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映画『コンフィデンスマンJP』の完成度の高さは最高傑作!

記念すべき250日連続投稿記念として、昨日観てきた劇場版『コンフィデンスマンJP』をネタバレなしで全力で紹介していきます!!

まさに最高傑作!

昨年月9で放送されてた、長澤まさみ主演の『コンフィデンスマンJP』ですが、続編として劇場版が公開され、その後日談がSPドラマとして放送されました!

ネタバレはしたくないので、映画の内容に関しては何も言いません。
ただ、これだけは言いたい。

「この映画は最高傑作だ!」

何をもって最高傑作と言うかは知りません(笑)ただ、そうとしか言えない完成度とその内容に、私は拍手を禁じ得ませんでした。

元々ドラマも毎回面白くて、録画して観てましたが、劇場版も、1800円が全く惜しくなく感じる面白さでした!感動し、涙を流す作品はあります。それも素晴らしく、『君の膵臓をたべたい』なんて、もう号泣で、これもまた最高傑作です。そういった感動作品とは違う感動が、『コンフィデンスマンJP』にはあるんです。

私のコラムサイト神アニメランキング!虹見式でも、「神ドラマ虹見式アワード2018!」で、第4位にさせていただきましたが、年が違えば一位でもおかしくない名作でした。
コラムはこちらから

ちなみに、『君の膵臓をたべたい』のコラムはコチラ↓

それでは、『コンフィデンスマンJP』の魅力に迫ってまいります!


「コンフィデンスマン」とは?

一言で言えば「信用詐欺師」なんですが、相手を騙すために時間と費用を掛けてじっくりと信用を築いてから詐欺にかける、というものです。詐欺と何が違うの?と言われれば、大差はないかもしれませんが、この作品が面白いのは、ダー子(長澤まさみ)の魅力に尽きます。そして、ボクちゃん(東出昌大)とリチャード(小日向文世)の3人チームで、色んなお魚ちゃん(ターゲット)を、子猫ちゃん(アルバイト)を使って、騙して大金をせしめる訳です。

これだけ聞くと、ただの詐欺のように聞こえますが、その通り詐欺です(笑)。ダー子達が狙うターゲットは、何かしら悪事を働いていて、苦しむ人がいることが前提になってたりします。「困っているその人を助けたい。その為に懲らしめてやりたい」という、ボクちゃんの水戸黄門的な正義感から始まることが多いのですが、ダー子も一方的に詐欺にかけようとはしません。

そして、詐欺に掛けて数億円を手に入れて、札束をばら撒きながらはしゃいで宴を開きますが、その裏で詐欺に掛けられた人達も、騙されたことで罰せられて終わり、ではなくて、結果的には騙されたことで真っ当な道に進むようになったり、いい経験になったりします。

その辺が、脚本を書いた古沢良太の凄さと天才性を実感します。何より、物語の完成度の高さは、古沢良太によるものが一番大きいと言えます。

脚本家「古沢良太」

私は脚本家と言えばクドカンこと宮藤官九郎さんから描き出される世界が大好きで、一番好きな脚本家なんですが、古坂良太さんはクドカンに負けずとも劣らない素晴らしい脚本家でもあります。

古沢良太さんと言えば、『リーガル・ハイ』『エイプリルフールズ』『ミックス。』などが有名ですが、どの作品も、人の心の変化をうまく描き、物語の伏線回収やネタバラシ、人間の本質を描くのが絶妙で、予想の斜め上をいく展開で、いつも驚かされます。

めちゃくちゃ泣けるような感動よりも、笑えて、観た後のカタルシスや爽快感、物語の完成度が大きく素晴らしいです。感動してしまう素晴らしい作品には、特に思うことですが、作者や脚本家は、人間というものをよくわかっています。人の心の機微や、心理というものを深く理解していて、何をしたらどうなるのか、ということがわかるから、完璧な物語を描けるのでしょう。きっと私たちとはまた見えている世界が違うのかなと、感じています。

長澤まさみのはまり役「ダー子」

この物語を語る上で欠かせない一つが「ダー子の存在」です。まず名前からして惹きつけられますよね(笑)「ダー子」ですよ?「ダー子」(笑)ちなみに、ドラマの最終回「コンフィデンスマン編」では、その正体が明かされ、本名や出生に関わる展開になるのですが・・・それすらも全ては「ダー子」達の掌の上って感じで、詐欺にかけられた人も、どこからどこまでが詐欺だったのかわからないほどなのです。

この「ダー子」が3人組のリーダー的な存在で、総合プロデューサーでもあり演者でもあるのですが、「ダー子」の凄いところは、お魚ちゃんの本質を見抜くことです。人身把握術に長け、どうすればいいかがわかっているので、お魚ちゃんが食いつく餌を用意できるのです。その計画は完璧ながら、ミスがあってもそのミスすら利用して台本を書き換えます。「ダー子」には、最後はどうなっているかのゴールがわかっているんです。敢えてミスや失敗をするのも計算済みで、「敵を騙すにはまず味方から」というように、ボクちゃんは度々味方のダー子にも騙されたり、リチャードも知らないようなことを平気でやっちゃうのですが、情に流されないのもダー子の特徴です。

