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あなたの番はノーサイド 面白さの比較

すでに最終回を終えた両作ですが、まだ引っ張りたいと思います(笑)
そして、ついにラグビーW杯が開幕し、日本も初戦を見事に勝利しました!『ノーサイド・ゲーム』を観ていた方なら、今までにない楽しみ方ができるのでは無いでしょうか?浜畑もBSで解説をしているということで、アストロズファンにとってもたまらないW杯になりそうですね!

『あなたの番です』と『ノーサイド・ゲーム』は真逆の魅力

すでに最終回を終えた両作ですが、まだ引っ張りたいと思います(笑)
今期私が面白く見ていたドラマは、『あなたの番です』『ノーサイド・ゲーム』の2作でした。奇しくも、どちらも日曜日のドラマで、『いだてん』もあったりして、この夏の日曜日は、かなり熱かったです(笑)
時期的にも、5年前に『あまちゃん』『半沢直樹』が終わった時の感覚を思い出しました(笑)

視聴率的にも、人気の高かった2作ですが、特徴的なのは、2つの作品の魅力は「真逆」だということです。今回はドラマの面白さではなく、ちょっと違う視点でお送りしたいと思います。

『あなたの番です』

異例の2クール放送のドラマで、秋元康が手掛けた推理サスペンスドラマです。前半こそ視聴率は不調でしたが、衝撃的なシーンや謎が謎を呼ぶ展開が、視聴者を取り込み、SNSなどでの考察合戦が行われ、最終回の視聴率は19.4%という高視聴率となりました。最終回後にスピンオフで放送されたHuluは、アクセスが集中し過ぎで、見れなくなる事態にもなったほどでした。

この作品の一番の魅力は、「次に殺されるのは誰か」「殺したのは誰か」「誰が真犯人なのか」「誰が黒幕なのか」ということを、毎週予測したり考察することだったと推測しています。だから、最終回でいざ真犯人、黒幕が明かされた時に、予想通りだったがっかり感や、俺たちの西野七瀬の演技を酷評し、秋元康を叩いたりして、日テレに抗議の電話をした人もいたようです。

蓋を開ければ、と言えますが、そもそもこの作品の1番の楽しみ方は、「最後どうなるか」という結末ではなく、結末に至る途中を楽しむドラマ、と言えるのかもしれません。まぁ、推理モノの特徴として、結果がわかってしまえばもう楽しめない所もありますが、酷評したり、抗議の電話をするような人は、この作品の楽しみ方を間違えている、と私は思っています。最終回まで、十分楽しめたはずです。私も最後はがっかりした所はありましたが、それでも、作品を通して満足感はありました。まさに、道中を楽しむ道楽家の私にとっては、より楽しめる内容でした。

賛否はありますが、Huluで公開されている、「扉の向こう〜過去編〜」で、黒島ちゃんの過去が描かれており、それを見ると、最終回の無理矢理感に理由や背景が見えることで、納得できる所が大きくなるかもしれません。この過去編を最終回にすれば、ここまで叩かれることもなかったのではなないかと思うほどです。しかし、有料でそれを見せる、という手法はちょっと考えちゃいますよね。「続きは劇場版で」みたいなものを感じます。

もう一つ付け加えたいのが、この作品は、視聴者も一緒に作っていったとも言えます。筋書きは決まっていたものの、考察を盛り上げるために、秋元氏がギリギリ矛盾しない範囲で、演出・脚色したそうです。つまり、視聴者の反応によって、可能な限り見え方を変え、正しい者でも怪しく見せ、犯人探しとは違う面でも、引き込まれるような演出にしていました。つまり、この作品は「エンターテインメント性の高いドラマ」だったということだと思います。

『ノーサイド・ゲーム』の魅力

『ノーサイド・ゲーム』に関しては、全話を追って魅力を紹介してきましたが、池井戸作品として特徴として、「大逆転」「勧善懲悪」「最後は勝つ」という要素があります。
作品の内容に関しては、各話ごとにコラムにしたので、そちらをご覧いただければありがたいですが、池井戸作品の一番の魅力は、ドン底に追い込まれ、そこから大逆転していく様を感動的に描いているということです。行ってしまえば、「最後は勝つ」訳です。ある意味、その安心感があるから、途中「これどうなってしまうんだ?」という展開があっても、最後は勝っちゃうわけです(笑)

コラムでも述べていましたが、このドラマの中では2年間描かれるのですが、中盤の第5話で、優勝を掛けた戦いがあり、「アストロズ」は負けてしまいますが、私はそれを「必然の敗北」と言いました。なぜなら、この物語の焦点の一つとして、「アストロズ優勝」がありました。ここで優勝してしまっては、最後のカタルシスが薄れてしまいます。だから、ここで負けで、さらに苦境に立たされることはわかっていました。でも、わかっているからこそ、楽しめることもあります。

『あな番』と『ノーサイド・ゲーム』の違い

この辺が『あな番』との真逆な部分だと言えます。つまり『あな番』は、この先どうなるのか?というどうなるかがわからないことを楽しむドラマで、『ノーサイド・ゲーム』は、結果はわかっていることを、どのように描いていくのかを楽しむドラマだと言えます。また、『あな番』は皆で作り上げていったドラマでもあり、『ノーサイド・ゲーム』は、池井戸さんが描く世界を完全受動型で観るドラマだとも言えます。

それぞれどちらにも面白さはあり、楽しみ方はあります。もちろん、ここで述べたことが全てではないですが、楽しみ方を間違えると、せっかく面白いのにつまらないものになってしまったりします。「裏切られた」と思ったり、抗議の電話をしちゃったりするわけです。まぁ、そういうことも含めて『あな番』は盛り上がったと思うし、『ノーサイド・ゲーム』は安定の面白さだったのでないかと思います。

今回は、夏を盛り上げてくれた2作ですが、秋も面白いドラマが見られるのを楽しみに、オススメしたくなったらコラムにしたいと思います(笑)

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