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ファイナルファンタジーXV DLC第2弾 海の慟哭までクリアしたので今作の総評

花粉と異常な寒暖差を乗り越えた果てに死にかけていました、ジョンです。
さて今回はFF16のDLCが出揃い二つともクリアし、2週目のオリジン突入前まで来たので今作に対しての自分の感想をここにまとめたいと思います。
当然ですがネタバレありなのでご注意

最初に明言しておきたいのが僕はFFシリーズがとても好きです。それゆえに辛口な感想を今回の記事では述べておりますので、苦手な方はご注意ください。
また逆にFF好きであるが故に一般ユーザーからしたら欠点になる所を許容していたりする事もあるのでご容赦ください。


良い所

グラフィックの綺麗さが段違い
まるでいまいちなゲームを無理やり擁護してるように感じるかもしれないけど、グラフィックが綺麗ということはそのゲームに入り込むという点でとても重要な役割だと思っているのでこれは非常に高評価点です。
フェニックスの迸る炎やタイタンの隆起する土塊はアクションする上でも爽快感に一役買っていると思います。
特に凄かったのが風景と遺跡をはじめとする建築物。雰囲気ばっちりでした

ミシディアは明るくて写真映えする
ダスククリスタルの禍々しい感じもGOOD




魅力的なキャラやストーリーも引き込まれる
好き嫌いはあるでしょうが重厚なダークファンタジーのFFとして先の気になるストーリーでした。ドミナントとして登場するディオン、バルナバス、ジルなどとても魅力的なキャラも多く、昨今の洋ゲーに蔓延するプロパガンダ染みた主義主張を無理やり反映させただけの歪で不快なキャラはほぼいないと思います。
しかし後述する問題点もあります。

クライヴが凄くかっこいい

アクションが楽しい
そのままの意味です、楽しい。デビルメイクライみたいなゲームは自分には難しいと感じるような人でも結構色んな動きが出来て窓口の広いアクションと言えると思います。
自分だけのアビリティの組み合わせを模索するのも面白いと思います。
ただ、後述しますがこのアクションを楽しむうえで障害になる不便なシステムやアクションゲーマーには痒い所に手の届かない仕様があったりとこちらも問題点が…


問題点

掴み120点!から段々失速し最後でぶん投げストーリー

導入は既存のFFとは一線を画した「容赦なく登場人物が死亡し魔法の使えるベアラーが迫害されたり各国が召喚獣武器に領土を奪い合うダークファンタジー」全振りな演出で「おぉ!!これで沈みかけのFFブランドが復活する」とワクワクしていました。
しかし蓋を開けてみるとキャラの関係性の掘り下げが不十分で良く分からなかったり、中盤のバハムート戦を終えた辺りから急に「アルテマ」「ミュトス」「ロゴス」というワードが出てきて今作の導入で提示された世界観との温度差を感じ陳腐化した印象を抱いてしまいました。

前述した登場人物の掘り下げ不足に関しては例えば最初に戦うガルーダのドミナントのベネディクタ。ドミナントという重要な役割にもかかわらず初戦を終えた後の召喚獣バトルで倒され死亡してしまう。
この時点でドミナントという重要なキャラにも関わらず出オチ感が凄いんですが、ここで幼少期にシドに助けられた事を仄めかすムービーが入ります。
所謂「敵にも悲しい過去があって…」的な演出なのでしょうがここに至るまでにプレイヤーはシドからベネディクタと知り合いだった事を会話で話されただけでイベントで掘り下げられる事もないので思い入れも減ったくれもないまま、シドが彼女を弔ってイベントが終了します。
いわば「自分はよく知らない友達の友達のお別れ会に来てる様な心情」になってしまいました。

またこのシドも主人公クライヴの師匠的ポジションのキャラクターなのですが遺志をクライヴに継がせ死亡してしまいます。
これも正直ストーリーで出てきて思い入れが湧く前に死んでしまったので、もうちょっとクライヴとの交友をストーリー中に入れるべきだったんじゃないかなと思いました。

