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「私を守ってくれた母」スカッとジャパンで描かれた感動のエピソード

フジテレビで放送中の「スカッとジャパン」。ムカッとしたことをスカッとさせてくれる人気番組ですが、時折、感動的なエピソードが描かれることがあります。
久々に見て感動したので、発信させていただきます。

※わかりやすいように、主人公の娘を「私」と表記します。

私には母がおらず、父と祖母と暮らしていた。祖母は厳しい人でいつも冷たく、祖母には嫌われていると思っていた。母を知らない私は、母に会いたいと言っても、父は「あんな女には会うな」と言う。
そんなある日、私の母は、自分の娘だとすぐわかったと、私に会いに来た。それから時折、私は母と会っていた。母は、話をよく聞いてくれて優しい人だった。
数年後、私には彼との子供ができ、授かり婚をすることになった。結婚を機に実家を出ることになるが、祖母にも、「私がいなくなって清々するでしょ?」と言い残し家を出る。
そんな私のことを、母は「私に似たのね」と笑い、「私からのご祝儀ね」と50万円を手渡すのだった。
後に子供が生まれ、母親になった私に、母親から連絡が入り久々に会うと、開口一番「前渡した50万、返して!」と言う。その姿は優しく気前のいい母ではなかった。いきなり言われても、すぐに出せる金額ではなく、ご祝儀をもらったことも旦那には話していなかった為、渡すことはできなかった。その場をしのいでも、何度も連絡がかかってきて、徐々に脅すような、脅迫めいた言い方になっていった。
実家に帰ったある日、祖母は高齢なのに仕事に出ており、父と二人きりになった時「お前、母親に会ってるだろ?」と聞かれ、留守電を再生すると、母親からの怒鳴り声が聞こえてきた。母親は、お金に困窮しており、娘の実家にまで催促していたのだった。
なんとか50万円を用意できたある日、実家に帰ると祖母が家にいた。するとそこにあのどうしようもない母親がやってくる。
「なんであんたが来たの!」と言うと、祖母が「私が呼んだの」と言う。そして、祖母は母親に封筒を渡す。
「50万円入っています。これでもう関わらないでください」
そう言うと、
「私だけじゃなくおばあちゃんにも50万円要求してたの!?」
と問いただすと、母親は平然と
「貸したお金に利子がつくのは当然でしょ?」
ご祝儀で渡したお金が貸したお金とはめちゃくちゃである。母親に食ってかかり追い出そうとすると、それを止めた祖母が
「私の娘を産んでいただき、ありがとうございました。」
と頭を下げる。
「は?娘じゃなくて孫でしょ?ボケてんの?」
と言う母親。すると祖母は、
「昔からこの子のことを娘だと思って育ててきました。でも、母親のことを聞かれる度に、私は母親じゃないんだなぁと思い辛かった。でも違う。この子は私の娘です。もうこの子には会わないでください。」
今までずっと厳しく冷たかった祖母の本心を知った娘は、母親に
「もう二度と来ないで!あんたの顔なんか二度と見たくない!」
と追い出すのだった。私は、私のことを母として愛してくれている存在に気付くのでした。


祖母が、「母」として娘を守ったエピソード。
なかなかヘヴィな内容ですが、祖母が実はとても愛情深く、母親はどうしようもないクソ毒親、普通に見てたらそう感じるのですが、MAXのメタ的視点で見ると、隠された秘密が見えてきます。

それは、母親がクソだったからこそ、お婆ちゃんの本心を知れたということです。

もし、母親が娘に会うことなく過ごすことになったら、娘は授かり婚し実家を出て、お婆ちゃんの本心を知らずにすれ違ったまま、お婆ちゃんを見送ることになったでしょう。しかし、母親がどうしようもないクソ毒親で、見事にやらかしてくれたからこそ、お婆ちゃんの本心を知ることができ、お婆ちゃんも胸をはって、「この子の母親だ」と言えたのでしょう。

特に家族というのは、近いが故に見にくく気付かないことがあります。それが良い部分でも悪い部分でもそうです。家族の愛や優しさは、時にうざったく感じてしまうこともありますが、隠された愛は気付くことはできなくはないです。でも、毒親だったりどうしようもない時に、「親がこうだったから」と思える悪い部分には、その理由や価値は見出しにくいものがあります。しかしそこにこそ、普通では開かない扉があり、人生で一番の感動が隠されているのです。

この娘さんにとっては、お婆ちゃんの愛は、人生で一番残る感動だったでしょう。しかし、忘れてはならないのは、どうしようもない母親のおかげなのです。
感動とはある種、好嫌の落差(ギャップ)の大きさで起こるとも言えます。もし幸せしかなかったら、幸せを感じることはできなくなります。苦しみを知り味わうからこそ、幸せを噛みしめることができるのです。

家族に限らず、嫌なことや辛いことの奥に、とてつもない感動が隠されている部屋がある、ということを忘れずにいたいと思う、素晴らしいエピソードでした。

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