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気がつけば 主従の関係 入れ替わる

気がつけば 主従の関係 入れ替わる

意味:最初は目的を果たすために考えた手段が、いつのまにか手段が目的になってしまうことの意味。

類義:本末転倒

(例)いやぁ、時間潰しの為に始めたアプリだったんだけど、ハマっちゃって、アプリの為に時間作るようになっちゃったよ。これじゃあ「気がつけば主従の関係入れ替わる」だよ。

主と従が変わる時

普段生活をしている中で、何かを始める時がありますよね。必要だから始めるものから、暇つぶしでやるものまで、色々あります。

そんな中で、面白い現象がおきてくるものです。

それは、主と従が逆転してしまうということです。

どういうことか?

本来なら、目的としていたものの為に、例えば英会話を習ったり、ジムに通ったりしますが、いつのまにか、英会話教室に行くことやジムに行くことが目的になってたりすることはありませんか?お金を払ってるし、そういう所に通ってると言いたかったりするから。

他にも、暇つぶしの為に始めたゲームアプリなども、暇つぶしの為だったはずなのに、ゲームをする為に時間を空けたりしてしまうことも、あったりするのではないでしょうか?

それらはもう本末転倒です。

主と従とは、言わば目的と手段です。主が目的で従が手段です。目的の為の手段が、いつのまにか目的になってしまう、そんな現象がよくあるのではないでしょうか?

「恋人が欲しい」

独り身の方は、若い方から年配の方まで、やはり恋人がほしくなりますよね。極端な話、「誰でもいいから」と言う方(やりたいだけw)もいるかもしれませんが、恋人が欲しい目的は、恋愛をしたかったり、幸せを感じたい、というものではないでしょうか。
なので、正しく言うなら

「恋愛がしたい」

というはずです。ただ「恋人が欲しい」という幸せの手段としての恋愛である手段を目的にしてしまっても、良い恋愛ができるとは言えず、うまくいかないでしょう。

夢を叶えることも手段

以前、夢を持つことを目的にしてはいけないと、コラムで述べましたが、夢を叶えることも、実は手段です。

「オリンピックで金メダルを獲る」

こう見ると、それが目的で十分だと思いがちですが、本当の目的は金メダルを獲ることではありません。金メダルを獲ることで得られるものが目的のはずです。
家族や支援者を喜ばせたい、金メダルを獲った景色を見たい、認められたい、というのが、目的で、金メダルを獲るのはやはりその為の手段です。金メダルともなれば、目的でもいいとは思いますが、金メダルというのも、表面的な、具体的な事象に過ぎません。一番の価値は、金メダルを取れるだけの努力をしたことや、それが報われること。今は大河ドラマで「いだてん」が放送されていますが、初めてオリンピックに出場した「金栗四三」さんを主役に、日本のオリンピックの歴史が描かれています。

大河ドラマ「いだてん」にみる目的と手段

金栗四三が金メダルを取ることはありませんでしたが、彼が残した功績は偉大で、オリンピックに出場することの意義や、金メダルを取るためにどれだけの努力をし、どれだけの代償や犠牲を払っているのか。金メダル最有力候補となったベルリンオリンピックでは、戦争により大会が中止されてしまい、金メダルの為に家庭も顧みず、すべてを犠牲にしてきました。オリンピック中止によって絶望し、それを奥様のスヤさんが救うのですが、それから箱根駅伝が生まれたり、女性アスリートが育っていったり、日本に「マラソン」の文化が根付きました。

仮に金メダルを取っていても、きっとその文化は根付いたでしょう。金栗四三さんが、オリンピックで金メダルを取る最大の目的は、己が世界一の称号を得るためではなく、日本にマラソンやスポーツの文化が根付くためであったはずです。金メダルは取れなくても、金栗四三さんの真の目的は果たされてきたように思います。それは、手段を目的にせず、本末転倒にならなかったからだと思っています。

生きていたり仕事をしていると、必ず一つのゴールがあると思います。ゴールすることだけを目的にしていては、ゴールまでに見える景色が見られないし、いざゴールしても、ゴールするまでに払った代償や苦労による喜びや達成感は薄れるかもしれません。

自分が何のために仕事をしているのか、何のために生きているかはわからなくなる時があったり、いつの間にか手段が目的になってしまっていることがあると思いますが、常に原点やなぜそれを始めたのかを立ち返ると、真の目的をブレずに持ち続けることができるのかもしれませんね。


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