腸内細菌「善玉菌」という幻想に惑わされる

腸内細菌を2週間勉強しまくった。
4冊の腸関連の医師が書いた本読んで、腸内細菌のサプリメント販売会社が書いた記事も読みあさった。

結果からいうと、腸活は絶対に必要。メリット尽くしだから。
しかし、善玉菌を増やすことに注力しすぎると足元をすくわれ、無駄なお金と時間を割くことになるので注意が必要。

腸内にはそれはそれはたくさんの腸内細菌が住み着いているわけで、
僕ら人間は腸内細菌がいるおかげで、健康を保てているわけ。
具体的には
・栄養吸収のサポート
・腸内細菌によるビタミンやホルモンの生産
・感染症、食中毒を起こさないための免疫、戦いの場…

そもそも腸ってすごいんだよね。
俺らって受精して胚になった時、腸(肛門)からできるんだもんな。
という、腸のすばらしさ、機能について書くと長くなるので、腸内細菌にだけ的を絞ると(-_-;)

腸内細菌って善玉菌と悪玉菌と日和見菌というやつらに分けることができて
それらが2:1:7の割合でいるのね、このバランスをどうとっていくかが大切なんだよね。

複数の本読んでの共通点は
「悪玉菌は増やしたり、活性化してはいけないこと」
悪玉菌は無酸素状態のときに有害なアンモニアやインドールなどを発生させて炎症や腐敗を腸内で起こす奴らを言います。ウエルシュ菌や黄色ブドウ球菌、大腸菌など。
こいつらが増える原因はもうはっきりしてる
簡単に言うと「欧米食」肉や高脂肪食、低食物繊維。あとは添加物過多。
運動不足、睡眠不足とかだよね。
あと、鉄もすごい増える。
よく母乳に含まれる「ラクトフェリン」が腸内にいいよ
言われる所以も、悪玉菌が喜ぶ鉄を吸収し、増やさないから
というのが機序なわけだから。

これらは簡単に健康を害するって感覚的にもわかるし、避ければいいなって思うよね。


問題は善玉菌をどうするか?だよね
増やしたらええやん!って思うよね。けど、簡単には増えないんよ。

なんでかって、人間生まれてから5歳くらいの間に腸内に住み着く菌って決まっちゃうから。
だから、前にマツコ・デラックスが1日にドラム缶いっぱいくらいのヨーグルト食べたけど、体調変わらなかったって言っていたけど、本当にそうで、

例えば
善玉菌増やすといえば!のヨーグルトを例にしても
まず、胃酸によって8割の菌は死んでしまうのね、んで乳酸菌やビフィズス菌が住んでるのって大腸という、体の栄養吸収の最深部にある部位なの。
そこに到達するまでにたくさんの免疫細胞や栄養吸収や化学反応を避けてたどり着かないといけないので、ほぼ死骸で大腸に送られるわけよ。

確かに、死骸でも今いる腸内細菌を活性化するから意味はあるというけど、BIOとかビヒダスって高くない?
❝死骸ちょっと大腸まで送れてこの値段かぁ❞ってなるよね。

生きて届く!とか言ってますけど、腸の粘膜にはすでに居住者(既にいた腸内細菌)がぎっしりで座れる席がないアリーナみたいになっているわけ。
そんなところに「数匹がお邪魔しま~す」って外部から来たぽっと出の菌が住み着けるわけないじゃん(´;ω;`)

本にも書かれていたけど、
重度の下痢したことあるじゃん?人間だれしも。あの水がバシャーって出るみたいな下痢。
ああいう時でも今まで住んでいた腸内細菌って遺伝子的に守られているらしく、粘膜の最深部まで潜って流されないように体が守ってくれるらしいの。
「今まで住んでた菌だって元をたどれば部外者の菌なのにね!不思議!」

まあ、そういう過酷な条件でも席を譲らない相手を外部からどうこうするってのははっきり言って無理。
だから生きたまま送ろうとするプロバイオティクスはあきらめよう。

だとしたら、今いる善玉菌が増えるような環境を整えてあげよう!
というのがプレバイオティクスの考え。プレ!ね( ´∀` )

そしたら、食物繊維(水溶性と不溶性)とって、善玉菌の餌のオリゴ糖とればいいですよ。って話。
どっちもフルーツとか野菜に含まれていますので、

菜食を心がけてくださればもうやれることないです。

これが一番なんですよ。
ウンチを作るためのカサ増し、材料にもなるし、善玉菌も増えるんだから。


そうはいっても本当に善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)を増やすことって体にいいのかな?

乳酸菌によって食道がんや胃がんが増えることが最近の研究で分かったみたい。
機序はこうだ
胃酸が多く食道まで逆流してくる病気「胃食道逆流症」の患者さんには胃酸を抑えるお薬が出ます。
そうなると胃内のPhが下がり、乳酸菌が住み始めます。
乳酸菌が乳酸を賛成することで、胃の中に酸がまた生成され、胃食道逆流症は悪化するだけではなく、住み着いた乳酸のせいで遺伝子異常を発生させるのでがんのリスクが上がるとのこと。

酪酸(らくさん)は大腸がんでは細胞を老化させて腫瘍の発症を加速させると2021年大阪大学、京都大学、慶応大学、がん研究所有明病院から発表されてます。
酪酸は酪酸菌が作る有機酸です。酪酸は主に大腸の終末部分に多く住んでいる菌です。
酪酸が多くなるということは、酪酸菌が多いということ、
酪酸菌が多いということは餌となる乳酸が多いということ。
乳酸が多いということはそれを作る乳酸菌やビフィズス菌が大腸に多いということになるわけで。。。



乳酸菌は善玉菌で体にいい!
昔の本にはそう書かれていることが多いけど、今は一概にそうとは限らないみたい。
研究がされてない昔は腸内細菌は100種類100兆個しか菌が見つけられていなかったから乳酸菌がいい!ってなっていたけど、
今って1000種類1000兆個以上の菌がいることが判明してて、そのほとんどが
「土壌菌」ってことがわかっているんだって。

あと、そもそも日本人はほかの国と比べて善玉菌であるビフィズス菌が10倍も多い。なのにクローン病も潰瘍性大腸炎も右肩上がり。
どんだけ善玉菌が関係ないかがわかってくるよね。

長々書いてきたけど、
結論「病原性細菌以外の様々な菌が育つ環境が胃腸にとって良い状態」
ということ。

さっき出てきた土壌菌に含まれる【枯草菌(こそうきん)=納豆菌】は小腸に多く住んでいる菌で酸素や胃酸、熱にも強く、増殖力も強いのに、他の菌との共存力もよい。
善玉、悪玉にカテゴライズされてない腸内細菌の7割を占める土壌菌の可能性に今後期待が高まる。



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