見出し画像

遠い地名のナンバープレートを見たら「やるやん」ってなるやつ

 今は九州に住んでいるのだが、熊谷とか仙台とか遠い地名のナンバープレートを見るといつも想像が膨らむ。

 転勤先で車を買ったり、親戚から譲り受けたり、自家用車で旅行していたり、いろいろ妄想するのは楽しい。私はバイクに乗るので、前方車や並走車のナンバープレートを見て「遠いねぇ」とヘルメットの中で呟いている。余裕があれば、ドライバーをチラ見してさらに想像している。

 私自身が遠出をしたとき、周りからどう映っているかを想像するのも好きだ。ツーリングで四国や岡山に行ったとき、「私のナンバープレートを見よ!」という気持ちで堂々とバイクを走らせている。

 去年、鹿児島の枕崎にある漁港近くの駐車場で品川ナンバー車を見つけたときも感慨深い気持ちになった。枕崎まで辿り着いた過程や背景を勝手に想像すると、「凄いなあ」と感じる。

 社会人になって中型バイク免許を取得し、メジャーな場所も個人的に行きたかった場所もいろいろ走ってきた。そういうスポットに行くと全国からライダーが集まるので、ナンバープレート観察はツーリングの楽しみである。

 熊本の大観峰は定番のツーリングスポットだ。青空の下、四方を何にも囲まれていない丘陵地帯を駆け抜けるのが気持ちいい。同時に、ナンバープレートも楽しむことができる。
 
 特に、大荷物をシートバッグに積載したバイクで、関西や関東のナンバープレートをつけているソロライダーの方を見ると「もしかしてバイクで熊本まできたんですか?凄すぎます。お疲れ様です」と内心ヘコヘコしている。もう尊敬しかない。
 
 今回のゴールデンウィークで、実家のある関東までバイクで帰ろうと考えている。走行距離はだいたい1,000キロ。1泊2日なので、1日約500キロ走ることになる。
 
 大型バイクならまだしも、中型バイクで高速巡航は体力的に厳しい。普段から事故のリスクが大いにある中で、1,000キロ走行は無謀だと自覚している。
 
 今、追加装備の調達や移動時間の想定を進めているが、「タイヤがパンクしたらどうしよう」とか「バイク盗まれたら絶対泣く」とか「関西で煽られてバイクのままどつかれたら人生詰む」とか不安の芽は絶えない。
 
 ただ、バイクを購入した3年前からずっとやってみたいという気持ちがあった。何度かチャンスはあったものの、バイクの知識が不足していたり、装備を揃える予算がなかったりして実現できなかった。
 
 3年前に比べると仕事の立場もだいぶ変わり、長期休暇も少し取りにくくなってしまった。そんな言い訳もあってゴールデンウィークに照準を定めることになったが、宿泊先や概算費用も検討がついてきた。
 
 最大の懸念は天気だ。雨の日のバイクは苦行である。走りたくない。ただ、雨天決行なので命大事に走ろうと思う。
 
 せっかくやるなら、楽しく走りたい。ナンバープレート観察はその一助となってくれるだろう。
 
 そして、私も九州を離れれば離れるほど、「ナンバープレートを見よ!」という気持ちを膨らませて周囲に示していきたい。

この記事が参加している募集

いま始めたいこと

with アドビ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?