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天才が消える理由は「謙虚さの欠如」

本日は2月2日ということで、2本コラムをお届けしたいと思います(笑)

大好評の、「消えた天才」シリーズですが、今回は「天才がなぜ消えてしまったのか」ということに注目していきたいと思います。

今回題材になったのは、シンクロナイズドスイミングの伊藤恵さんのエピソードです1988年のソウル五輪でのことですが、シンクロのデュオ(2人組)での競技で、ソウル五輪まで、色んな世界大会などで、活躍していたのが、伊藤恵さんと現在タレントで活躍している小谷実可子さんがペアを組んでメダルを獲るなど活躍していました。ソウル五輪でもメダルが期待されるほどの活躍で、ソウル五輪では、シンクロデュオのコンビは見事銅メダルを獲得しました。しかし、小谷実可子さんとペアを組んだのは、伊藤恵さんではありませんでした。メンバーには選ればれていたものの、補欠になってしまい、競技には出られなかったのです。

小谷実可子さん曰く、一番凄かった人で、伊藤恵さんも「正直小谷実可子さんにも負けてないし、自分が一番だと思っていた」とのことです。しかし、華がありカリスマ性のある小谷実可子さんがメインであり、もう一人は小谷実可子さんに合わせられるかによって決まりました。その相手が伊藤恵さんではなかったのです。

伊藤恵さんが消えたきっかけは、五輪後の報告会見で、個人でもメダルを獲得した小谷実可子さんのメダルを伊藤恵さんにかけさせて、3人で写真を撮ろうとした記者がおり、本人の意図に反して、人のメダルをかけさせられてしまった。そのことで伊藤恵さんは、シンクロへの気持ちが完全に切れてしまい、一切関わらないようにするのでした。

そして4年後、バルセロナ五輪で、日本はまたメダルを獲得するのですが、小谷実可子さんは本番当日の練習で怪我をしてしまったことで補欠になり、伊藤恵さんと同じ立場になってしまいました。テレビを見ていた伊藤恵さんは、帰国する小谷実可子さんを空港で待ち受け、手紙を渡してすぐに立ち去るのだった。そこには、

「同じ立場の自分だから、あなたの気持ちがよくわかる。でも、シンクロのことは嫌いにならないで」

と、AKB前田敦子ばりのことが書いてあり、手紙を読んだ小谷実可子さんは号泣し、伊藤恵さんのようにシンクロを嫌うことはなかった。

そういったエピソードなのですが、伊藤恵さんがシンクロへの思いが切れてしまったのは、やはり伊藤恵さんが「天才」だったからです。演題でわかると思いますが、天才であるが故の、謙虚さの欠如が、消えてしまった要因だと言えます。「謙虚」とは「自分を偉いものと思わず、素直に他に学ぶ気持があること。」という意味だそうですが、先述したように、小谷実可子さんを認めながらも、自分が一番だと思っていた。その自分が補欠に回されて、あまつさえ人のメダルをかけられたことは、屈辱以外の何ものでのありません。その気持ちはわかります。自分が一番だと思ったことは、それは事実だし、プライドでもあったと思います。しかし、その自信やプライドによって、謙虚さを失ってしまったことで、耐えられなかったのでしょう。

伊藤恵さんに限らず、天才の挫折は、多少なりとも「謙虚さの欠如」が共通していると見てとれます。逆に、成功している天才は、消えた天才により既に挫折経験があるので、謙虚さを持った天才だと言えます。
自信やプライドと謙虚さは相反するものではありませんが、どれだけ自信やプライドがあっても、謙虚さを失っては、挫折には耐えられないのかもしれません。

天才ではなくても、調子に乗ると足元を掬われると言いますが、謙虚さを忘れないことが、成功するには必要不可欠のものだと言えるでしょう。

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