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ルフィ名言Vol.78「振り返るなよ!!行くぞ まっすぐーーーっ!!!」

物語と名言

”島食い”に飲み込まれたメリー号。巨人の二人は、ウソップがカヤに語っていたことと同じことを口にしながら、冒険を思い出していた。

「驚いたのは、そのフンのでかさだ!島だと思って間違って上陸しちまった。」

ウソップは気付くはずもないが、カヤに語った嘘は本当だった。

ルフィたちは「まっすぐ」という言葉を合言葉に、メリー号は、大きく開けた”島食い”の口の中に向かって進んでいき、飲み込まれてしまう。口の中に入ってもなお、ルフィとウソップは「まっすぐ!!まっすぐ!!!」とドリーとブロギーの二人を信じて叫び続ける。

血を出しながら技を繰り出す二人は、
「我らにつき通せぬものは”血に染まるヘビ”のみよ」
「エルバフに伝わる巨人族最強の”槍”をみよ・・・!!」

と語り、そして、エルバフに伝わる巨人族最強の”槍”である「覇国」を繰り出すと、”島食い”と海ごと切り裂き、その勢いに乗ってメリー号は海へと飛び出した。

                  出典 ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

そこで、今回のルフィの名セリフ。

「振り返るなよ!!行くぞ まっすぐーーーっ!!!」

                  出典 ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

巨人族の力にルフィは、「でけェ・・・!!なんてでっけェんだ!!!」と驚き、ウソップは「海ごと・・・斬った・・・。これが・・・エルバフの・・・戦士の力・・・!!」と涙を流して感動する。

100年連れ添った武器がボロボロに壊れながら、ドリーとブロギーは

「さァ行けェ!!!!」

と友を見送り、笑い合う。

二人の決闘の始まりは、当時巨人海賊団として敵なしだった頃、たった一人の少女の一言から始まった。二人して巨大な海王類を仕留めて宴をしていた時、

「それは、どっちが大きかったの?」

お互い、「自分の方がでかい」と譲らず、どちらの獲物が大きいかを決める為に行われたのが、100年に渡る誇り高い決闘だった。
もう思い出せない決闘の始まりがなんだったかを考える二人だったが、決闘の合図である真ん中山が噴火し、二人はまた決闘を始めるのだった。

リトルガーデン編 ー完ー


名言の意味

12回に渡ってお送りしてきたリトルガーデン編も、今回が最終回となりました。
今回の名言は一言、「粋」です。

武器を失うよりも、共に戦った友の船出を助ける為に、武器を犠牲にした二人の心意気と、”島食い”に食われるとわかっていながら「まっすぐ!!まっすぐ!!」と、その二人の言葉を信じ続けたルフィとウソップ。お互いまさに「粋」ですよね。”島食い”から飛び出した後、振り返ってお礼を言うのは、野暮ってなもんです。

男なら、こんな信頼関係を築きたいですよね。お礼を言うことは大事ですが、お礼を言えばいいって言うもんでもありません。似たようなエピソードが、『HUNTER×HUNTER』でもありますが、キメラアント編で、キルアがイカルゴに言った言葉で、

「次にこんな時があっても、もういちいち礼とか言わないから。だからもし今度、逆にオレがお前を助ける事があっても、お前もオレにありがとうとか言うなよ。ツレがツレ助けるのは当然だろ」

という名言があるのですが、こういう友情はいいですよね。女性にはあまり理解できないかもしれませんが、これは男ならではの友情と言えるかもしれません。”島食い”が出た時も、ナミとビビは信じきれずに半ば諦めもしたかもしれませんが、ルフィはもちろんのこと、ウソップも信じようと思い続けていて、思った通りの結果になりました。

信じるに足る仲間を作るのも命がけ

人を信じるということは、ある意味とても危険なことです。「信じる」ということは「疑う」「考える」ということを放棄するからです。でも、全幅の信頼をおけたり、本当の意味で疑わずに信じることは、とても心が楽になり、なんとも言えない感覚になります。ルフィたちは、命を賭けて戦ったからこそ、時間は短くとも信頼関係を築くに至ったし、巨人の二人にとっては、何よりも大切な”誇り”を守ってくれたルフィたちを気に入ったわけです。

ただの友達であれば、気が合ったり話が合ったり、共通の趣味があったりでいいと思いますが、ルフィと巨人のような、命を任せるほどの信頼を築くには、文字通り命掛けです。自分にとって都合のいいことを言ってくれるから、言って欲しいことを言ってくれる人が、友達、仲間ではなく、損得なく、条件付けもない、そして、どれだけ共に命を懸けたかが、友情の深さになるんだと思います。

漫画やアニメで深い友情が描かれるのは、命掛けの冒険を共にしているからです。
深い友情を築くには、長い時間をかけるか、短くとも命を賭けるかが鍵となります。実際に冒険するわけではない私たちにとって、自分の友情はどれほどのものなのか。そんな視点で振り返ってみると、いいかもしれませんね。

さて、次のシリーズはいよいよ大人気シリーズの「チョッパー編」です。皆さんご存知の名言から、細かすぎて伝わらない名言まで取り上げていきたいと思いますので、ONE PIECEファンの皆様は、ぜひ楽しみにお待ちいただきたいと思います!


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