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国鉄制定色の欠番について(整理)

読者の皆さん、こんにちは。
私生活の多忙もあり、随分と久々の投稿となってしまいました。
趣味があまりにもできていないことに嫌気がさしてきたこともあり、「無理にでも趣味するか!」と思いながらキーボードを打っています(もう数か月ばかり、本格的に趣味できそうにないということが実に辛いところです)。


1)はじめに

さて、本題に移りましょうか。
今回のテーマは「国鉄制定色の欠番について」です。
上に示している記事の中で私はこんなことを書いていました。

「時系列順に付番が行われた」ということが証明できれば、欠番となっている色の使用開始時期を大まかに推定することが可能になる…

”欠番となっている色”とは、現時点で存在していた事実が証明できていない色のことを指します(具体例:赤12号・朱色2号など)。
現在も上記仮説の決定的な証拠を見つけることはできていません。しかし、状況証拠として”おおむね時系列順に使用開始が確認できている”(”青1~5号”、”緑1,2号”は最初の使用例を発見できていないため、現時点では反例となっている)ことがあるので、この仮説に基づいて推定を進めています。

欠番の捜索については、2020年9月から続けています。当時と比べて資料公開・調査が進んだ現在においても、依然として存在が確認できない色が複数存在しており、この分野の研究に やや手詰まり感を感じている状況です。

このまま一人で問題を抱え続けることにメリットがないと思ったので、本記事で情報公開を行います。何か情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、お力添えをいただけますと幸いです。

2)現在捜索中の欠番

現在捜索中の欠番には、以下に列挙する4パターンが存在しています。

① 20系客車で使用されていた可能性が非常に高い色
:前後の色が共に20系客車に使用されていたパターンです。
・赤9号
・黄かっ色7号~9号
・薄茶色10号
・ねずみ色5号

②1950年代末~1960年代にかけて制定されていたと考えられる色
:前もしくは後の色が20系客車で使用されていたパターンです。
・赤12号(157系~401系:1959年8月~1960年8月)
・朱色2号(101系試作車~155系:1957年6月~1959年3月)
※鉄道ピクトリアルの「国鉄形車両の記録 スハ43系客車」内に記述が存在するとのこと。

[2024年4月追記]
上記書籍内には、マロネ41の近代化改造(1962~1964年度施工)について以下の解説が掲載されています。

(前略)床材は塩化ビニール樹脂床仕上材として,寝室の通路には朱色2号の絨毯を敷いた。

鉄道ピクトリアル2019年6月別冊
「国鉄形車両の記録 スハ43系客車」38頁より引用

記述の元となった資料を確認できていないため、現時点ではこれ以上の情報を得られていません。当時の仕様書を確認することができれば、何らかの情報を得られそうではありますが… 仕様書がJRSへ再編される前の話であるため、当該の仕様書が残っていない可能性も高そうです。

・黄2号,黄3号(用途不明~ナシ20:1958年9月以前)
・黄緑1号~黄緑4号(用途不明~ナハ20,ナハフ20:1958年9月以前)
車両の色彩に電気機関車運転台用の色として黄緑2号(淡緑3号の旧名称)の記述が存在する。
・青16号,青17号(20系客車など~キロ80初期車:1958年8月~1960年9月)
・灰色3号(用途不明~ナハ10:1955年10月もしくは1956年6月以前)
・灰茶色1号~4号(ナハ20以前:1958年9月以前)
・灰色13号~15号(20系客車~0系:1958年9月~1964年)
※0系に1000形C編成が含まれるかは不明。含まれる場合は1964年3月以前。0系1次車が1964年7月に登場しているので、遅くともそれ以前の時期であることは間違いない。

③ 推定時期が広範囲にわたる色
・クリーム色11号(0系~415系500番台:1964年~1982年1月)
・緑12号,緑13号(20系客車~200系:1958年9月~1980年10月)

④1980年代に制定されたと考えられる色
・薄茶色16号(201系量産車~0系2000番台:1981年7月~同年11月)
※201系量産車のモケットに使用されていたのではないかという説がある。
・白1号,白2号(100系量産先行車以前:1985年3月以前)

3)終わりに

2023年12月現在、筆者が把握している欠番は上記の30色です。
また、筆者がこれまでに存在を確認した制定色は約160色です。トータルで190色程度の制定色が存在していたのではないかと考えていますが、色見本台帳の現物を確認できていない状況ですので、全容は分かっていません(色見本台帳の現在や登録・管理について、実務者の方にお話を伺ってみたいところではありますが…)。これについては可能な範囲で調査を進めて、将来的に結論を出したいと考えています。

もう一つ気になっているのは、国鉄時代末期の車両に見られた制定色外の色についてです。改造車や新造車で見られた固有色をどのようにして決めていたのか・管理していたのかが気になるところです(これについても、実務者の方にお話を伺ってみたいところですね)。国鉄時代の色彩をまとめた総合資料を作れたら面白いだろうな…と思うところがあります。(JR初期の塗装・塗色も面白いものが多いので研究してみたいとは思うのですが、”なぜか書くことが好まれない風潮”があり、研究を渋っている状況があります。私企業のことに触れるのは、そんなにもよくないことなのでしょうか…?)

いろいろと研究活動をやってみたいところですね。

2023年12月28日 第1版公開
2024年4月14日 第2版公開

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