yoe yoshioka

吉岡擁/イマジナリー文芸倶楽部「オルタナ旧市街」主宰。エッセイや小説など。

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吉岡擁/イマジナリー文芸倶楽部「オルタナ旧市街」主宰。エッセイや小説など。

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Re: biography

オルタナ旧市街 yoe yoshioka 吉岡擁(よしおか・よう)/とるにたらない文章をほそぼそと書き続けています。 2019年より文学フリマに出店。同年8月より、ネットプリントマガジン『オルタナ旧市街』を不定期刊行中。ご依頼等はTwitterのDMからお待ちしております。都市とすぐそこにある異界、空想と実験の日々。 お仕事のご依頼はTwitter等各種DM、もしくは下記のメールアドレスよりご連絡いただけますと幸いです。 theoria451◉gmail.com (◉を@に

    • ウィッチンケア

      ちょびっとおひさしぶりです。ごきげんいかがでしょうか。 相変わらず春はすこし苦手で鼻をずびずびやりながら日々生きています。 あれこれ日常はせわしないけれど、目まぐるしく流れていくもののなかで足を止めることを忘れないように。 4月1日発売の文芸雑誌『ウィッチンケア』第14号にオルタナ旧市街も寄稿させていただきました。「長い長いお医者さんの話」という、近所の変な町医者の話をつらつら書きました。去年末から今年の頭にかけて、体調不良が続き三度も同じ医者に診てもらったときのお話です。

      • お口に合いませんでした

        9月21日より太田出版のWebマガジンにて、オルタナ旧市街の連載「お口に合いませんでした」がはじまります。 食べ物の話を書いてみたいですと担当編集氏に言ってみたら、なぜかおいしくないものの話を毎月一回書く羽目に……。 連載トップはこちら。第一話はあした公開です🍽 がんばります。

        • バターの夢をみる

          8月7日発売の『文學界』にエッセイがのります!よろしくね。 なんとエッセイ特集です。「エッセイについてのエッセイ」というお題をいただき、大好きな片山令子『惑星』についてしるした「天体としてのバター」という一編を寄稿させていただきました。 こんな表紙にオルタナ旧市街とかいうわけのわからんペンネームが載ってしまってとても恥ずかしい。文芸界のイロモノとしてがんばっていきます(でもわりとまじめな文章を寄せました)。 今月から電子版の配信もはじまるそうです。芥川賞『ハンチバック』を

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        Re: biography

          前向きなドレッシング

          雨はきらいじゃないのに急に蒸すようになったせいか四六時中ざわざわと苛立つ。たいした気温じゃないのに汗をかくのがふしぎ。暑くないのに、と思ってじぶんの腕をさわるとひんやりしていて気持ち悪い。 バスタブをたくさんの泡で満たすとすこしだけ楽しいことを知っているので実践する。新宿のLUSHで買った、アメリカのティーンエイジャーが見る悪夢みたいな色形のバスボムを大胆に湯船に突っ込む。シャワーをかけるともこもこもこと膨らんでいくのでぼんやり眺めて満足する。ねるねるねるねとか、奇妙な色で

          前向きなドレッシング

          蜂蜜を溶かしただけの水

          再来週に出る予定の文学フリマ東京に向けてやることが死ぬほどあるのに、昨晩無駄に深夜まで飲み会に付き合ったおかげで無事に半日を無駄にした。頭痛すぎる。玄関にタクシーの領収書と、iPhoneのカメラロールには撮った覚えのない写真(フリー素材みたいなポーズで後輩に講釈を垂れている同期と、適当に相槌を打っている後輩)が何枚か保存されていて、あいまいな記憶の断片が繋がったり解けたりしながら頭の中でぐるぐる回っていた。昼前に起き出して、最悪の体調で昨晩来ていたいくつかのメールを返して沸か

          蜂蜜を溶かしただけの水

          雑文集『一般』お取り扱い書店さま

          2023年7月更新 オルタナ旧市街『一般』お取扱店一覧をまとめました。お買い物のご参考にどうぞ。 🌍 本屋lighthouse幕張支店(千葉) 本屋B&B(東京・下北沢) 書肆 海と夕焼(東京・国立) ブックバーひつじが(福岡) Seesaw books(札幌) 犬と街灯(大阪) スタンダードブックストア(大阪) ジュンク堂書店広島駅前店(広島) twililight(東京・三軒茶屋) 古本屋 弐拾dB(尾道) 本屋UNLEARN(広島) つまずく本

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          プリズム/レプリカント

          半年とちょっとぶりに、不定期ネットプリントマガジン「オルタナ旧市街」をつくりました。ようやっと11号です。「深海駐輪場」「徒花を埋める」の2本です(サザエさんの声で)。 「徒花を埋める」は、5月の文学フリマで頒布した「おためし旧市街」というペーパーに載せたものの増補版です。葬式に関する話ならなんだか無限に書けてしまう。単著『一般』の次は『葬送』を出せるといっても過言ではない。結婚式は数えるほどしか出たことないのに、葬式や法事の類は物心つく前からなぜかむちゃくちゃ出席している

