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ボカロ作曲講座③初音ミクの調声方法 -パラメータ編- "21年版"

 ここまでの内容を終えていれば、ある程度曲のオケと歌詞はできており、ミクさんが歌ってくれていることと思います。
しかしなんというか、まだまだ機械っぽいですよね?
そこでこの章では、ミクさんの歌を上手にすることを目的として、パラメータをいじっていきます。
しかしパラメータが多いため、こだわりすぎるとドツボにハマって滅茶苦茶時間喰われます(書いててつらい)。

 ということで、ここでは「出来るだけ省エネに、上手く歌わせる」をモットーに、調整方法を描いていきたいと思います。

今回も参考にさせて頂いた動画はこちら↓

シユウさんの動画はいつもタメになります。

そしてJOJOP家のミクさんの歌声も一緒にどうぞ↓

 まず最初はミクさんの声のキャラクター性、"声質"を決めてしまいます。
声質にかかわるのは以下のパラメータ。
・Gender Factor:子供ぽい-女の子-大人女性-男っぽい 感じで声の太さを変えられる
・Clearness:高周波数帯の調整、きらびやかになるけど大きすぎるとキンキンする
・Brightness:明瞭感、ハキハキしてくれる。小さいとこもった感じになる
・Breathiness:声に吐息が混ざってハスキー感が出る

ちなみに先程のレモン・サ・ワールドでのミクさんは
・Gender Factor:35
・Clearness:18
・Brightness:110
・Breathiness:0
という設定にしてますのでご参考にどうぞ!

それと一応下準備に+αで、初期設定の”ベンド”を0にしましょう!
ベンドというのは、低い音から入って徐々に正しい音に上げる=しゃくりのことです。これが出荷時の設定だと高いことがあるため、今すぐ環境設定から0にしておきましょう!!

 次に、一通り流しながら、自分は以下の順番で調整していきます。

①ノート分割・長音「ー」を用いてしゃくりを入れる
しゃくりとは、音程が途中で変化して正しい音程に合っていく歌い方です。
このしゃくりを入れるにはベンドを描くという方法もあるのですが、短い単発音と長音「ー」を合わせると制御しやすいです。
最初の単発音の音程を変えてあげればしゃくりのニュアンスが出せます。
また長い音の最後に長音で高くしてあげると、アクセントになります。
ただ、全てにいえることですが、使いすぎはくどくなるので厳禁です!

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最初の単音:歌いはじめのしゃくり上げ
最後の長音「ー」:アクセントにしゃくり上げて切る

②言葉が繋がって聞き取り辛い箇所に促音「っ」をつけていく
例えば下の場合では、「最高にハイになる」という歌詞と「これぞ魔法の」という歌詞の境目に「っ」を入れてます。

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もし「っ」を入れなければこの境目が曖昧になり、「-なるこれぞ~」と繋がって聞こえてしまい、結果歌詞が聞き取り辛い・分からないという事態になるのです。
そこで、言葉の区切りがある場所には促音「っ」を入れるとそこで言葉が切れるため、単語ごとの区切りで聞こえるようになります。

③ビブラートの種類と長さの変更
短めのビブラートだと通常設定のNormalではわかりにくいため、Fastを選択してあげるとよいと思います。
ロングトーンだとNormalやSliteくらいが丁度よいです。

④ベロシティとポルタメントの調整
初音ミクにおけるベロシティ:前の子音を切るタイミング、小さいほど前の子音の発音が短くなる=前の子音がハキハキ聞こえるようになる
歌詞が密集しているところをバツっと切ってあげるとよし。

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赤丸の部分が歌詞が密集しているのでまるごと低くしてます。他にも聴いていて繋がって聞こえるが②の促音を入れると変になる場所はベロシティで調整。

⑤その他の微調整
ここまで終えたら何回か通しで聴いて、気になったところのみ修正します。
今回はこぶしっぽい表現が欲しいなと思ったので、Growlを要所要所で上げてみました。
また、最初に呼吸音が欲しかったので、息継ぎを入れました。
(以前はbr1とか入力するとブレスが入ったのですが何故か使えず、やむを得ずハ行の無声音としました。方法は前章を参照!)

省エネで歌わせる方法としては、以上です。いかがだったでしょうか?
ひとまずここまで調整すれば、ミクさんは歌として聴けるまで歌ってくれているのではないでしょうか。
ここまでの内容であれば、4分の曲で歌詞入れた状態から調声終わりまで、3~4時間でできると思います。
さらに上を目指すのであればもっと色々なパラメータがあるとは思うのですが、かなり沼だと思うので一旦今は身を引いておきましょう・・・。

ということで、次はMIX編です。

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