back numberに救われる~時を越えて助けに来た「スーパースター」の「MAGIC」なお話~

突然ですが皆さんは、ロッキンの「音楽文」という音楽文投稿サイトをご存じでしょうか。
今はもうサービスを終了していて読むことができなくなってしまった音楽文。
実は私は「なないろひよこ」という名前で音楽文を投稿していました。
当時投稿した中で、個人的に特にお気に入りがありまして、また読んでもらえるようにしたいな、読んでもらえたら嬉しいなと思っていた音楽文を今回は改めてここに残したいと思います。

※この音楽文は2020年5月15日に掲載されたものです。我らが小島和也様のお誕生日前日です。かずやのまつり前夜祭、めでたいわっしょい。
※一部加筆修正しています。

以下本文です。
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back numberについて話したいことならいっぱいある。
伝えたいことが多すぎて、うまくまとまらないのだけれど、今回は、ある2つの歌に焦点を当てて書いてみようと思う。

6枚目のオリジナルアルバムである「MAGIC」に収録されている「あかるいよるに」。
私はこの歌をはじめて聴いたとき、胸に込み上げてくるあたたかい感情とともに、ある歌が頭の中を駆け巡った。
それは、back numberにとって2枚目のオリジナルアルバムである「スーパースター」と、3枚目のシングル「思い出せなくなるその日まで」に収録されている「ミスターパーフェクト」だった。

"ありがとう さようなら 今までのいびつな僕よ"(ミスターパーフェクト)


私は、自分に対してコンプレックスが多くて、自信がない。
だからこそ、この歌の主人公と自分を重ね合わせてよくこの曲を聴く。

”僕はこんなものになりたかったのか ここには誰一人 自分さえいないのに(ミスターパーフェクト)”


だが、この歌の主人公は最後、自分にとっていらないと思うものを捨てすぎて、大切な人や、自分そのものを失ってしまうという結末を迎えている。
この歌はいつも、私に自分を見つめ直すきっかけをくれる。コンプレックスだと思っていることは、本当に自分にとって必要のないことなのだろうか。なんでもかんでも切り捨てていけば、完璧な人間になれるのだろうか。本当に大切なことはなんだろうか。
そんなことを考えさせてくれる大切な歌だ。
でも、この歌を聴き終わると、いつも私の頭の中には、この歌の主人公がぽつりと一人佇んでいる。いろんなものを捨てすぎて、その顔はまるでのっぺらぼうで、サイボーグみたいになった悲しげな主人公がいる。
その姿が、自分のことがよく嫌になってしまう私自身とも重なって、余計に胸が苦しくなる。

この歌の主人公を、なんとか助けられないだろうか。

そんな感情だったのかもしれない。
だから、「あかるいよるに」を初めて聴いたとき、「ミスターパーフェクト」が頭をよぎったのだろう。

”色見も形も人と違ったっていいんだよ”

”リズムも匂いも 誰と似ていたっていいんだよ”

”だからもうどこにも行かないでね 私も離さないようにするから”(あかるいよるに)


救われた。

そこには、悲しそうに一人泣いている「ミスターパーフェクト」の主人公のことを、優しい笑顔の「あかるいよるに」の主人公が抱きしめている光景が思い浮かんだ。

ありがとう。
助けてくれてありがとう。

歌の主人公のことも、私自身のことも、救ってくれてありがとう。

「あかるいよるに」の歌詞のすべてが、「ミスターパーフェクト」の主人公との対話のように感じた。
こんなことを考えたのは、私だけじゃないかもしれない。
けれど、こんな”魔法の話”に気づけた自分のことを、今までよりも少しだけ好きになれそうだ。

今でも、私の心の中には「ミスターパーフェクト」の主人公が生まれる。職場でミスをしたとき、まわりに迷惑をたくさんかけてしまったとき、自分のことがすごく嫌になる。思い通りにならない自分から、逃げ出したくなる瞬間がいっぱいある。こんな自分じゃなければいいのにって思ってしまうことがある。
そんな時は、「あかるいよるに」の力を借りて、自分を助けに行く。「あかるいよるに」の主人公になって、心の中で一人泣いている自分を助けに行く。そのたびに目の前に浮かび上がるのは、ふたつの歌の主人公が巡り会った、あの日の情景だ。

ふたつの歌の主人公が、これからも仲良くなっていきますように。
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以上、当時投稿した音楽文でした。
もう3年以上前になるんですね。。
ミスターパーフェクトとあかるいよるには、私の心の中で大親友になりました。
仲良くしてくれてありがとう。
二人が手を取り合ってくれるおかげで、私はたくさん救われています。
これからもどうぞよろしくね。


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