          プリズム/レプリカント

          All you need is…

          梅雨明け、いや異常気象でしょ、ハイハイ異常異常。と思いながらせっかく開けたカーテンをざざーーーと閉めて今日一日一歩も外に出なくて良いよう予定を組み上げたじぶんの万端さにうっとりして百年の二度寝を決め込んだ。昨日は外仕事でクソ酷暑の中朝から夕方まで文字通り汗水流して働いて本当に偉かった。帰宅したら案の定軽い熱中症(もう何度も経験しているので感覚でわかるのだ)で、そのままパッタリと気絶のように眠った。正確には変なものを食べたのか夜中腹痛と吐き気に見舞われ、ああ食中毒じゃないよな、

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          一般(+日曜日のお買い物リスト)

          オルタナ旧市街の新刊ができました。 オルタナ旧市街『一般』 5月29日 文学フリマ東京 ニ-36ブースにて発売開始 以後、一部書店ほか通販開始予定 不定期刊行ネットプリントにて発表済作品も含め、2019年ごろから書き溜めた旅行記や小説などに大幅な加筆・修正と再構築を施した正真正銘の雑文集‼︎ モノクロB6版102ページ/900円 香港旅行記「うつくしく混沌(雨傘について)」、私小説「バス停、顔たち」「よーいどんで星までとどけ」等、近年のヒット作(冗談です)を中心に14

          一般(+日曜日のお買い物リスト)

          遠巻きにみつめる

          ドーナツは冷凍保存すればほとんど買った日と同等のおいしさを維持できるとはじめて知って、インターネットありがとう! と久しぶりに本気で思った。ドーナツショップに行って、一日で食べ切れる個数ならどいつを持って帰るのがベストな選択かどうかショーケースの前を犬みたいに行ったり来たりしながら吟味して買わなくてもいいというのはうれしいこと。オールドファッションとチョコファッションを同時に買っていいというのはもはや革命並みである。似てるからってどっちかをベンチ入りさせるのは不憫だと常々思っ

          遠巻きにみつめる

          All the Light We Cannot See(すべての見えない光)

          法事のために今週末は実家に泊まることになった。御仏前やら供え物のお菓子やらをあれこれ用意して生家のある街に向かう電車に乗る。別に無理して出なくても良いと言われつつ、こういう会は多少無理してでも出るものだという考えがあって都合をつける。歳の近い従兄弟などは誰も出席しないのに、なぜ……とも思うが、じぶんの性分なのだから仕方ない。わたしはとりわけ故人に対しては義理堅いたちなのだ。 実家に向かう途中は疲れ切ってうとうとしたせいで、うっかり買ったばかりの供え物のお菓子を網棚に忘れ、2

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          最低気温

          思い出したように水を遣っているせいで我が家の観葉植物はいっこうに生長している気配がない。まるで身長が伸びなかったじぶんを見ているようで呆れる。毎日欠かさず牛乳飲んで夜更かししなければ背が伸びたか? と言えばノーだが。これはまぎれもなく遺伝である。 ・ 土曜の朝に3回目のワクチンを打って副反応で丸三日寝込んだ。3回目の副反応は大したことないとか言ったやつはだれだ。「3回目はそうでもないんですよね!」と調子に乗って予診でそう医師に尋ねたら「いえ、2回目と同等かそれ以上の副反応

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          レヴェンワースの光、タイムズ・スクエアの花嫁

          案外寒くならないのでここのところは会社を出たあとぷらぷらと3駅くらい歩いてみたりする。東京には雪もあれから降らないし、もっと寒くなっていいんですよと思うのだが。うかうかしてると冬、終わってしまう。たばこも新しいiPhoneも税金も高い。やんなっちゃうねと思いながら冬のベランダでときどき吸うたばこはうまいと心底感じる。肺が冷える。神田の駅前に隠れセーブポイントみたいにして2箇所も喫煙所を発見した。肩身狭いどころか犯罪者みたいな扱いをうけて居場所は縮小撤去されていきます愛煙家、珈

          レヴェンワースの光、タイムズ・スクエアの花嫁

          タイムトラベル上等

          ベランダからとりわけかがやく光球が見えて、さすがに光りすぎではないかなと思っていたらそれはゆっくりと遠ざかってきえていった。たしか先週も同じ位置に同じものがあった。人工衛星? 人工衛星に軌道というものがあるのか、調べてみてもよくわからなかった。でもきれいだった。異なる時間軸からかがやきを放つ光を見つめているとき、光もまた現在のわたしとは異なる時間軸のわたしに届いている。いつ考えても不思議。来週もまたここを通るだろうか。わたしが7日間を数えるあいだに、星々はどのくらいの速度で生

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          豊穣とごぼう、インスタント幽霊

          夜中の帰り道、街路樹の脇にぼんと爆発したみたいに彼岸花が咲いていてびっくりした。街灯に照らされてぬらっと立つ姿はエイリアンみたいだったし、よほど驚いたようで実際に「ワ!」と声が出た。そんなことで騒ぐんじゃないよといいたげに野良猫が脇をかすめていった。寒いのでリュックの中にストールを放り込んで歩いている。これで安心です。 ・ 涼しくなって気分がいいのでスーパーの帰り道に1時間くらい散歩する。近所にペルシャ絨毯の小さい店があって、店頭できれいなクッションが安売りされていたから

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