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「星は微かに光り」 第1話

最初に言っておきます。
本作は異能系というやつです。
かつ、駄作かもとも思ってるので、打ち切りにする可能性もあります。
その辺了承いただける方はお読みくださいませ。
いいねや感想がもらえれば続ける、かも…?


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ここは、大魔道世界。

普通の人間たちが暮らす世界、「普通世界」の裏側、或いは平行線に位置する、魔法を使う者たちが暮らす世界である。

普通の人間社会が科学で技術を進歩させていくにつれ、大魔道世界では魔法が進歩した。

そして、一方で普通の人間世界とは共通する部分もある。

例えば、学校。

大魔道世界の学校は、普通世界の基本的な科目の他に、魔法を主軸としたカリキュラムを組まれている。

そして、この物語は、そんな大魔道世界の学校の大手、「バイオレット魔法学園」に通う者たちの数奇な運命を描いた物語である。


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少し前の洋風建築と近代未来建築を掛け合わせたような街並みを、ブレザー姿で歩く生徒たち。

奈央「いよいよ入学式だよ!お兄ちゃん!」

○○「奈央は中等部への編入だけどね…。」

桜「ん、○○、もしかして、緊張してる?」

○○「まぁ…正直。」

彼らは、○○、奈央、桜。
共につい2年前まで普通世界に暮らし、魔法の存在さえ知らなかった者たちだった。
しかし、先天的に魔力の種を持つ○○、そして奈央の魔法が不完全な覚醒により暴走。
それに対処すべく、魔法使いである白石麻衣が彼らの面倒を見る事に。
桜は○○の幼馴染として○○と奈央の元についてきたのである。

この2年、魔法世界における最低限のノウハウや常識、そしてバイオレット魔法学園に入学するための知識教養を身につけた。

そして、晴れてバイオレット魔法学園に入学出来た○○達は、ただいま初登校真っ最中。

桜「でも、2人ともよかったの?編入・入学試験の魔力測定、『手抜いたりして』。」

○○「ん…俺と奈央の中にあるえっと…魔力の種みたいなのは特殊らしいからさ…。変に目立たないためにはこれが一番かなって。」

桜「でも麻衣さん、入学試験の結果見て目丸くしてたよ?」

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麻衣「ええええええええっっ!?!?魔力測定値『B』!?ギリギリ合格ラインンンンン!?何してんの○○!?奈央ちゃんまで!!」


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○○「…💧」

○○「…でもさ。正直怖いんだ。」

桜「…また暴走するのが?」

○○「うん…あの過去は全て、俺の中にあるこの能力が原因だ。」

○○「俺はこの持って生まれた魔力が嫌いだし、また暴走するのが怖い…。」

奈央「うん、私もおんなじ…。」

桜「でも、魔法世界で生きていくため、2人は普通の人たちよりももっと勉強して、『2個目の魔法』を会得した。すごいよ2人とも。」

○○「桜だって、自分の中にある魔力への適応が素早かったじゃん。」

桜「○○達の血縁だから一応〜って検査したら、私の中にも魔力の種、あったんだよね〜!」

奈央「あ、2人とも、見えてきたよ〜!」


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今日から3人が通う高校及び中学、バイオレット魔法学園。

門の前まで来ると、○○達と同じ制服の人間が多く歩いていた。

○○「そういえば、麻衣さんが何故か『私があなた達を育てたことはなるべくバレないで』って言ってたよな?」

奈央「あ〜…アレ何でだろうね?」

桜「あれ?2人とも知らないの?そりゃそう言うよ。だって…」


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場所はバイオレット魔法学園・総合ホールへと移る。

○○と桜は高等部の入学式に参加していた。

ちなみに、奈央は中等部の新規転校生扱いである。


司会「続いては、校長よりご挨拶をいただきます。」

「みなさん、入学おめでとうございます。バイオレット魔法学園校長の…」


「白石麻衣です。」


○○「こっ…!?」

○○(校長かよぉぉぉぉぉ!?!?!?)

