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エピローグ 緊急事態宣言

吉良大和がやってきたのはちょうど
緊急事態宣言が発令された日であった。
「大変なことになったねぇ」
「色々と忙しいんですが、手短にお願いできますか」
星飛鳥が現役時代の店長で
現在はフリーダムグループの代表である。

フリーダムグループは関東圏に
展開する学園系大衆店で堀之内にも
3店舗出店している。
「実はウチも高級店を出そうかと考えていたんだよ。これでは凍結かな」
「おたくが高級店ですか?」
「ああ、うちは実年齢23歳で強制卒業だからね
その娘たちの受け皿としてね」
「吉原あたりに」
「いや、堀之内だよ」
「喧嘩を売りにきたんですか?」
「うん、そうだね。あと天秤宮麗菜が欲しくてね。どう?彼女ウチにくれないかな❓」
「ウチのナンバーワンですよ。
冗談はほどほどにしてくださいな」
「そうか…残念だね。あの娘は華があるよ
どこから引っ張ってきたんだい?」
「企業秘密ですわ」

「ウチもああいう華のある娘が欲しいね!
ところで他の宮の穴埋めはどうするんだい?」
「今のところは現状メンバーでいきます
アフターコロナでしょうね…新たな門出は」
「なんにせよ、早くなんとかなって欲しいものだね、ではまた」
「お帰りですか」
「うん。粘っても欲しいものは手に入らないようだしね…ああそうだ新しい店の店名なんだが
ニューセレクト…新たな選択とするよ」

「ご武運を」
「ありがとう」

自由気ままな人だ。うらやましい限りだ。
さてと、フィットネスクラブは休業と
ようやく本丸に入れる。

サイデリアル、トロピカルともに勤怠は
強制せず、現在空宮となっている宮をサイデリアルも使用可能として待機室の
ソーシャルディスタンスを確保する…
接客以外でのマスクの着用、手指消毒の徹底…

アンからラインが来た。
彼女は説得して籍は残してある。
とにかく緊急事態宣言中はゆっくり過ごせと送った。明けたら今後の話し合いをしよう。

あとは美月の件か。彼氏のホストがコロナに
かかり、本人は陰性だったが
2週間経ったが
彼の容体が快方に向かうまで出勤する気がないようだ。

あと…これか、
レオナの当面の二輪車禁止…
まぁこれも競争を熾烈にするもので
黙認してきたが…しかし昴は化けたな…
正直、あの娘はそこまで期待してなかった。

例の風俗ブロガーは突然ブログを閉鎖して
雲隠れした…
おそらくレオナの親衛隊だろう。
あの連中はレオナと個人的に遊んでいるから
もはやお客様ではない。

あと西村由伸という客の件か...
父親が店に怒鳴りこんできたらしい。
うちの息子が娼婦に誑かせられた。
よくない筋から借金をして
大学も辞めて、家に引きこもっているらしい。
麗菜の中学時代の同級生だったようで
成人の日に二枠
バレンタインに貸切五枠
ホワイトデーに貸切五枠
計 十二枠 百五十六万
大学生がバカじゃなかろうか。
麗菜も別段積極的に営業はかけておらず
むしろ恐喝しているのは西村由伸側と
反論したら、父親は捨て台詞を吐いて
逃げ帰った。
完全に言いがかりだ。

しかし麗菜だ。
これで不動のナンバーワンの座を
手に入れたといっていいだろう。
新規の問い合わせはこの状況下でも来るし
リピーターもしっかり掴んでいる…
当面は彼女の天下だろう。

ホントにありがとうございます😭 さらによい作品を作り還元していきたいと思います♪