何が正しいか
ある新規就農者さんにくろくまくんの哺乳プログラムを使わせて欲しいとその子の師匠さんからご相談があった。
その新規就農者さんは我々のお客さんではない。
師匠さんはその新規就農者さんに上手くいって欲しいと願っているみたいだ。
哺乳プログラムのミーティングをやるやるやっていて全くやらないボクもちょっと引け目はあるのだけどそもそもお客さんではない方に何かを伝えるという事は我々の仕事からしてもあって良いことではないとボクは思っている。
全てのお客さんはお金を払って使っていただいているのである。
不公平という事はあってはならない事でお金を頂く以上、全てのお客さんには平等で特別扱い等は我々にはないという事は守らなければならない。
規模の大小関係無い。頂く利用料は一緒である。どちらも大切なお客さんだ。
我々には忖度なんて事は全く無いのである。
我々は利用を止めるお客さんを引き止めたりしないし理由も聞きません。誰にだって事情はあるし利用者の対応だけで両手は塞がっています。お客さんで無い方に興味を持つ時間はないのです。
今回は新規就農者さんということでそんな我々も少し相談しました。
上手くいって頑張って欲しいという気持ちは我々にあります。
しかし、その新規就農者さんにとって我々の管理システムを使うのは果たして本当に良いことなのかという事を考えました。
くろくまくんを入れるとありとあらゆる指示が毎朝的確に出てきます。ご希望なら我々がセットアップする事も出来ます。いきなり玄人の仕事が出来るわけです。
ただ、我々は果たしてそれが本当にこの若い新規就農者さんの為になるのだろうかと少し考えたのです。
ボクが新規就農してからは牛を殺すわ経営は傾くわでありとあらゆる苦難を経験して来ました。今思うと自分が若かったからこそ乗り越える事が出来たんじゃないかなと思います。
困って色んな方々に相談したりされたりお金に困ったりで様々な事を学んで来ました。
今では少々の何かがあってもどうにか出来る自信があります。
若い経営者さんがずーっと上手くいってしまった場合、どうなんだろうか?と少し心配しています。本当の困難にぶつかった時に果たして乗り越える事が出来るんだろうかと。
あれから毎日考えているのですが答えは出ません。
苦労しまくったボクはしないで済むなら苦労なんかしないにこしたことはないと思う自分も少しいます。
畜産業の苦労は並大抵のものではないという事は皆さんもご存知だと思います。
あまり難しく考えないボクもこれに関しては少し考えさせられました。
くろくまくんは畜産業の苦しみからの解放が根底にあるのですが我ながらちょっと矛盾を感じています。
ボクが問うのは君はどうして牛飼いになったの?という事です。
牛が飼いたいだけなら従業員さんになればいいじゃないか。大金を稼ぎたいなら他にも色んな道があったろうに。他人に指図されたくなかったから?牛飼いなんてがんじがらめだよ。
君がどうして牛じゃなきゃダメだったのかを聞きたい。我々はその上で考えたいと思います。
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