仰天する○○の顔を見て桜がやれやれとため息をつく。

桜「ホントに知らなかったんだ…。」

白石「新入生の皆さん、入学、或いは進級、おめでとうございます。」

進級、というのは、中等部から内部進学をした人間のことだろう。

白石「あなた達がこの学校生活で良き体験と良き学びを得られる事を切に祈っています。」

すると、どこかからヒソヒソと話し声が聞こえてくる。

「おい、あれが…。」

「あぁ、学生時代、暇だったからというだけで恐るべきスピードで大量の魔法書を読み尽くし、古今東西あらゆる魔法を使えるという、バイオレット学園史上最高の優等生…。」

「今や大魔導世界最高総合議会の議員が1人にして、世界最強レベルと言われる魔法使いの1人…。」

○○「…あの人そんなに強かったのか…。」

桜「うん、そして私たちは、そんな麻衣さんから2年間色んな教養や魔法を教えてもらったんだよ。」

○○「…俺、かなりすごい立場にいるんだな…。」

桜「そうそう、だから麻衣さんから、『学校のみんなには私が3人を育てたってことはバレないように!』だって。」

○○「…だろうね。」

そんな魔法界におけるとんでもない人間の育てた子達が生徒にいると知れたらかなり目立つだろう…。

そんな事を考えていると、ホール内から拍手が起こる。

どうやら校長の挨拶が終わったらしい。

○○と桜も周りに合わせて遅れて拍手をする。

司会「続きまして、新入生代表の挨拶です。新入生代表、井上和さん。」

井上「はい。」

○○「ん…。」

一人の女子生徒が立ち上がり、通路を通って壇上に上がっていく。

新入生代表として呼ばれたということは…。

桜「あの人が入学試験の成績主席なんだね…。」

○○「ああ…。」

壇上に上がった井上がバラッと紙を広げると、代表挨拶を読み上げる。

井上「本日は、お日柄もよく、私たちの新たなる門出を祝福するがごとく……」

長く巻かれた髪、前髪は分かれており、片目はその分けた髪に隠れ気味になっている。

圧倒的、美。

その顔をまじまじと眺めていると…。

桜「むぅ…。」

ゴスッ!!

○○「ぐふっ…!?」

唐突な鈍い痛みに○○が横を見ると、桜が自分に対してエルボーをくらわしたのだと分かった。

○○「なぜ…?」

桜「なんとなく。」

○○「理不尽…。」


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入学式後、ホールから退場した生徒一同は徐々に列を崩し、喋りながら歩いていく。

○○「んんーーー…。」

伸びをする○○と、その横を歩く桜。

○○「入学式が疲れるのは、魔法界でも同じなんだな…。」

桜「まぁまぁ、仕方ない仕方ない。」

するとその時、

??「あだっ!?」

二人の前を歩いていた一人の女子生徒が柱に足を引っかけ、勢いよくこけてしまう。

○○「…大丈夫?」

○○は膝をついているその女子生徒に手を差し出す。

??「はい、ありがとうございます…。」

女子生徒は○○のその手を取って立ち上がる。

桜「君、一年生?」

??「はい…菅原咲月って言います…。」

桜「咲月ちゃんね!私たちも一年生なの!私は川﨑桜で、こっちが冨里○○!よろしくね!」

○○「よろしく。」

咲月「桜ちゃんに、○○くん…!えっと…あ、あの、私外部進学だから、友達いなくて…!良ければ二人とも…!」

桜「うんうん!私たちも外部生だから!友達になろ!」

その言葉に咲月はパアッと顔を明るくし、桜と手をつなぎキャッキャと盛り上がり始める。

○○はといえば、その女子のノリについていけず、二人をチラチラと交互に見てはオロオロとしていた。

○○「えっと…。」

咲月「よろしく!○○君!」

○○「う、うん…!よろしく!」

咲月「…○○君って、かっこよくて優しいんだね!」

○○「えっ…。」

桜「!?」

咲月「二人とも、これからよろしくね!」

咲月はそういうとスキップで去っていった。

咲月「○○君…。ふふっ♪」

二人はその後ろ姿を手を振って見送った。

○○「にぎやかな子だね…。」

桜「…恋敵…。」

○○「桜?」

桜「ん!?な、なに!?」

○○「大丈夫?」

桜「大丈夫大丈夫!さ、教室いこ!」

○○「う、うん…。あ、ちょっと待ってよ!?」

早歩きで教室に向かう桜を○○は慌てて追いかけた。

そして、一連の流れを柱の陰に隠れて見ていた生徒が一人。

??「…おともだち…。」


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一方、校長室の窓際から入学生たちが退場する様子を見る者がひとり。

