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Day15「共同利用方式と単独利用方式の課題感」 @ ガバメントクラウドについて考えるAdvent Calendar 2022

この記事は、ガバメントクラウドについて考える Advent Calendar 2022のDay15「共同利用方式と単独利用方式の課題感」となります。

※こちらの記事は基本的には公開情報を元にしていますが、個人的な妄想・意見も含まれておりますので、ご承知おきください。

このAdvent Calendarは、日々活動している中で課題として感じることなどをどこかで整理しなくてはいけないと思っていて、ちょうど良いタイミングだったので、全日自分が思うところを書くというスタイルにチャレンジして、どこまで続けられるかやってみたいと思います。
https://adventar.org/calendars/8293

以前、以下のツイートに多くのことをまとめてみたのですが、改めて整理していきます。

共同利用方式と単独利用方式の課題感

ガバメントクラウドの利用方式については、共同利用方式と単独利用方式の2つが用意されています。こちらについて、今回は考察を進めていきたいと思います。

そもそもなのですが、共同利用方式については2種類あるのではないかと思います。それをここでは共同利用方式テナント独立型と、共同利用方式テナント共有型の2つと定義して、以下のように整理してみました。

共同利用方式テナント独立型

共同利用方式の中でも、自治体ごとにテナントを立てるという方式をこのように定義します。共同利用方式はほとんどのケースにおいて、オールインワンパッケージを利用している場合になるのではないでしょうか。このケースにおいては、いくつかの課題感を思い浮かべられました。

1つ目は、オールインワンパッケージベンダーがクラウド運用管理をそのまま行うのかというところです。また、ガバメントクラウド上の20業務と、自治体側に残る20業務以外のシステムを全体として設計するベンダー及び統合して運用するベンダーが必要かというところです。こちらはオールインワンパッケージベンダーがそこまでやるのか、別で業者を建てる必要があるのかという検討をする必要があるというのが2つ目の課題感です。

共同利用方式テナント共有型

続いて、共同利用方式の中でもテナント共有型になります。こちらもオールインワンパッケージ構成の場合になると思いますが、自治体ごとにテナントを立てるわけではなく、複数の自治体を統合したテナントを建てるケースを指すという定義にしています。

この場合は、作り方にはよりますが、アプリケーションの中で複数自治体を共有する仕組みに変更が必要になると思います。また、共有するがゆえに、同一テナント内の自治体間のセキュリティをどのように担保するかも同時に検討が必要になります。

先程、共同利用方式についてはオールインワンパッケージが前提になりそうだということを述べましたが、特にテナント共有型の場合は自治体間でシステムを共有しているので、マルチパッケージ構成の場合、さらに別のパッケージが別テナントにあるわけなので、その間の相互接続をどのようにすれば可能なのかについては検討が必要そうです。

また、各自治体がどれくらい利用しているかや、障害発生時にどこまでの自治体に影響があるかなども考慮が必要になると考えられます。

単独利用方式

こちらの方式については、基本的にはマルチベンダー構成の場合が前提になると思います。おそらくこちらの場合は、ベンダーごとにテナントを用意して責任範囲を明確にして、相互接続をさせる方式になると思われます。この場合の課題感を想像してみました。

アプリベンダーは個々のテナントが運用管理範囲になるでしょうから、その間をつなぐTransit Gatewayなどの仲介コンポーネントの運用を誰がやるかは大きな検討ポイントになります。そして、20業務以外のシステムと併せた全体設計・統合運用が高いレベルで必要になると思います。共同利用方式よりも関わる事業者が多くなるため、その間の整合性や連携が必須になるためです。このあたりの費用試算によるコストボリュームの把握が必要そうです。

別日に改めて整理したいと思いますが、運用管理補助者がガバメントクラウド側だけの範囲が対象なのか、20業務以外も合わせた範囲が対象なのかに加えて、設計といった観点も同様の検討が必要になると思われます。

いずれにせよ、こちらの方式だとほぼほぼ自治体個別のシステムが作られることになるため、按分効果が出るのかについては難しくなるのではないかと思います。

まとめ

あくまでアプリケーションや設計・運用管理について、こちらで整理しましたが、ネットワークについても整理が必要だと思います。それは次回整理させていただきたいと思います。

執筆後記

このようにガバメントクラウドを考えるAdvent Calendar 2022では、以下の流れで進んでいくことになると思いますので、Day15以降もお待ちいただければと思います。

  • ガバメントクラウドの在り方

  • ガバメントクラウドの整備における課題感

  • ガバメントクラウドの利用における課題感

  • ガバメントクラウドの今後について考えてみる

Twitterなどで情報発信していますので、もしよろしければ覗いてみてください。