栗田博憲が好きだ

坂路効果により美浦1355勝:栗東2051勝と東西格差が絶頂を迎えた92年にヤマニンゼファーで上半期唯一の美浦GⅠ勝ちを遂げた栗田先生も今年で引退。
ちなみに下半期はライスシャワーの菊花賞だけ。数少ない栄光をもたらしたのは、まさにゼファー魂。
あまり報道されていないが、87年の32勝はJRAデータラボ上の数字だと関東リーディング。晩年もノーザンに頼らず16,17年と連続20勝越えにJRA通算645勝の立派なトップステーブル。
実績の割に扱いが小さめなのは、たぶんエアガッツに騙された人が多いせい。

90年代というのは競走寿命が現在よりうんと短く、怪我なく1年持てば上等、2年持てば奇跡的な時代で栗田厩舎の馬は無事是名馬な馬が多かった。
その集大成が2歳の6月デビューから5年間走りきってレコード勝ちで現役を締めたイスラボニータ。この間、半年超の休養は1度だけ。
骨折屈腱炎当たり前のフジキセキ産駒で大きなスランプもなく見事に走らせた。
でも調教が軽いかと言えばそうでもなく、追い切りは動かすし普段の運動もきっちり。
そうでなければGⅠクラスで安定して走れるはずがない。
条件馬も外厩任せにせず、きちんと仕上げを確認して使ってくる。
間違いのない仕事をする名伯楽。

惜しむらくは、良血馬を手掛けることが少なかったこと。
TARGETで調べたらセールで5000万を超える馬は0。
サンデーサイレンス全盛期をど真ん中を過ごしながら、直仔を手掛けたのは12頭。ディープインパクト産駒に至っては1頭だけ。このクラスの調教師としては実に少ない。
何となく師のやり方というか主義が見える所であるが、少し惜しかった気もする。
鈴木康弘ぐらい馬が集まってれば800勝位してたね。
なぜ最後に意味のない毒を吐いてしまうのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?