【心理学】社会の崩壊を招く日本の現金給付

現金給付の条件

おはようございます。

全国初の女装市長になりたい中西です。

4月6日に、現金給付の方針が明らかとなりました。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57693920W0A400C2MM0000/

私は以前から、この方針(そもそもの考え方)が間違っていると指摘してきましたが、本日は心理学的な視点から考察です。

前回の記事では、「不公平感」について書きました。

http://john-no-seikatsu.jp/2020/04/04/unjustice/

その前の記事では、「社会が崩壊する条件」を書きました。

http://john-no-seikatsu.jp/2020/03/07/society-0/

この二つをまとめると、

社会が崩壊する条件:人が人を想わなくなる事(エゴの増殖)
現金給付:人間同士での不公平感を生む

という事です。ここから想定されるシナリオについて、書きます。

30万円

という数字を聞いたとき、誰もが

貰えるなら貰いたい

と思うはずです。まずこの時点で、国民の関心は

自分自身

に焦点が当たります。例えばこれが仮に、

大切な人への30万円ギフト券

だったら、話は別になります。しかし政府の方針は、社会の分断を招く「個人のエゴ」に火を付けます。

当然の帰結として、役場に住民が殺到し、オイルショック時のスーパーさながらの大混乱が予想されます。

現金を目当てに他人を押しのける住民と、事務処理と説明で忙殺される行政職員・・・。

この状況は、芥川龍之介が書いた「蜘蛛の糸」に似ています。

簡潔な小説ですので、興味があればご一読下さい。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/92_14545.html

Twitter上では、

○○市では、30万円貰えた!!
××村では、貰えなかった!!

という情報が錯綜するでしょう。

そして全体としては、給付を貰えるのは2割程度の世帯だけです。

国民の分断

今回の給付を巡り、世帯の立場は大きく4つに分断されます。

a(給付対象)申請しない・出来ない世帯
b(給付対象)申請する世帯
c(非給付対象)申請しない・出来ない世帯
d(非給付対象)申請する世帯

aについては、役所まで足を運んだり、そもそも書類の準備が出来なかったり、はたまた自分が給付対象だと認知していないなど、様々なケースが想定されます。

自己申請の問題点は、アクションを起こせない人に対して不親切であるという点です。

bについては、申請してから給付が行われるまでの間、「8割の人間からバレないようにする」努力が求められます。小さな村社会の場合、給付を受理した事は、噂になるので知られたくないはずです。

「30万を貰った世帯」であるという情報が、学校内や職場での心理的なストレスとなり、かえって心身の健康を害するという面も考えられます。

cについては、殆どの良識ある世帯となりますが、問題はこのボリュームが人口比で一番多いという事です。「政府は不親切だ」という不信感のマグマが溜まっていく事は、想像に難くありません。

dについての扱いが非常に困難です。役所の手続きも、この判断に多くのリソースを費やされてしまうでしょう。不正受給を防ぐ手立てもないまま、大号令をしてしまったため、自治体は苦戦を強いられることが必至です。

そしてdの世帯が増えれば増えるほど、モラルハザードを引き起こし、ネット上では

「こうすれば30万円を給付できる!裏技!」

といった情報や、高齢者を狙った「給付申請詐欺」が横行すると予想されます。

まとめ

社会心理学を専攻していた私の見方からすると、

政府が4月6日時点で示している方針は、

個人の猜疑心と利己心を煽り、

社会(国家)崩壊のリスクを高める

政策に他なりません。

問題は、「お金を配る事」ではありません。

政府が目指すべきポイントは、この前代未聞の国難に対して、

いかに「国民同士」でのチーム力を高められるか?

という事です。

今回の政策決定に関わった人たちは、

社会心理学を勉強した方が良いでしょう。

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