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結束バンド - 結束バンド

「陰キャならロックをやれ!!!」 昨年の10月某日、いつもの日課でAmazonプライムビデオを立ち上げてみると、黒光りしたギターを抱えたピンクジャージ&ピンクヘアーの二次元キャラがこちらを見つめながら独りぼっちで佇んでいたので、「おっ、『けいおん!』の二番煎じアニメか?」と察するも、ちょうど暇だったから軽い気持ちでそのアニメ一話目を視聴した結果→2秒で「こーれ覇権です」と確信したのが、2022年度のアニメ業界を震撼させた『ぼっち・ざ・ろっく!』に他ならなかった(もちろん原作

    • Wednesday - Rat Saw God

      おいら、カネコアヤノやUKのマリカ・ハックマン、そしてLAのcrushedらと同様に、知る人ぞ知るTrespassers Williamのロッテ・ケストナーの気だるい歌声、その面影を感じる女性ボーカルだと問答無用に好きになっちゃう人間で、今回新たにその枠組みに追加されたノース・カロライナはアッシュビル出身の五人組、Wednesdayの4thアルバム『Rat Saw God』は、それこそカントリーゲイズ(country-gaze)を自称するだけあって、90年代シューゲイザーの影

      • Petit Brabancon - Automata

        DIR EN GREYの京とL'Arc~en~Cielのyukihiro擁するプチブラこと、Petit Brabanconが昨年リリースした1stアルバムの『Fetish』といえば、日に日に多様化していくヘヴィネスを多面的に捉えた「僕が考えた最狂のヘヴィロック」の傑作だったが、約半年ぶりの新作となる本作のEP『Automata』においても、1stアルバムの延長線上にあるプチブラの”らしさ”が凝縮された先行シングルの#6”Miserable”を筆頭に、ニューロマンティックな90

        • cero - e o

          ここ最近、過去作に一度も触れたことのないバンドなのに「これはスゴい」と思ったのが、他ならぬ東京のスリーピースバンド、ceroの最新作である『e o』だった。 噂通り、本作は言語化することが難しい作品だ。個人的に、これほどまでに言語化が不可能に近い作品は岡田拓郎の『Mornig Sun』以来で、しかしceroの『e o』を的確に言語化する上においては、少なくとも自分の中では「ほぼ岡田拓郎」の一言ですべて片付ける事ができる。 もちろん、ceroのメンバーと同じ東京のSSWであ

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        結束バンド - 結束バンド

          Victory Over the Sun - Dance You Monster To My Soft Song!

          おいら、この世で嫌いなやつランキングの上位に、ハンター・ラヴェンナ・ヘンドリックス率いるLiturgyを聴いてもいないのにLGBTQやジェンダーにつてを語るラディカル・フェミニストがランクインしてて、というのもオレゴン州はポートランドを拠点に活動するドイツはドルトムント生まれのVivian Tylinskaによる独りブラックメタル・プロジェクト、Victory Over the Sunの4thアルバム『Dance You Monster To My Soft Song!』の何

          Victory Over the Sun - Dance You Monster To My Soft Song!

          PUPIL SLICER - Blossom

          ピッツバーグのコード・オレンジやボストンのVeinとともに、新世代エクストリーム・メタルを牽引するUKはロンドン出身のスリーピースバンドことPUPIL SLICERといえば、ヘヴィ・ミュージックシーンに衝撃を与えたデビュー作の『Mirrors』における、バンドのアイコンでありフロントウーマンのケイト・デイヴィスによるDIR EN GREYの京に肉薄する獰猛なスクリームと、まるで「3の倍数と3のつく数字だけアホになる世界のナベアツ」とばかりに激しくマスを掻くTDEP直系のDis

          PUPIL SLICER - Blossom

          crushed - extra life

          おいら、フィメールボーカリストの歌声の波長がTrespassers Williamのロッテ・ケストナーに近ければ近いほど問答無用に好きになっちゃう人間だから、このショーン・ダーカンとブレ・モレルによるLAの男女二人組ユニット、その名もcrushedのデビューEP『extra life』の音楽性もドンのピシャだった。 というのも、リードボーカル担当のブレ・モレルのロッテ・ケストナー顔負けの潤いを保湿したメランコリックな歌声と、UKレジェンドMassive Attackの名盤『

          crushed - extra life

          portrayal of guilt - Devil Music

          絶賛来日中のアンチクライスト系男子、またの名をクライストファッカー系男子ことテキサスはオースティン出身の三人トリオ、portrayal of guiltの約二年ぶり通算四作目となる最新作は、『Devil Music』すなわち「悪魔の音楽」というカーズばりに考えることをやめた直球タイトルからしてパンチライン。 本作においても、ノイズロックやハードコア/パンクシーンの影響下にあるDissonant系のスクリーモをベースに、いわゆるピッチブラックの旗手としてインディーズ・メタル仕

          portrayal of guilt - Devil Music

          The Ocean - Holocene

          現代ジャーマンメタルの代名詞こと、The Ocean Collectiveの約3年ぶり通算10作目となる『Holocene』は、近作のテーマとして掲げてきた地質学における先カンブリア時代から顕生代にかけての紀を描いたダブルアルバムの『Phanerozoic』に続く、地質学の最終章を飾る完結編となる「完新世」という地質時代のうちで最も新しい時代を題材としている。彼ら曰く、パンデミック以降に急激な変化が求められ始めた現代社会に蔓延る不安や孤独感、そして陰毛論をはじめとする反知性主

