『戦場のアリア』短評

『戦場のアリア』

舞台は1914年、第一次世界大戦の前線地ノーマンズ・ランド。そこでは英・仏連合軍とドイツ軍との間で激しい残壕戦が繰り広げられていた。そんな状況下でクリスマスイブの夜に英・仏・独の間で奇跡的な交流があったという話だ。 

スコットランド(英)のバグパイプの音色、ドイツ軍の元オペラ歌手の兵隊による歌声で3ヶ国の距離を縮め、酒を飲み、合同ミサを行ったりする。戦争とは上部の人間の憎しみ合いがマクロに行われているもので、実際に戦地にいる兵隊は人間味あふれるイイやつばかり。

国が、言語が、宗派が、文化が違うといっても「平和でありたい」、「仲良くやりたい」と思う気持ちや人の温かさは同じである。また戦地には故郷に家族や恋人、子どもを残しているものが多い。そういった似たようなバックグラウンドを持つ者同士で心が通いあったとも見える。

戦争映画では珍しく心温まる微笑ましい作品である。ダニエル・ブリュームが出る作品ってこういうのが多いね。

しかし、前半のテンポがゆったりしていてやや退屈だった感がある。それと、一番の見せ場と思えるシーンがあっさり終わったような気がする。とはいえなかなかだ。

評価:★★★★

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