【道楽コラム】イオンが魅せた心意気
「YOUは何しに日本へ?」
テレ東の人気番組「YOUは何しに日本へ?」を好んで観ているのですが、道楽心に触れるシーンがあったので紹介したいと思います。
先月、山梨で開催されたロードバイクの大会に出場する為、アメリカからやってきたYOU(外国人の総称)へのインタビューがありました。帰国するタイミングだったので、日本の思い出の写真を見せてもらったのですが、そこに写っていたのは、路上でイオンのショピングカートに乗せていた自分の大荷物でした。
「ショッピングカートは、貸してくれたんですか?」
インタビュアーの質問は至極真っ当です。私も、心の中ではそうツッコンでいましたし。
その日は、台風15号の影響で、電車が運休してしまっていたそうです。そこで困っていた所、イオンの方が持っていけ「持っていけ!」と言ってくれたそうで、成田空港までの8キロの道のりを歩いてきたそうです。
そのYOUはとても感謝していて、日本の思いやり文化を実感したそうです。
そのカートの行方がどうなったのかはわかりませんが・・・
株を上げたイオン
このエピソードをどれだけの方が観てどう思ったかはわかりませんが、私としては、「イオン、株を上げたな」と思いました。どのような経緯でカートを貸し出したのか詳しくはわかりませんが、台風の影響で困っていたYOUに、カートを貸し出したことは素晴らしいことです。東日本大震災で被災した時のディズニーの対応が有名になりましたが、個人的にはそれに匹敵することなんじゃないかと思います。
何千万、何億の広告費を投入しても、こういったリアルなエピソードは作れるものではありません。
イオンが発信するのではなくて、実際に助けられた、しかもYOUから発信されるということに、大きな意味があると思います。
自分のことを「凄い」と言っても、何の説得力もありません。人が「凄い」と言って初めて、そうだと認められるものです。イオンがやったことは、広告の為でも、評判を上げる為でもないでしょう。目の前に困った人がいたから、ただ助けた。それだけだと思います。仮に、狙ってやろうにも、成田空港にいる大勢のYOUがいる中で、そのYOUにインタビューをしなければ「イオンの心意気」は知られることはありませんでした。しかも、その日に成田空港でロケをやるのもテレ東のみぞ知るというものです。つまり、このエピソードがメディアを通じて世界に発信されたことは、奇跡に近いのです。
これぞ道楽!
つまり、こんな奇跡のようなことは狙ってはできるものではないのです。もし狙ってやっていたとしたら、下心が出るものだし、いやらしさを感じるものです。
しかし、奇跡のインタビューだったからこそ、今回のイオンの思いやりは、とても素晴らしいもので、イオンの株を上げるに相応しいものだと思いました。だからこそ、私もこのエピソードを紹介しましたし、感じたことがあったのです。
イオンがやったことは、「今目の前にいる」困った人の為に、本来であれば許されない、カートを貸し出すということをやりました。それは、イオンの広告や評判を高めるという未来の為や利益になる為にしたことではありません。
長々と述べてきましたが、道楽的に重要なポイントは、狙わずにやったことが、狙った以上の成果を得てしまうということです。
「今」を見て、その人の為を思って行動をしました。それを「思いやり」や「愛」と呼べるかもしれませんが、その結果が、思いも寄らない所から明るみに出るっていうのが、とても道楽的なんですよ。
「狙った通りに獲物が動けば、ハンター冥利に尽きるだろ」
という、『HUNTER×HUNTER』のジンの名言がありますが、ジンは、狙って結果を出す力もあれば、道草を楽しんだ上で、欲しいものを手に入れることもできます。実力があれば、狙って結果を出すこともできますが、方々に寄り道をして道草を楽しむことで、実力もつくものです。
今回のイオンの行動が私の道楽心をくすぐったので、その素晴らしい心意気と、道楽的観点で解説させていただきました。
イオンがやったようなことを、やっていこうとしているのが「道楽舎」です。
「今」と向き合い、今できることをやる。結果を出す為だけにやるのではなく、最大限のパフォーマンスを発揮することに力を入れる感じです。そんな「道楽舎」をぜひフォローしてくださいねー!!
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