大学の頃、塾講師のアルバイトをしてました。
英語を教えていました。
担当したのは、個別に4人、小学生の女の子2人と、中学生の男の子と女の子でした。
２０人くらいのクラスも教えていました。

個別に教えていた子は、特に印象に残っています。
小学生の女の子達は、とにかくおとなしかったです。
一生懸命勉強してました。
途中、雑談もするのですが、その子達から話しかけてくることは無いので、こちらが質問をしてコミュニュケーションをとっていました。
何度か教えていくうちに打ち解けてきて。
お出かけに行ったりすると、かわいいお土産を買ってきてくれました。
そういうプレゼントは、その子の好きなものだったりするので、こういうのが好きなんだなーと、その子の個性がわかりましたし、買ってきてくれる気持ちが嬉しかったです。

中学生の女の子からもプレゼントをいただいたのですが、それは食べ物でした。
よく覚えているのが手巻き寿司です。
お店で買った物で、おばあちゃんが先生にって持たせてくれたようです。
その子は、詳しくはわかりませんが、おばあちゃんに育てられているようでした。
とっても活発でおしゃべりな元気な子でした。
授業が脱線してしまうことがあったので、勉強の方に気を向けるように気を配りました。

中学生の男の子は、その町の議員さんの息子さんって聞かされてました。
おとなしい子で。
打ち解けようと思い、好きなことを聞くと、演歌と言いました。
本当に好きなようで、色々な歌手の方や曲を知っていました。
私はわからなかったのですが、その子があまりにも楽しそうで嬉しそうなので、私までウキウキしました。

何ヶ月かした頃、私は卒論に忙しくなり、辞める事にしました。
けど、生徒達が気になったので、友達に引き継いでくれるようにお願いしました。
快く受けてくれたので、心配なく辞めることができました。

辞めて1ヶ月した頃でしょうか、塾から連絡がきて。
女の子の生徒達が戻ってきて欲しいというので、戻ってきてくれませんかと。
塾も新しく教室を広げるので、就職しませんか？と。
とても嬉しかったのを覚えています。
けど、戻ることはしませんでした。
友達が一生懸命に教えてくれていましたし、塾に就職は考えていませんでした。

その後は、その塾のことも、その子達とも接点がなくなったので、今は全くわかりません。

ふと思い出して、塾を検索してみましたが、塾の名前も忘れてしまって。
ここかなって塾も見当たりませんでした。
30年も前の話ですから。


旦那さんも息子達もその頃の私の事は全く知らないんですよね、当たり前なんですけど。
私が、塾講師をして、こんなエピソードを持ってるなんて、全く想像できないんじゃないかと思うんです。

その頃の私は、未来を想像することなんてできませんでした。
想像できなかった未来が、今ここにあるんですよね。
未来なんか心配しなくて良かったんだなと思います。
経験を重ねた分、生きやすくなってます。

もしも、未来を心配する方がいるとしたら、心配はいらないんじゃないかと思うんです。
未来もどうにかなってます。
案外、楽しくやれてます。

私が教えていた生徒達の未来もとても幸せなんじゃないかと思います。
感謝の気持ちが溢れます。