回せない。半年に一回開催すれば年間2回、四半期に一回開催なら年間4回、毎月開催なら12回。
セミナーの開催量と比例して、改善のPDCAサイクルを回せます。

しかし、毎月1回開催したとしても、年間12回だと頻度としては少ないですし、改善案を出しても次の仮説検証までに1ヶ月かかってしまいます。
そこで、セミナーをやり始めて2ヶ月後に、隔週開催から毎週開催へと頻度を上げました。

毎週開催なら、年間52回のPDCAが回せる計算になります。そして、これを週2回にすれば年間104回(笑)

これだけの改善を回すことができれば、スピーディーな効果改善と圧倒的な成長ができる。そのために、イベントメンバー3人で企画・運営のオペレーションをつくっています。

現在ABM(アカウント・ベースド・マーケティング。国内でも近年注目が集まってきているマーケティング戦略)を実践する我々のマーケティングの取組みとして、オフラインマーケティングでの成果を最大化させることが何より重要であると考えています。

オフライン施策がキーであるのだから、オフラインでの成果を高めるための改善サイクルを回すことは、必要不可欠だと思っています。

実際にどんな改善サイクルを進めているのか。それについては、例として前回の記事がご参考になるかと思います。

高頻度でセミナーを開催する為の7つのポイント

PDCAサイクルを最大化させるためには、それを運用していく体制をつくることが不可欠です。

では、どのような点を考えていけば良いか。今回は、ぼくがセミナー企画をしていく中で考えたポイントを7つご紹介したいと思います。

①セミナーの企画から集客・当日運営までのオペレーションを整備する

(オフラインメンバーのみくちゃんと岩井)

セミナーを回そうとすれば、最初は手探りで「えいやっ!」という勢いが大切だと思いますが、それを毎回続けるわけにはいきません。実際ぼくたちは、セミナーを開催し始めた当初、何の体制も整ってない中で無理やりゴリゴリ進めすぎて、社内の各所に毎日謝り続けるという感じでした(笑)

それを続けることはできないので、少しずつでも一つ一つ仕組み化して、オペレーションに落とし込んでいくことが大切です。
オペレーションを整え、運用サイクルをつくっていくことができれば、セミナー開催の回数を増やしても回していける体制をつくることができます。

その際に、オペレーション(運用)の仕組みだけではなく、それを回していくチームをつくることも大切です。
ぼくたちのマーケティング&インサイドセールスチームの中では、ぼくを含む3人がオフラインを担当していて、企画・運営で担当を分業してそれぞれがフル稼働で動いています。
完全に信頼がおける仲間と強いチームをつくっていくことが、イベントでは特に重要だと思っています。

②できるだけコストをかけない

高頻度でセミナーを開催するために、出来るだけコストかけない運用を心がけています。

潤沢にセミナー予算を持っている企業なら別ですが、スタートアップ企業で、思う存分予算を使えるという企業はなかなか少ないと思います。なので、毎回セミナーを開催するたびに、高額の費用がかかると、どうしても頻繁にセミナーを開催することは難しくなります。(もちろんそれを回収できるだけの収益が上がることが明確にデータでわかっていればやるべきですが)

特に費用がかかるのは、おそらく集客費用でしょう。リードジェネレーション(見込み顧客を集めること)を目的としている場合、特に新規のリードを集めようと、広告出稿をするケースは多いと思います。しかし、Web広告にしてもメールDMにしても、広告にはどうしてもコストが伴います。

どのコンテンツが集客力が強く、商談につながりやすいのか、さらに案件化して成約につながりやすいのか、それは毎回データを集計し、効果検証を重ねていくことで見えてきます。その検証前に、費用をかけすぎることは避けた方が良いと思います。

しかし、一方でかけるべきところはがっつりコストをかけるということも必要です。特にクリエイティブ等、自社のブランディングに関わるものについては、クオリティは十分に保つことが不可欠です。また、お客さんの満足度を高める取組みに費用をかけるのも、色々と試行錯誤を繰り返しています。

このあたりのバランスはとても重要だと思っていて、毎回の積み重ねから日々学んでいます。

③コンテンツのバリュエーションを増やしていく

毎回同じコンテンツでセミナーを企画すると、最初はどれだけヒットしたとしても、徐々にその効果は低下していきます。何度もやっていて慣れたコンテンツだと、講演もしやすいですし、運営も楽なのでスムーズにはできますが、そもそもセミナーを開催する目的自体が果たせていないものになってしまいかねません。

また、同じコンテンツだと、そのコンテンツがささる人も偏ってしまいます。なので、ターゲット顧客を幅広く集客していくためには、ターゲット顧客にささるポイントはぶらさずに、さまざまな視点やテーマで複数のコンテンツをつくっていくことが大切だと思います。

④クリエイティヴを内製化する

セミナーを開催しようと思うと、集客のためのLP(申込みページ)の制作やセミナーの集客用バナーの作成が必要になってきます。そこで大切なのは、LPやバナー、チラシなどの必要なクリエイティブを、クオリティを高め続けながらもスピーディーに制作し、公開していく体制が重要です。

幸いにも、我々FORCASにはとても信頼できるデザイナーの方々(廣田さん&つなっきーさん)がいるので、デザインチームとタッグを組んで進めています。時には(というよりほぼ毎回)無理なお願いをすることがありますが、嫌な顔ひとつせず、我々の意図を汲み取りながらカッコイイクリエイティブをつくってくれる頼もしい存在です。

