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コードギアス名言Vol.25「あぁ。好きだったよ。」

名言シリーズを随分サボっていましたが、今期はドラマを二本特集しているので、なかなか進められず、楽しみにしている方がいたらすみません(^^;
過去の名言はこちらのマガジンからチェックしてくださいね!

またちょくちょく更新していきますので、コードギアスの世界観と名言から感じる本質をお伝えしていきたいと思います。

物語と名言

アッシュフォード学園の学園祭で「行政特区日本」の宣言をしたユーフェミア。それにより、日本を再興するという、黒の騎士団の大義が断たれてしまった。ブリタニアによるものとはいえ、日本を認め、日本の為になる計画故に、断ることは自らの存在意義を否定することになってしまうからだ。

ブリタニアでも、コーネリアは反対しておりシュナイゼルと意見は分かれるが、ユフィの計画が、暴動を収めて日本を統治するには一番いい案だとはわかっていた。黒の騎士団の内部でも意見が分かれ、記憶喪失になっているヴィレッタを囲う扇も、ユフィの計画に参加できないかと言い出すほど。「平和」を名目として武装解除させられ、黒の騎士団の体制に取り込まれ、独立は失われてしまう。しかし、参加しなければ自由と平等の敵となる。何の保証もなく、どんな危険があるかわからないが、女に言われたから計画に参加を促す扇。これが扇が視聴者から嫌われる要因の一つである。

ブリタニアとキョウトの間でも、行政特区参加に対して裏取引が行われていた。黒の騎士団の参加如何によって、どう対処すべきか。何れにしても、黒の騎士団への援助を打ち切らせ、黒の騎士団敗北を告げる。

ルルーシュも学園生活をしながら、どう対処すべきかを考えていた。学園祭では、「行政特区日本」の宣言をし、まさに自分からまた全てを奪うブリタニアを体現したユフィに対して、怒りと憎悪を燃やしていたルルーシュだが、そのルルーシュの雰囲気に、妹のナナリーが、

「何か心配事でもあるんですか?ユフィ姉様のこと。また会いたいなんて言いません。お兄様にもお姉様にも迷惑がかかるもの。」
「ユフィのこと、好きかい?」
「ええ、お兄様だって好きでしょ?」

そして、ルルーシュの今回の名セリフ。

「あぁ、好きだったよ・・・」

その瞳には、決意と覚悟がにじんでいた。

そして、いよいよ行政特区日本の記念式典が開かられる。

名言の意味

今回の名言、「好きだったよ」と、過去形の表現を使うことで、異母兄妹で以前はナナリーとルルーシュを取り合うほどの仲だったユフィへの決別を意味するのでした。

そして、そうなってしまったのは、ユフィが計画した「行政特区日本」だった訳ですが、黒の騎士団が揉めていた、「平和」という名目で武装解除させるというのは、まさに「ジョーカーゲーム」です。シュナイゼルであれば、意図して仕掛けたでしょうが、策略家のシュナイゼルとは違い、ユフィには悪意がなく、天然での「ジョーカーゲーム」だからこそ、ルルーシュも予期しておらず、悪魔の一手とも言えるのです。

ブリタニアは弱肉強食を信条としていますが、意図しなくても天然で、笑顔で、それこそが最良の一手だと思い「ジョーカーゲーム」を仕掛けられてしまうユフィは、ある意味誰よりもブリタニア人と言えるかもしれません。その悪意のないユフィだからこそ、ルルーシュもどうすることができなかったのですが、ルルーシュにとっては善意から生まれた悪意と言えるでしょう。

「魔性の女」と言われる女性がいますが、本当の魔性の女とは、こういうユフィのような女性のことを言うのでしょう。狙ってするわけではないのに、相手は強制的にやられてしまうというような。天然な女性は、それが可愛いと好かれやすいと思いますが、天然が故に、思いも寄らない言動をしたり、善意によってされたことが、悪魔の一手のようになることもあります。天然な人を相手にするのは気をつけたいですね。

嫌われ者・扇

コードギアスでは、おそらく一番嫌われているのは扇要というキャラだと思いますが、それは一体なぜでしょうか?「R2」に入った後半に起こる出来事が決定的なことかもしれませんが、既にその片鱗は見えています。

今回でも見られたその要因は、「自分の意見がない」ということと「中途半端な善意」です。

扇は決して能力は高くなく、最古参という理由で、黒の騎士団副総長になりました。優しい人柄でもあり、信頼だけはされているのですが、レジスタンス時代の本当のリーダーは、カレンの兄ナオトでした。ナオトが死んでしまったから跡を継いだのですが、扇自身は、リーダーの器ではありません。本人もそれは自覚しているでしょう。

「行政特区日本」に参加するか否かということは、組織を左右する決断です。それを、囲っていた正体不明の女が参加したいと言うから「参加すべきだ」と言うのは、自分の意見ではありません。自分の確固たる意志がないものに、リーダーをする資格はありません。なぜなら、自分の意見がなければ、責任を取らないからです。事実、扇は責任を取りません(ある意味取りますが・・・)。そのお人好しで優しい性格も、シャーリーに撃たれたヴィレッタを、ゼロの正体を探る為とはいえ連れ帰り、千草という名前までつけてしまう、痛いやつだからです。

中途半端な善意は「無責任」

目先の優しさは、「いい人」に多い傾向だと言えますが、それが必ずしも人の為になったり幸せにするとは限りません。よく恋愛においては「誰にでも優しい人は、逆に傷つける」と言われたりしますが、扇はその典型と言えます。そして、確固たる意思のない、中途半端な善意は、無責任なものです。それが良いと言う観念によるものだったり、本当は相手の為ではなく、自分の為にしていることだからです。

なぜ扇が嫌われるのか。その要因を紐解くことで、人から嫌われないようにするにはどうすればいいかが見えてくるのではないでしょうか。扇が嫌われる理由はまだありますが、それは物語の展開に合わせて取り上げていきたいと思います(笑)

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