そしてもう一つは、役に入るために徹底的に勉強して成り切ることです。「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と言うように、お魚ちゃんの情報収拾と、引っ掛ける為の役作りの為に、徹底的に研究します。その姿は、ボクちゃんが、「それだけできるならプロになれただろうに」と言うほど。
でも違うんです。ダー子は、勉強して医者やCAになりたいのではなく、成りきって騙すのが楽しいんです。普通の人なら、医者やCAになる目標の為に勉強しますが、ダー子にとっては普通の人の目標が手段でしかなく、その才能は無駄遣いとも見えます。しかし、結果的にはあっという間に数億は稼いでしまうのです。お金だけではないですが、そういった自由で掴み所のないところは、まさに「ジョーカーキャラ」だと言えます。

ジョーカーであるコンフィデンスマン

ボクちゃんこそ、ジョーカーとは言えませんが、リチャードもダー子も「ジョーカーキャラ」です。「ジョーカー」とは、誰にも支配されず、何者にも囚われず、光と闇、善と悪両方を理解して自由に使い分けることができ、物事の本質を見抜いているキャラのことを言います。
特にダー子は生粋のジョーカーで、一切ブレません。人に甘いボクちゃんが「これ以上は止めよう」と言っても、結果的にはダー子が言った通りになったり、詐欺に遭ったことで、その人は人生が好転するようなことになってしまう。これが、この作品の面白さであり、「ルパン三世」を彷彿とさせる魅力です。ルパンは盗み、ダー子は騙しと言えるかも知れませんが、言うなれば、一見悪いことをしても、本質的に見れば、決して悪ではなく、最適な状態にする役割とも言えます。こう言うところは、『リーガル・ハイ』の古美門研介にも通じるものがあり、一見、お金しか考えていないように見えて、その裏には本質が隠れているのです。こう言った単純な勧善懲悪ではない描き方が、古沢さんの真骨頂ではないかと思います。

ダー子は、世の為人の為に詐欺はしません。自分がしたいからします。もちろん、きっかけは、困った人がいたり、懲らしめたいお魚ちゃんがいるからするのですが、ダー子は最初から最後まで、徹底的に楽しみます。そして、騙す為には手段を惜しみません。時には、数億稼いでも、赤字になることだってあります。第1話では、空港を丸ごと作ったりしたのですが、セットにかかる費用と、全てエキストラの為、人件費も相当です。残った取り分が3人に入るのですが、稼ぐ為に詐欺をしていないので、がっかりはしても、一切気にしていません。そういう余裕があるので、ミスを恐れないし、人の呼吸を乱す「恐怖と欲望」が通用しないのです。こういう所が、ジョーカーたる所以と言えます。

コンフィデンスマンJPが面白いのは「ドッキリ感」

この作品から感じる「詐欺」というのは、巷で横行している詐欺ではなく、「ドッキリ」に近いのではないかと思うんです。詐欺をテーマにしたドラマ等はありますが、以前山Pが主演した『クロサギ』は、復讐劇でもあり、コメディ要素のないシリアスな内容でした。『コンフィデンスマンJP』は、コメディ要素が強く、「詐欺」を描いているというよりは「ドッキリ」を描いていると言った方がしっくりきます。騙された人は一溜まりもないないですが、壮大なドッキリのような仕掛けに、ギャラを払うのが騙された本人、という感じです。自らはお金を払って損をしながらも、私たちを楽しませてくれる訳です(笑)

ダー子達が、壮大なドッキリの仕掛けを考える姿は、まさにロンハーの淳のような感じと言えるかもしれません(笑)本人以外は仕掛人、セットも大掛かりで、狩野英孝や出川哲朗にドッキリをかけるのです。仕掛けられる方も面白くないと、このドッキリ劇と特番は完成しません。

騙される方も、それだけの大仕掛けがあるなら、騙されて本望ではないでしょうか。それは違うか(笑)でも、騙されても仕方ない事をしてる人にドッキリを仕掛けるので、お代は本人からいただく、とダー子は考えているのでしょうね。ダー子達にとっては、詐欺にかけるのではなく、ドッキリビジネスだと思っているのではないでしょうか。

ともあれ、テレビシリーズを見ていない方でも、映画を楽しむことはできます。しかし、テレビシリーズでターゲットになった人たちも映画で上手く絡み合い、さらに面白さは増すと思うので、観たことない方はぜひテレビシリーズを振り返って、その勢いで劇場版も観られてはいかがでしょうか?損はさせませんよ?知らんけど(笑)

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