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飛鳥坐神社<事代主と下照姫(妹神)>

『日本はどのように建国されたのでしょうか?』

日本の建国について理解を深めていけるように、いろいろと情報を集めています。「神武天皇(初代天皇)」の皇后である「媛蹈鞴五十鈴姫」の父である「事代主」を祀る神社を奈良で調べてみました。
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飛鳥坐神社(あすかにますじんじゃ)

 ここは齋藤飛鳥さんが乃木坂46を卒業する際のTV企画で参拝されていました。

 そして、天下の奇祭が行われる神社としても有名です。毎年2月に行われる田植神事「おんだ祭」は西日本三大奇祭の一つとして数えられたり、西日本における【四大性神事】とされたりします。そこでは、夫婦和合の奇祭として天狗とお多福による寸劇があるらしい。

聖徳太子や蘇我馬子などで有名な明日香村の北端にある古社。
御由緒には「御祭神」が四神、書かれています。

◆本社
八重事代主
下照姫命飛鳥神奈備三日女神)(賀夜奈流美乃御魂)
 高照光姫命
 建御名方命

◆中の社
大物主
 素戔嗚尊

◆奥の社
高皇産霊神(造化三神の一柱)
 天照皇大神


下照姫命はその御魂である加夜奈留美命〔かやなるみ〕と共に祀られ、飛鳥神奈備三日女神〔あすかのかんなびみひめ〕の御神名で祀られています。事代主神の妹神です。

本社


中の社(男性と女性のシンボルの形をした「陰陽石」が間に祀られています)


「出雲国造神賀詞」(8世紀)において「事代主の御魂を宇奈堤に坐せ、賀夜奈流美命の御魂を飛鳥の神奈備に坐せて 皇御孫命〔すめみまのみこと〕の近き守神と貢〔たてまつ〕り置きて」とあります。
⇒事代主は、宇奈堤(うなて): 河俣神社(橿原市)に比定
⇒賀夜奈流美は、飛鳥(あすか): 飛鳥坐神社(明日香村)に比定

当初は、妹神である下照姫命賀夜奈流美の御魂)だけが、飛鳥の御山に祀られていたのかもしれませんね。


<ここからの学び>
 残念ながら、この神社の創建年代やその由緒は不詳とされていました。
ただ、大和盆地の南部には「事代主」を始めとして、その妹神である「下照姫」などの出雲系の神様が多く祀られているということが理解できました。  
 
 特に「事代主」は出雲地方で国譲りをした当事者の1人なのに、大和地方の古社で数多く祀られている事実が、好奇心をくすぐります。


【ここまでの記事からの情報まとめ】

「日本の建国」について理解を深めるために、「初代天皇」とされる「神武天皇」やその后となる「媛蹈韛五十鈴媛」やその家系について調べてきました。

 ・「神武天皇」の后「媛蹈韛五十鈴媛」の「父」は出雲系の「事代主」。
 ・「媛蹈韛五十鈴媛」の「母方」は「淀川の有力者(三島溝咋耳)」。
 ・「媛蹈韛五十鈴媛」の「兄」は「三輪山」の祭祀を祀る一族となる。
 ・大和地方の南部は、出雲系の神様を信仰する多くの集団があった。
    ※特に「鴨一族」の拠点が葛城地域にあった。

 記紀(日本書紀や古事記)では、「神武天皇は九州から東征してきた」ことになっています。つまり、「武力で制圧した後に、現地の有力豪族の娘と政略結婚をした」というイメージがありましたが、ここまでの記事で調べていくと「神武天皇」の周囲では、九州勢力がほとんど出てこず、「事代主」の関係者が重用されていました。
 
 ここから、「神武天皇」のモデルとされる「人物」が大和地域の有力者の元に、平和裏に婿として迎えられた「お話」が、「記紀」の「神武東征神話」で「勇ましく脚色を付けて描かれた」と推察します。

 次に、この「日本の建国」の時期について考えていきたいと思います。

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