国鉄民営化を目前にして、国鉄では期末手当の査定を行うことを決定しましたが、当局の考え方を述べていきたいと思います。
国鉄当局、門野 雄策給与課長の見解を公企労レポートから要約しますと。
現在の国鉄は、職員一丸となって改革に向けて努力を行うべき時であり、そのためには職員一人ひとりの能力、意欲の向上と意識の改革を図ることが必要となっていますし世間でも職員の意識向上を期待していると思います。
そういった時期だけに、信賞必罰を基本とした職員管理を徹底することは、民間企業では賞与への勤務成績等は何らかの形で行われていることに鑑み、今回は職員個人の勤務成績を適時適切に反映させることで、ひいては企業運営の活性化にも役立てることができるように、新たな支払い方法を定めようと言うものです。
以下に、公企労レポートから引用しますと。
引用終了
もちろん、この制度が民営化の準備としての導入ではなく、今までこの制度を導入できなかったことを反省しないといけないと考えていおり、職員の意識・意欲、あるいは能力のさらなる向上と、信賞必罰を基本とした職員管理の徹底は必要と考えています。
以下に具体的な支給方法を再び、公企労レポートから引用しますと。
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ということで、今までは定期昇給時に多少の色を付けていたのですが、この辺は多少説明が必要と思われます、
基本的には、公務員(国鉄は正確には公務員ではないが公共企業体は国家公務員法に準じた給与体系であったため、郵政の経験を加味して書いています)の場合は定期昇給【一般的には四号俸】の昇給、ただし、一年に訓告二回【四回?】もしくは、戒告以上で二号俸の昇給停止となるため、組合運動などで処分をなんども受けていると同じ年齢、同じ経験年数でも号俸に差が出るということはありました。
ただし、公務員の場合、特別昇給制度というのもあり、仮に処分等で号俸昇給が停止した場合でも、四年以上優良な成績(いわゆる処分を受けない状態)の場合は、昇給停止分が臨時に昇給する救済措置もありました。もちろん、処分を受けず、特別昇給のみを受ける職員も居るわけでそうなってくると、さらに給与体系に差が出ることになります)
また、退職時の退職金の計算も在籍時の4月1日時点での俸給月額に対する計算ですから、幹部級は退職が6月30日付で、一般職員は3月31日付というのが郵便局の場合は不文律となっていました。
いささかお話が脱線しますが、3月31日で退職だと、4号俸昇給させずに退職金が計算されるのに対し、6月30日で退職させると、4月1日時点で4号俸昇給させたうえ、6月1日に職員として在籍しているため、退職金+夏季手当を支給させることができるということで、郵便局の課長以上は6月末退職、課長代理以下は3月末退職が一般的でした。
話が大きくそれていしまいましたが、少なくとも国鉄では組合の力【主に国労】による悪平等の影響で、阻害されてきたのが、分割民営化という国の大方針が決まったことで進めやすくなったということが言えると思います。
さらに、今回の導入に際してのポイントは下記のとおりです。
ということで、出勤率を反映させるというところに、国鉄の抱えていた病巣を見る思いがします。
この二つの側面を、個人ごとの支払額を算定する際の要素にすると書かれています。
なお、具体的な内容については、再び公企労レポートから引用したいと思います。
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ということで、長期の欠勤者よりも、組合として問題としたのは、勤務不良職員のうち、管理局単位で10%の職員は5%の減額を行うことが問題となるわけですが、この辺は次回以降の各組合の意見の中で明らかにしていきたいと思います。
国鉄当局としては、この制度を導入させることで、職員の意識改革及び分割民営化の準備としての前例を作りたいということで、労使交渉をすすめることとしています。
次回は、国労の意見について記述していきます。