見出し画像

【新国】地獄には落ちたけどそもそもの女癖が世紀末級で引く(現代っ子並感)な『ドン・ジョヴァンニ』【オペラ】

 これもまた #熟成下書き とは名ばかりの今更祭り。とはいえ、今更祭りという表現の適切でない感が半端ないので違う言い方を考えようとは思っています。
 というわけで、5月に観た『ドン・ジョヴァンニ』の話。なんですが、この日はオペラ以外のところですごい日でした(当社比)。招待券で大学の友人=後輩一家が来ていて(キャストのなかにお友達がいるらしい)開演前にご両親ともご挨拶。終演後には大学の先生も見かけてしまったのでご挨拶。ご挨拶祭りすぎたというか、新国立劇場オペラパレスでよく知り合いと遭遇するってどんなニートだよって話で。恵まれすぎてて吐きそう。

 さて、本題。

 モーツァルトです、モーツァルト。やっぱモーツァルトの音楽は美しいんだよなぁ。こんなことを言っていいかわかりませんが、個人的にこれまでモーツァルト(゚∀゚)イイ!!となったことはあまりなくて、もちろん素晴らしい曲ばかりなんだけれども音楽が美し過ぎて良くも悪くも引っかからずにきた、みたいなところがありました。が、『ドン・ジョヴァンニ』を観て、やっぱモーツァルトの音楽いいなぁみたいな気分になったという。

 なお本作は「人々を魅了してやまない悪のヒーロー、ドン・ジョヴァンニの華麗なる恋の遍歴と衝撃的な最期を描いたモーツァルトの人気作」らしいんですが、「モーツァルトの人気作」っていうのは理解できるとして、「華麗なる恋の遍歴」なのかはよくわかっておりません。っつってもクラシックはクラシックなんでべつにこのままのストーリーで今後100年でも200年でもやっていただければいいとは思っているんですが。

〔動画より〕
無類の色男ドン・ジョヴァンニ
これまでに口説いた女は2065人

 1年が365日って考えるとこれ相当ストイックな数字だよな....とか思って計算してしまったのはここだけの秘密。口説いた人数とか自慢になんねぇから、という時代に生きてしまっているのでむしろ修行僧の類にしか見えてないけど、まー、クズでしたね。ドン・ジョヴァンニ。
 開始早々夜な夜な人ん家で女性を口説こうとするし、その父親殺すし、後日その女性から逃げるし、まーた別の女性(これから結婚式の花嫁)を口説くし。まあなんだかんだあって怒られが発生して、改心する気もないので(←ここが大事らしい)地獄に落ちるんですが、地獄に落ちてよかった♪じゃ済まされなくね!?という被害実態の大きさは感じつつ、でもまあそういう時代のそういう物語ですしとか思いつつ。
 とはいえ、他の人も他の人ですごくて、父親を殺されたけど(+婚約者もいるけど)やっぱりあの人=ドン・ジョヴァンニが忘れられない///状態の女性とか、もういろいろ。みんなしてドン・ジョヴァンニのことを「悪人」扱いしてるけど自分どうなん?的な部分があるのと、ドン・ジョヴァンニはドン・ジョヴァンニで悪いことをしたからではなく悔悛を拒否して自ら地獄へ落ちるっていう、全体的にカオスなお話です。

 なお、個人的には石像がツボだったかもしれません。騎士長=口説こうとした女性の父親=殺した相手の石像。この時点でカオスというか設定が渋滞起こしてるけど。

あらすじより〕
すると、騎士長の墓の石像が、戒めの言葉を喋り出す。驚く2人だが、ジョヴァンニは臆せず石像を晩餐に招待する。夜、彼の家に本当に石像がやってきた。石像はジョヴァンニに悔い改めるよう迫るが、彼は拒否。石像はジョヴァンニの手を取って炎の中へ引きずり込み、地獄へと落ちるのだった。

 動画でも1:48〜から最後にかけて出てきてるんですが、石像っていうのがなんかイイ。笑
 ぜんぜん関係ないけど、パンフレットの作品ノートによると、この作品は「実は『オペラ』ではなく、『諧謔劇(ドラマ・ジョコーソ)』と銘打たれている」らしい。へええええ。知らなんだ。なんにしてもモーツァルトいいですよ、モーツァルト( ✌︎'ω')✌︎いえい。

この記事が参加している募集

熟成下書き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?