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第0日目:旅の始まり(2)

在来線構内に入り、まずは湖西線3番線ホームへ。
次に乗車する列車は12時33分発の奈良行列車であったが、その間の12時25分に回2825Mとして列車が入線→26分に2832Mとして出ることを知っていたため、まずはそれを撮ろうとしたのである。

大急ぎでホームへと駆けていったとき、既に列車は入線していた。
113系L6編成、銀色の窓枠がそのまま残っている未更新車だった。関東であれば趣味者が何十人も囲っている状況だと思うのだが、ここでは年齢が近いと思われるお兄さんが一人カメラを構えているだけだった。
12時26分、列車はゆっくりと加速、2両目の後半から強めの駆動音を響かせながら去っていった。

近江舞子行 2832M 2022年3月19日京都駅3番線にて

乗り換え時間は7分しかない。地下東通路を通って、大急ぎで奈良線ホームへと渡っていった。西日本最初の乗車列車は何になるだろうか… そんなドキドキもあったのではないかと思う。

ホームで待ち構えていたのは221系NC607編成だった。631M普通 奈良行。
205系に乗れるかもしれない…と思っていたため、少しがっかりしてしまった。発車時間が近かったこともあって、転換クロスの座席はどこも埋まっていた。私はやむなく、ドア横のつり革に摑まった。
12時33分、列車は定刻通りに京都駅を発車。途中、稲荷駅で弓道部の高校生2名が乗車。片方の学生がここに(補助座席を引き出して)座っても大丈夫だろうかと質問した後、もう片方が「ええで。」と返していた。何気ない会話であったが、妙に”西日本”や”関西”を感じた覚えがある。
補助座席があることを知った私は少し周りを見回した後、その座席に座ったのだった。

京都を出てから40分、列車は玉水駅に停車。ここで私は下車し、一時間後の奈良行 普通635Mが出るまで数本ほど列車を撮ることにした。ここでは下記の8本の列車を収めることができた。

1:みやこ路快速 京都行 2612M 221系NC610編成
2:普通 奈良行 631M 221系NA402編成
3:普通 京都行 640M 205系NE409編成
4:みやこ路快速 京都行 2617M 221系NG614編成
5:普通 奈良行 633M 205系NE401編成
6:みやこ路快速 京都行 2622M 221系NC607編成
7:普通 京都行 642M 221系NA402編成
8:みやこ路快速 京都行 2624M 221系NC614編成+NC602編成

←京都行 2622M  2022年3月19日玉水駅2番線にて 奈良行 633M→ 

予定通り14時13分、奈良行 普通635Mで玉水を発った。乗車編成は205系NE408編成。女性の運転士さんが乗務されていた列車だった。お昼時の列車ということもあり、乗車率は高くなかった。その状況ならビデオカメラで車窓を撮っても文句を言う人はいないだろう…と思い、平城山駅から窓ガラスにレンズをぴったりとつけて撮ってみた。住宅街→公園→有料道路→住宅街→高架線…奈良駅までの4分ほどで目まぐるしく景色は変化していった。

14時34分、奈良駅に到着。ここでも3本列車を撮った。

1:普通 京都行 642M 205系NE408編成
2:みやこ路快速 奈良行(終着)2621M 221系NA406編成+NA419編成
3:みやこ路快速 京都行(始発)2628M 221系 NC610編成
※NC610編成は玉水駅で1本目に撮影した編成。普通列車で奈良に向かうまでの間に追い越されたのだろうか?

15時ちょうどの大和路快速 天王寺行 3991K(221系 NB802編成)で奈良を発ち、王寺を目指した。天王寺まで直接行かなかったのは、王寺で201系を撮影し、その201系で天王寺を目指したいと思っていたからである。

夕方に入りかけていた時間帯、3991K列車の車内は人が乗っていなかった。
1号車中ほどの座席に座っていたが、運転士の姿や前面の風景がはっきりと見えた覚えがある。
途中駅で5歳ほどの男児とその母が乗車、乗務員室後方の優先席に座り、母親と鉄道の話をしていた。テレビやラジオで聞くような、流ちょうな関西弁(大阪の芸人さんを思わせるような軽快なもの)でひたすらに親に話しかけていた。(少し話を盗み聞いてしまったが…)どうやら彼は201系を見たいために王寺方面へと向かっていて、単に王寺方面に行くだけでなく大阪府内から環状乗車していたことがあったようだった。「連れまわされる親御さんも大変だな…」と思いながら、彼の話をBGM代わりにぼんやりと車窓を眺めていた(もっとも、この日の天気は雨。鈍い雲と霞んだ風景が続いていた)。

時刻表上での奈良ー王寺間の乗車時間は15分。その15分(10分程度?)の時間にしては、妙に長い時間を過ごしたような気がする。その”不思議な”時間は王寺駅まで続いたのだった。(まだまだ続く……)

(2023年7月15日 第1版公開)

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