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少年だった僕が大きな風を起こそうとする話

『ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきは、巡り巡ってアメリカ・テキサス州のハリケーンの原因となりうるでしょうか。』 これは、僕が最近感銘を受けた、桐朋高校の卒業式で読まれた卒業生答辞の冒頭部分だ。 小さな偶然が数奇な因果を導くこともあるという意味で使われるこの『バタフライエフェクト』。 日本の慣用句を使えば、ちょうど『風が吹けば桶屋が儲かる』に相当するのだろうが、同じような内容であっても伝え方一つで相手に与える印象はここまで変わるのか、ということを若者から教えてもらったような気

    • 元彼が出家した日③

      愛情表現って難しい。 これは個人的な感想だが、付き合いが長くなるほど愛情表現をしなくなる人が多い印象がある。 言わなくても伝わる。 そう言い訳をして相手に想いを伝えなくなるのは甘えであり怠慢であると僕は思う。 綺麗な花を咲かせるには、やはり適度な水やりが必要なのだ。 僕の元彼は愛情表現をある程度してくれる方だった。しかしその方法はとても独特だった。 「俺ら前世から一緒だった気がする。この感覚、もしかしたら奈良時代の頃かな。」 なんと返すのが正解だったのか、今でも分

      • 元彼が出家した日②

        (〜前回のあらすじ〜 出会い系アプリで出会った彼は、何やら様子がおかしかった。まるで霊視をしているように僕のことを見てくるため、僕は意を決して「幽霊でもみえるんですか?」と尋ねてみたのだった。) 「よくわかったね!」 彼は今までで一番明るいトーンで答えた。 まさか本当に見えるとは思っていなかったため、僕は少し面食らってしまった。 ちなみに僕は幽霊の存在を信じていなかった。 ただ、それは今まで心霊現象を体験したことがなかったからで、身近に見える人がいるというのならそれ

        • 元彼が出家した日①

          僕は変わっている人に惹かれる傾向がある。 例えば会社の同期の女の子。彼女との会話は飽きることがない。 彼女は過去にラッパーと付き合っていたそうなのだが価値観の違いから別れてしまい、頭の良い男性とお付き合いしてみたいと思うようになったそうだ。 結果、彼女は東大卒のインテリと付き合うことになった。 いわく、その人はテレビの東大王にも出演したことがあるぐらい博識だったそうだが、事あるごとに難しいクイズを出題するという癖があったらしい。 しかも、クイズに答えられないと 「

        少年だった僕が大きな風を起こそうとする話

          付き合ったのに全く会わなかった二人の元彼の話

          「あなたがなんで誰にも愛されないか分かる!?あなたが誰も愛してないからよ!!」 …沁みる。 かなり古いドラマにはなるが、これは私が愛してやまない女王の教室というドラマ内で、天海祐希演じる阿久津真矢がかつての教え子に放った台詞である。 台詞は尚も続く。 「周りの人に愛してほしいと願うばっかりで、あなたはその人達のために何かしてきた?」 「結局あなたは自分が可愛いだけなのよ。他の人のことなんかどうでもいいのよ。」 「そんな人のことを誰が愛してくれるっていうの!?」

          付き合ったのに全く会わなかった二人の元彼の話

          ゆってぃの不協和音

          ハモるという言葉がある。 ある音に対して、相性の良い音を被せる。すると、なんとも綺麗な響きが起こるのだ。これを人はハモると呼んでいる。 では、ハモるという言葉の語源はご存じだろうか。これは調和を意味するハーモニーという言葉が由来となっている。 昔々、誰かが音と音がハモるあの美しい現象に調和という言葉を当て嵌めたのだと思うと、なんだか感慨深いものである。調和は綺麗で美しいということを、きっと彼らは経験から知っていたのかもしれない。 だが実際のところは、均整の取れたハーモニ

          ゆってぃの不協和音