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血統書

ニャードル1世は大帝となり、
さらに権勢を盤石なものにした。
ライオン星人
トラトラ地底人などの侵略行為なども
打ち払い、地球は猫族で溢れかえった。

だがニャードル大帝は気が晴れない。
ニャードル大帝には大好きなニンゲンのメスの
麗菜がいた。
周囲は猫族のメスとの後継者づくりヲ勧めてくるがそんな気は起こらず、
麗菜と遊んだ。

「れいにゃん…」

「大帝❗️」
「どうしたにゃ」
家臣のチャトラガーが太鼓腹ヲ揺らして
やって来た。
「クローン実験うまくいきました!
ニンゲンのメスが誕生いたしました❗️」
「まさか麗菜の細胞かにゃ!」
「はい、大帝が保存状態の良いものヲ
保管していたので、うまくいきました❗️」
「でかしたにゃ」

早速見に行くと、そこには少女時代のれいにゃんがエサを頬張っている…
「れいにゃん😻」
「食欲も旺盛です。すぐに交尾可能になるでしょう!」
「オスは?」
「一応、サルを進化させてみました。
凶暴性がひどくて、人工受精をさせるべきかと」
「よし、民衆に発表にゃ」

すぐに特別報道番組を放送して
ニンゲンのメスの復活に
猫族たちは大いに喜んだ❗️

「かわいいメスらしいぞ」
「ニンゲンのメスは最高にゃ」
「来年、横浜で公開するそうにゃ」
「絶対観に行くにゃ❗️」

翌年、麗菜は一般公開され、多くの国民が
彼女を一目見ようと押し寄せた。
「れいにゃん!」
「きゃーかわいい🩷」
「ホラエサだよ、お食べ❗️」
「おい、おっさん🙄変なもの食べさせんにゃ」
ペコリとお辞儀をすると
カメラのフラッシュが盛大にたかれた❗️

さらに翌年、麗菜の妊娠が発表され
待望のオスが生まれ
その翌年もメス、オス、メスと
順調に子孫を増やし、

ニャードル大帝は議会制民主主義制度を
導入して、麗菜とともに隠居した。

数十年後、
「このニンゲンは血統書付きだよ。
なんとあの麗菜の孫だよ」
「素晴らしいにゃ❗️100万」
「150」
「200」
「500」
「1000」
「3000」
「5000」
「7500」
「1億」
「3億」
「6億」
「他は!」
「では6億で」

「ニュースです。不法にニンゲンを作り
奴隷にしていた業者が摘発されました。
政府はニンゲン保護法の成立を目指し
ニンゲン保護解散総選挙を明言しました」

「今回の選挙の争点はニンゲン保護法となりますね」
「野党は国会軽視であり、充分な審議を重ねず強行採決しようとした与党を批判しています」
「与党側は法整備を急ぎ、
クローン技術の悪用でニンゲンが不当に
扱われている現状を早急に対処したいという
思惑があるようです」

端末を見ながらニャードルは
ため息をついた。
この騒ぎに麗菜はとても傷つき
寝込んでいる。

はやく猫族とニンゲンが友だちに戻れるように
しなければならない…

次回で最終回です

ホントにありがとうございます😭 さらによい作品を作り還元していきたいと思います♪