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合唱指導 子どもを笑わせる方法を考える①

渡辺陸雄 著 「児童期・変声期・成人へとつながる 発声と合唱の指導」

1 はじめに

どんなに“偉い人”の演説でも、だいたい10分くらい続くと飽きてくる。これと同じように、合唱練習の場合でも冗談一つない指導を1時間もされたら、もうとてもたまったものではない。このような練習方法では思うような効果は期待できない。

渡辺陸雄 著 「児童期・変声期・成人へとつながる 発声と合唱の指導」 p249 より引用

こちらの書籍には、「よい指導者は、5分~10分に1回は必ず笑わせる」と書かれています。なぜ笑いが大切かというと、受ける側がリラックスして受け入れ態勢が心の中にできて、はじめて指導者の意図を理解してくれるからだと著者は述べています。

私も笑いは大切だと考えます。笑うことで、授業の雰囲気も良くなれば声を出しやすくなるからです。本記事では、合唱指導中に子供たちをどうやって笑わせるのか(笑顔にさせるのか)考えていきます。

ただ笑わせるといっても、その笑いが合唱指導と繋がっているようなものにする必要がありますよね。授業中に突然脈絡のないモノマネをしたり、流行のギャグを言ったりしたら、真面目に授業をしてほしいと反感をもたれてしまうかもしれません。合唱指導の延長線上で笑いをとる方法を考えていきます。

笑いの大切さはわかったけど・・私には笑いのセンスがありません笑。そこで、今回は、YouTubeで「うえたく先生」と検索すると出てくる「みんなで歌おう♪楽しい童謡コーラス」と、平野 夏紀【教育百貨店チャンネル】の↓の動画や、合唱指導について書かれた書籍を参考にしています。

※主な参考書籍
「子どもが動く音楽授業づくり」篠原秀夫 著
「たのしさ発見!音楽授業のネタ&コツ 100」八木正一 編著

2 合唱指導中に笑わせる方法① ~予想外の言葉~

T:(合唱後評価する) ただいまの演奏は95点! 
S:おおー!
T:(少し間を置いて)満点まであと905点ですね。1000点満点なので。

T:(クラスの半分に向かって) お手本になって歌ってね。
   (その後もう半分を歌わせて) こっちがお手本だったかな?ととぼける。

T:素敵に歌って➨〇〇(イケメン芸能人)みたいに素敵に歌って
         ➨デヴィ婦人のような上品な声で

T:(明るい表情で歌わせたいな) 明るい表情で歌おう
  ➨お目目をキラキラにして。かわいらしい表情で

T:(難しいフレーズを何度も歌うとき)
  何回か繰り返した後、できなくても宿題が・・増えませんが
  などとつぶやく。

T:(声に元気がないなぁ)
➨さびしいことあった? ふられた? などと声をかける。

3 合唱指導中に笑わせる方法② ~笑顔になる練習方法~

〇同じフレーズをだんだんスピードを落として練習。
➨最後は「ぼお~~くう~~た~」のようにスローモーションで歌う

〇歌詞のある部分でストップする練習。
➨ストップできない人も多いが、それが逆に面白い。(個人への攻撃は×)

〇音程を手で示して練習。
➨わざと手を変な動きにして、駄目な例を示すと笑いが起きやすい。

〇隣の人と声を合わせる意識を持たせる。
➨お隣さん息してる? などと極端なことを言いつつも隣の声に耳を傾けられるように促す。

〇歌詞がはっきりしないとき
➨「お正月」という歌詞を歌ったあと、「え!?お醤油!?」ととぼける。

4 合唱指導中に笑わせる方法③ ~無理やり~

・歌詞に関する絵を真剣にへたくそに描く
・ジャイアンのようにわざと歌う
・変な身振り手振りをしながら、歌う列を指名する
・キャラクターを貼ったペープサートを使用する

5 おわりに

合唱指導において「声を出しやすい雰囲気」をつくることは、非常に重要です。そのために、『笑い』が必要不可欠なのだと思います。ただし、この『笑い』が特定の誰かを傷つけるようなものになってはならないですよね。みんなが傷つかない笑いを上手に授業で活用できるようにしていきたいです。




 


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