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          Necropanther - Betrayal

          コロラド州はデンバー出身の4人組、Necropantherの4th AL『Betrayal』の何が凄いって、メロブラ的なダミ声のデスボイスとスラッシュ・メタルのキザミをクロスオーバーさせながら、いわゆるOGのネ・バブリシャスやX JAPANに肉薄するJRPG系のクサメタル然としたツインリードが、クッサクサの叙情的なメロディを撒き散らしながら恥も外聞もなく疾走する、それこそ北欧メロデスやメロパワとして聴かせる懐の深さに裏打ちされた一枚となっている。それこそ、ネ・バブリシャスの最

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          KRUELTY - 虚像の理想郷

          この90年代デスメタル然としたオールドスクールのバチコリかっこいい音作りキメてんの一体誰?と思って、よくよく聴いてみたら日本語の歌詞だと気づいた瞬間に国産のバンドであると理解したバンドこそ、名門レーベルのProfound Loreに所属する東京出身のKRUELTYに他ならなかった。 2ndアルバムとなる『Untopia(虚像の理想郷)』においても、Pallbearerの伝説の1stアルバム『Sorrow and Extinction』の影響下にあるエピックな叙情性を内包した

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          Judiciary - Flesh + Blood

          テキサス州はラボック出身のウェスト・テキサス・ハードコア/クロスオーバー・スラッシュ・メタルバンド、Judiciaryの2ndアルバム『Flesh + Blood』は、エンジニアに前作で共演しているKnocked LooseやレーベルメイトのVeinを手がけたEND/Fit For An Autopsyのメンバーでもあるウィル・パットニー、そしてプロデュースにはクロスオーバー・スラッシュ界のレジェンドことPower Tripやコード・オレンジを手がけた気鋭のプロデューサーであ

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          Cusper - The View From Above

          「このdeathcrashもビックリのスロウコア然としたスロウコアやってんの誰 !?」と思ったら東京のバンドで驚いた。 そんな、UKはロンドンのdeathcrashに対する日本からの回答を示す東京のスリーピースバンド、Cusperによる1stアルバム『The View From Above』は、それこそモグワイやtoeを想起させるアルペジオ・リフ主体のミニマルなポストロックならではの寂寥感溢れるセンチメンタリズムと、ミッドウェスト・エモ経由のemo(イーモウ)成分を配合した

          Cusper - The View From Above

          In Flames - Foregone

          後々の新型コロナウイルスの猛威やツイッターにおけるイーロン・マスクの暴挙を予言していた、前作の”マスク”アルバムこと『I, The Mask』から約4年ぶりの新作『Foregone』は、著名な邦ロックバンドやラウドロック勢に著しい影響を与えていた近作のオルタナ路線から一転、それこそ元インフレのオリジナルメンバーであるギタリストのイェスパーと現Dark Tranquillityのミカエル・スタンネ率いる、シン・フレイムスことThe Halo Effectのセンセーショナルな登場

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          星熊南巫 - TOKYO 神 VIRTUAL

          近々ではDEATHNYANNとかいうソロ・プロジェクトを始動した(聴いたことない)、ラウドルシーンを牽引する我儘ラキアのメインボーカル担当こと星熊南巫の正真正銘の本人名義のデビューEPとなる『TOKYO 神 VIRTUAL』は、本家我儘ラキアが得意とするラウドロック路線から一線を画す、いわゆるEDMをベースとした打ち込み主体のサウンドを特徴としている。 Z世代の拡声器ことオートチューンを駆使したサイバネティックなサウンド・スタイルは、某『サイバーパンク 2077』とまではい

          星熊南巫 - TOKYO 神 VIRTUAL

          Hammerhedd - Nonetheless

          USはカンザスシティ出身のHammerhedd曰く、彼らは2012年頃から両親の影響でメタルヘッズとして英才教育を受けた”だんご3兄弟”ならぬ”めたる三兄弟”バンドで、少なくとも5年前のクソガキ時代もといメタルキッズ時代からガレージで演奏しているライブ映像がYouTubeに残されている。 その音楽スタイルとしては、それこそマストドンをはじめ、ゴジラやメシュガーらの”10年代のヘヴィネス”を象徴する重鎮やスラッシュ四天王に代表されるレジェンド級のクラシック・メタルバンドからの

          Hammerhedd - Nonetheless