手には双眼鏡を持ち、そのレンズが捉えているのは、○○。

??「あの子が白石さんが目にかけてるっていう○○君…。横にいるのがお友達の桜ちゃんかな?」

そして、校長室の椅子に腰かけ頬杖をついている麻衣。

麻衣「美月。」

美月「はい。」

麻衣「私はいつもあの子のそばにいられるわけじゃない。校長や魔法界議員としての業務もある。」

美月「ええ、知ってます。」

麻衣「それでね美月。普段の学生生活において、あの子のこと、少し見守ってあげてくれないかしら。あの子に何か危害が加わりそうなら、護衛も。」

麻衣「あなたの成績なら申し分のない仕事だと思うのだけれど。」

美月「それは良いですけど、あの子、本当に白石さんの言うようなすごい魔法使いの原石なんですか?私には他の男子生徒と同じに見えますが。」

麻衣「私はあなたに嘘は言ってないわよ。それに…。」

美月「それに?」

麻衣はおもむろに立ち上がり、窓際の美月の横に立つと、話を続ける。

眼下には、○○と桜。

麻衣「あの子とその妹の奈央。あの二人が力を使いこなし、フルパワーでかかってきたとき、それぞれがあなたと同等、もしくはそれ以上になるわ。」

美月「まさか…!二人ともクラスSになる、ということですか?」

麻衣「ええ、二人同時となったらあなたでは勝てないし、私でもギリギリ勝てるか怪しいわ。」

美月「白石さんでも…!?」

麻衣「それゆえに、未熟である中この学園に入学したあの子たちには、様々な障害や災難が降りかかることは避けられない。」

美月「…。」

麻衣「ちゃんとした魔法使いとして育成に成功すれば、魔法界にとって大きな収穫になるし、この大魔導世界にあだなす闇魔導組織を軒並み壊滅させることもできる強力なカードになる。」

麻衣「逆に、育成に失敗し、闇に堕ちようものなら、この大魔導世界の大きな損失となる。闇魔導組織側に強力なカードをみすみす渡すこととなり、最悪私たちは敗北し滅ぶ。」

麻衣「数少ないクラスSであるあなたにしか頼めないのよ。この任務は。」

美月「…わかりました。この山下美月、冨里兄妹を危害から護衛し、立派な魔法使いとなる支援をする任務、責任をもってお受けします。」

その言葉に麻衣は安堵したようにフッとほほ笑んだ。

麻衣「ありがとう美月。あぁそうそう、後で史緒里にも同じ話をするから、二人で協力してね?」

山下「はい。わかりました。」



山下(一度あの○○の実力、見ておきたいな…。)



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翌朝。

早朝から校長室のデスクで業務をする麻衣のもとに、ばたんと勢いよく扉を開けて人が滑り込んでくる。

??「大変です麻衣さん!」

麻衣「どうしたの桃子。そんなに慌てて。」

桃子「これ見てください!」

麻衣「えっ…!?」




同時刻。

登校路を歩いている○○と桜。

○○「今日から授業開始かぁ…。魔法界の授業ってどんななんだろう?」

桜「ワクワクするね~!」

奈央「私も~!」

そんな談笑をしているうち、三人は校門についたのだが…。

何やら様子がおかしい。

道行く生徒たちが全員○○たちの方を見ている。

ひそひそと話声も聞こえる。

「おい、あれが…。」

「普通の生徒に見えるけどな…。」

「すげえ奴が入ってきたもんだな…。」

○○「ん…なんだ?」

奈央「みんなこっち見てる。」

少しおびえた奈央は○○にしがみついている。

桜「私たち、なんか変かな?」

三人はお互いの身だしなみを見合うが、特に異常はない。

と、そこへ○○の携帯電話が鳴る。

○○「麻衣さんからだ。…はい。え?はい、二人とも隣にいますけど。…わかりました。」

○○は携帯をスピーカーにして桜や奈央も話が聞けるようにする。

○○「俺ら三人に話だって。」

桜「話?なんだろう?」

麻衣『○○~!奈央~!桜~!』

麻衣『私が三人を育てたことバレちゃった~!!!!💦』

「「えええええぇぇぇぇっ!!??」」




「星は微かに光り」 

第1話 終 

続く。


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