その他にオーディンのドミナントであるバルナバス。非常にミステリアスなかっこいいキャラなのですが、終始感情をあまり見せずアルテマに従い淡々と目的遂行を目指すキャラに見えて母親に擬態したアルテマに触れる時は「母様…(かかさま)」と甘えるような言動見せます。
なんとなく過去になんかあったのかな?とここで想像できるのですが、結局この母親との関係はストーリー中一切言及されないままです。

この様に「想像、考察の余地がある描写」と言えば聞こえは良いですが、個人的には描写不足でキャラに感情移入し辛かった点が多々ありました。
また今作のエンディングは人によって解釈が大きく分かれるもので所謂「プレイヤーのご想像にお任せします」エンド。
そしてその解釈に大きく寄与する描写をサブクエストに盛り込んでおり、しかも発売前に「メインストーリー駆け抜けてクリア後にサブ要素を楽しんでもいい」と開発者が発信していた為に僕は初回プレイ時に気付かないままクリアしてしまいました。これはストーリーテリングとして不適当な作りだと感じたし、そもそも開発曰く、今作を「FF新規にも手に取ってほしい」と言っている割には賛否分かれるエンディングでしかもそのエンディングに関する重要な描写を説明なくサブ要素に組み込んでいたりとどう考えても新規お断りな作りをしていてちょっとユーザー目線が足りないのでは?と感じました。

これとかすごくいい話だったのに存在すら知らなかったサブクエ

そして陳腐化したストーリーに関しては文字通りそのままで「差別問題を孕んだクリスタルをめぐる国家間の争いと策謀のダークファンタジー」という簡単に答えが出なさそうな大人向け世界観を提示しておきながら「アルテマっていう神が諸悪の根源!それに対抗できるのはミュトスであるクライヴ!ロゴスになってアルテマ倒せばオッケー!」というFFらしさに囚われる余り無理やり落とし込んだ様に感じるオチに結構がっかりしてしまいました。

導入で今までのFFとは違うぜ感が全開だったのがやっぱりいつものFFでしたというオチはさながら「高級フランス料理に始まり終わりにかけてファストフードに切り替わっていくコース料理」の様に感じました。

痒い所に手の届かないアクションとシステム

先述した楽しいアクションですが、どうしても遊んでて不便に感じる点が多いです。
・アビリティの枠が足りない
今作は使うアビリティをR2+□、R2+△の2つの枠に使用するアビリティを装備できるのですが足りない。アビリティはそれぞれにクールタイムが設定されており、その間は他のアクションを切り替えて使用するというコンセプトになっています。ただこのクールタイムが結構長くやりたい時にやりたい事が出来ない窮屈さを強く感じました。
アビリティを使わない攻撃は火力を出し辛いのですが、クールタイム中は仕方ないので我慢して攻撃しなければならない。ただアビリティを使わない攻撃にあまりうま味がなく爽快感を感じにくいのが余計にこの窮屈さに拍車をかけてる気がします。
あと単純にアクションに慣れているのでもっといろいろ切り替えてアクションしたい。

アクセサリーの枠も足りない
アビリティのクールタイム問題はアクセサリーを装備することで、クールダウン時間軽減やダメージ、ウィル削りを増加させたりカスタマイズ出来るのですが枠が3つしかないので足りない。アビリティは6つで枠は3つなのでどう考えても足りない。
倍くらい枠があれば戦略の創意工夫が出来ると思うのですが、現状枠が限られ過ぎてるので多数のアクセサリーが選択肢から外れてしまっている。
おまけに追加DLCで召喚獣のフィートの基礎能力(フェニックスならシフトの移動距離を延ばす)を強化するアクセまで出てくる始末
「だから枠が足りねえんだからつけられるわけねえだろ…(半ギレ)」状態
そもそもこんなアビリティの基礎能力効果はわざわざアクセサリーにするのではなくAPを使用するアビリティ強化で出来てしかるべきじゃないでしょうか。
いろんなカスタマイズ要素を枠の少ないアクセサリーカテゴリに依存し過ぎてると思います。