ただ、デザイナーやコーダーが部門にいない、スピーディーに回せない環境という場合もあると思います。そんな場合は自分たちでクリエイティブをつくっていく試みをしていくこともアリだと思いますが、今ならPeatixやcompass等、簡単に集客フォームをつくれるサイトも色々あるので、そういうサービスを利用するのも手です。

また、一番シンプルなのは、Facebookでイベントページをつくるのも簡単です。色々試してみて、良さそうな方法を見つけていくのが良いと思います。

⑤集客のチャネルを開拓し続ける

毎週1,2回のペースで開催しようとすると、ハウスリード(保有している見込み顧客リスト)だけでは難しい場合もあると思います。そこで、常に集客のチャネル(流入経路)を見つけるアンテナを張るように心がけています。

ここでも色々な取組みをしていて、さまざまな方法で集客の幅を広げています。(集客方法については、ニーズがあれば別途記事書こうかな)

ぼくたちの場合、最近ではFacebookやTwitterでのSNSでの集客(広告ではなくシェア)が伸びてきていて、「Facebookを見て来ました」と言ってくださる方も増えています。使えるチャネルはどんどん使っています。

ここで大切なのは、とにかく試してみるということです。ぼくたちの場合、集客にはほぼ一切お金をかけないのですが、もし予算をかける場合でも、いきなり多額の広告費用を投下するのではなく、どの広告媒体が相性が良いのか(集客人数やターゲット顧客)、小規模にテストしながら反応をみていくのが良いと思います。

⑥当日必要な人員を確保する

当たり前のことですが、当日運営に必要なメンバーを揃えることは大切です。そもそも人手が足りなくて、イベントを開催できないというのは、とてももったいないです。

ぼくたちの場合、セミナーを始めた当初はマーケティング&インサイドセールスチームを旗揚げしたばかりで、チームと言いながら、ぼくとインサイドセールスメンバーのあきさんの二人だけでした。(チームというよりコンビ)

なので、二人では運営できないので、セールスやカスタマーサクセスのメンバーにお願いして、当日運営やお客さんのフォローを手伝ってもらっていました。でもみんなそれぞれに仕事があるので、どうしても人手が足りない場合は、開発のメンバーやユーザベースグループのSPEEDAのメンバーにも協力をお願いして、運営をフォローしてもらっていました。

今はマーケティング&インサイドセールスチームのメンバーも増え、チーム内で当日運営を全て回せるようになっています。進めていく中で、メンバーそれぞれが学び、自ら進んで動いてくれるので、仲間と一緒にチームワークで良いセミナーのカタチがつくれています。

セミナーやイベントはアナログなので、人手や場所など物理的に必要なものがたくさんあります。しかし、セミナーはマーケティング施策として、非常に有効なものなので、ぜひそれを実践できる体制づくりを進めていくべきだと思っています。

特に企画運営を始めたばかりのころは、本当にバタバタですし、いろんな方に謝り続けることもあるかと思いますが、自分たちのやることを信じて、みんなに協力を仰ぎ続けること、自分たちの取組みの意味を伝え続けていくことが大切だと思います。

⑦自分たちも楽しむ!

「少人数で毎週セミナーを開催し続ける」ということだけ書くと、すごいブラックな苦行のように思いますが、単純に毎回のイベントを楽しめているというところが大きいです。

新しく来てくださった方やリピートのお客さんとの会話、自分たちのコンテンツに対する満足度、さまざまな取組みに対するフィードバック、自分たち自身の振り返り、そのようなPDCAサイクルを回すこと自体に楽しみ、喜びを感じられるから、続けているんだと思います。

そもそも自分たちが感動できるコンテンツや企画でなければ、お客さんに感動は伝えられないと思うので、自分たち自身がおもしろいと思えるものをやっていく、ということはとても重要だと思っています。

おわりに:注意すべきこと

今回は「高頻度でセミナーを開催するための方法」についてご紹介しました。しかし、一方で注意した方が良いこともあります。

セミナーを高頻度化していくと、どうしても陥りがちなのが、「セミナーを企画・開催すること自体に集中してしまう」ということです。

セミナーの精度を高めていくために開催の頻度を高め、絶対量を増やしていくことは必要です。しかし、あくまでそもそものセミナーを開催する目的(例えば、セミナーから商談をつくり出す等)は忘れてはいけません。

特に、目標やKPIを「セミナーを今期◯件開催する」などとしてしまうと、セミナーを開催すること自体が目的になってしまう危険性があります。
手段自体が目的になってしまわないように注意が必要です。

セールスやマーケティング、どのようなことにおいても言えることだと思いますが、クオリティを高めて成果を伸ばしていくためには、行動量が大切だと思っています。
量が質に転換する。いきなり質を追い求めてもなかなか上手くいかないし、小さくまとまってしまう恐れがあります。

ぼくたちも、まだまだトライアンドエラーを繰り返し、毎回喜びと反省を感じながら進めています。

この記事が少しでもお役に立ったのであれば光栄です。
それでは今回はこの辺で。
読んでいただき、ありがとうございました!

読んでくださってありがとうございます。まだまだ試行錯誤の連続ながら、自分たちの日々の取組みから得た気づきをシェアしていきたいと思っています。