シフトの移動距離伸ばせると便利ですが枠に余裕が無いので選択肢から外さざるを得ない

そして先日のアップデートで自分が装備している召喚獣アビリティの組み合わせをプリセットという形で複数保存できる機能が追加されました。
なので非戦闘時に限られますが、保存しておいたアビリティの組み合わせを切り替える事が出来ます。
ただこのプリセット機能はアクセサリーの組み合わせには対応していないので他の召喚獣の組み合わせプリセットに切り替えると、アクセサリーは手動で付け直さなければいけません。(ウッソだろお前wwwwwwwww)
正直これはプレイしてれば分かる不便すぎる仕様で開いた口がふさがらなかった…

RPG要素がほぼ息してない

装備品のカスタマイズ要素がほぼなかったり、マップを探索して落ちてるものが小銭程度のギルや素材アイテムくらいしかなくて探索する意欲が湧かない。カジュアル層に向けて複雑な要素は排したとの事でしたがいくらなんでもやり過ぎ。落ちてるのが小銭と魔物の牙のマップを誰が探索したくなるのか…
この点はアクション苦手だけどRPGとしてFFが好きなユーザーを省いてしまっていると感じます。
オートアクセサリーがあってもRPG的な遊びがないのは窮屈だし、みんながみんなハイスコア狙ってアクションするわけじゃないし。

召喚獣バトルのテンポが悪い、面白くない

敵の体力が多すぎる&合間に飛ばせない演出が挟まる為、周回プレイ時のテンポが非常に悪い。初見プレイ時は演出として楽しめるがゲーム性はそれほど高くないと思います。
そして召喚獣バトル中はアビリティのカスタマイズは出来ず、決められたアクションしかできない事と先述した敵の高体力とテンポの悪い演出が合わさって非常に単調。
おまけに高難易度モードでは演出中のQTEのコマンドが隠される仕様。(3種類しかない為覚えてしまえば間違えないですが、正直難易度を上げる方向性としては疑問なやり方)

移動関連がかったるすぎる

ファストトラベル出来る地点の感覚が絶妙に不便
クライヴが走り出すまでが遅いし、走り出してもイマイチ遅い!チョコボに乗っても遅いので純粋に移動がかったるい。
おまけにこのチョコボもサブクエクリアしないと使えないのでこの辺りもユーザー目線が足りないと感じました。
開発曰く、ダッシュあるからチョコボ乗る要素は要らないんじゃないか?みたいな話もあったらしくちょっとドン引きしました。

DLC第2弾のリヴァイアサン戦が楽しくない

この戦闘は召喚獣バトルになっている為、装備やアクセサリー、アビリティの組み合わせを考えるプレイヤーの創意工夫が存在しないバトルなのですが、いわゆるDPSチェックと呼ばれる時間内に一定ダメージを与えられなければ問答無用で死亡するフェーズがあります。
これがまたクリアの水準がギリギリにされている為、ミスが許容されない難易度になっています。
問題なのは装備を見直すといった要素のない召喚獣バトルなので解法が1つしかなく決められた動きを淡々とこなす縄跳びと化しており面白くないこと。
DPSチェックって本来有効な戦術や装備、アビリティを工夫してトライするものだと思っていたのでプレイ中は自我を捨てた無の境地でプレイしていました。
そして先述した飛ばせない演出がDPSチェック失敗時に挟まるのでテンポが悪い


総評

DLC込みで辛口評価の75~80点くらいの満足度かなぁ…総じて遊ぶ人の目線が足りない粗が目立つゲームという感想です。個人的にファイナルファンタジーはゲーム業界の看板タイトル(最近はちょっと危ういが)を名乗るには前時代的な不便さや欠点から脱却出来ていないので最近のバイオハザードやグランブルーファンタジーリリンク、洋ゲーのビッグタイトルに数歩遅れを取ってる印象。
現状今作は国民的シリーズでありながら楽しめる人を選ぶ万人にお勧めできないゲーム。

とはいえこのファンタジーな世界観を作るのはスクエニの専売特許だと思うしFFの世界観は好きだからもう少し遊ぶ人の事考えて作ってほしいなぁ。
つまらなくは無いし面白い部分も多いからとても勿体ないんだよなぁ。
僕はFF好きだからある程度は文句言いながらも遊ぶけど、世の一般人は昨今の娯楽にあふれる世の中で我慢してまで遊んでくれないと思うので。

といったところで今作の感想とさせていただきます。FF17はどうなるんだろうなぁ…そもそもでるんだろうか…(遠目)

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