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楽しい事ばかりじゃないな|先進国?途上国?|インパクト投資奮闘記7-8週目

久しぶりのnoteになってしまった…やっと仕事納めしたので振り返りつつ。

少しずつ目新しいことが減ってきて、文字に残すことの優先順位が下がりがちだけど、、レッツゴー!

インパクト投資を仕事にするまで気付かなかったしんどさ


前回の記事で書いたものとはまた別のファンドの投資分野業界分析のタスクをもらった。
目的に適った投資先を見つけてくるために業界を知ること、鍵となる指標を知ったりすることが目的。
インパクト投資なので、ファンドのターゲットとする社会課題とその課題のために働いている組織(潜在的な投資先)について調べる。

ただのリサーチ業務なんだけど、、社会課題について調べる仕事、課題に向き合うことを避けられず、かなり精神的にしんどいなぁと感じた。
(ファンドの仕事ってなに?って方のために最後に少し解説あり)

だってイギリスの社会課題、根が深いし、規模も想像以上。
例えばロンドンに住む子どもの37パーセントは貧困状態にある。どんな状況で暮らしてるかを調べていけばいくほど、心が痛む。
貧困の理由としてはロンドンは住宅価格が高騰し(ソーシャルハウジングと言って国の支援制度もあるんだけど、そこも問題が山積)、親世代がいい仕事につけない、子育て支援が薄すぎる(2歳の娘がいる私もこれは痛感)など。
東京出身の私の感覚からするとじゃあコストの低い田舎に引っ越せば?って感じだけど、英国人に聞くとそれは選択肢ではないようだ。そもそも田舎にはもっと仕事がないし、この状況に陥っている人の多くがマイノリティなので、ロンドンを離れると差別の対象になりがち。コミュニティがない。

私は英国5年目だけど、最初の2年は駐在員コミュニティで生活がほぼ完結していて現地の社会課題に触れる機会はあまりなかったし、
数年空いて移住するつもりで帰ってきた時には、ロックダウンと妊娠出産で自分のことで精一杯。
英国は大変なことも多いけど私にとっては日本より住みやすい国だから、とポジティブなイメージで暮らしてきた

仕事で社会課題について知れば知るほど、自分がいかにロンドンの華やかな側面しか知らずにポジティブな印象を持っていたか気付かされる
合計4回家探ししてるけど、住む場所を選ぶときも結局治安の”良いエリア”であることを重視して選んできているので、37%もいる貧困状態の子どもとは、私は多分まだ関わったことがない。

子どもの貧困以外にも、ドラッグの蔓延や、老人ホームの数不足/経営難など、知れば知るほど暗い気持ちになる情報が多い。
永住するつもりで来ているし、知ることが業務のうちなのは有難い状態ではあるが、インパクト投資業務の一部はこうやって社会の苦しい側面に目を向け、その課題に真摯に向き合う組織を探すことなのだと、この仕事に就くまでは気づかなかった。

(実際に苦しい環境で暮らしている人がいる中、温かいオフィスで情報を知るだけでしんどいってほざくなんて、私はなんと皮肉なことを…とも思う)


ファンドの仕事って?

ーーー気にしない方、既知の方、次の題目まで飛ばしてくださいーーー

今回は(例えば)ホームレスシェルターとかソーシャルハウジングのための投資をするファンド(お金を集めて投資するプロジェクト)を立ち上げます!1件の投資あたり6000万円-1.5億円規模で、投資してくれた人にとってのリターン率とリスクのイメージはこのくらいです。総額xx億円規模のファンドにするので、この目的のために投資したい投資家を集めます!

っていうかんじで目的とかリターン率に合わせて立ち上げるもの。
nisaで投資する時に、途上国のハイリスクハイリターンを選ぶか、米国株連動型の安定思考を選ぶか、って選択肢があるじゃない?その選択肢を増やしてるイメージ。(厳密には投資信託と弊社のエクイティファンドは違うけど、イメージの話)

ファンドを立ち上げに伴う具体的な仕事内容としては、
1. ファンドの目的とか金額とかを決めて、
2. そのファンドなら投資したいと思ってくれる投資家を見つけて
3.目的に適った投資先団体を見つけてきて投資する。

という感じ。今回は3のリサーチをしてました。


インパクト投資ー途上国支援?自分の住む先進国?


今回はインパクト投資を途上国支援と、国内支援という大雑把な切り口で分けて、思っていることを残したい。この世界のキャリアを考える上で大事そうだから。
インパクト投資と言われて、どんな対象先を思い浮かべますか?
途上国でのマイクロファイナンス団体への投資などをイメージする人と、(国内)地域の障がい者支援団体などをイメージする人がいると思う。

肌感覚的には、大手金融機関や国連系の機関は前者の途上国を対象としたインパクト投資に大きなお金を流していて、
一方で今日本で推進されようとしていたり、わたしが携わっているのは、先進国の身の回りの社会課題に関わるインパクト投資な気がする。

私は今回のキャリアチェンジで後者の国内支援を選んだ。それは、途上国が対象となると出張が避けられないことが大きい。小さい子どもを持つ私にはあまり魅力的でなかった。
加えて、わたしは英国に移住するつもりでやってきたし、もっと英国社会について知りたいから。

ちなみに、私は途上国支援がきっかけでボランティア活動などを始めたし、バックパックも好きだし、途上国を訪れる事はむしろ大好き。
自分が途上国でのキャリアとそうでない選択肢の中で後者を選ぶ日が来るなんて思わなかったけど、人生って不思議なものだ。

独断と偏見だけど、多分大手金融機関で途上国にお金を流していた方が給料高そう。金融機関の水準のお給料がもらえるから。異論是非教えてください!私も知りたいです!!!笑

GIFファンドのクリスマスパーティ


メンバーは30代半ばがメイン。3つの会社合同プロジェクト。
ロンドンから電車で2時間の距離に住むDirectorの1人が「私はこの日はロンドン に泊まっていくつもり!その位のfun night を期待してて!」と事前に言ってくれたことが皆んなの期待値を爆上げしていた気がする。
結果、17時から始まった会は4次会まで行って、24時をすぎてもみんなで踊って楽しい夜になった。
レストランはホームレスの方にレストランで働くトレーニングと就労機会を提供してるチャリティーで、飲んだビールも同様のブルワリーのもの。ロンドンって探せばチャリティー経営のサービス業もあって、いいなぁと思った。

私の知る限りインパクト投資の世界ってロンドンでもニッチだし、強い思いがある人が多い(多少給料は妥協してでも入ってくる人が多い)ので、同じミッションを共有しているという一体感が醸成されやすい気がする。

2件目に移る時に撮ったツリー


ロンドン稲門会


5年ぶりに早稲田のOBOG会に参加した。学部生の子から、在英30年の先輩まで。
学部生の子と話すのは特に緊張した…うざい先輩にはなりたくないし、それなりに私のアドバイスもあるし、相手の話も聞いてみたい。
私の頃は学生団体とか流行ってたって言ったら、今はあまりきかない様子。というかコロナでこもってました!!って言われた。

中だるみ?健康第一


3ヶ月目にもなると劇的に新しいことは減っていくのと、12月なので皆んな休暇に入るモードで新しい仕事がもらえなかった。
重ねて私は2回、娘は1回風邪を引いて、なかなかのハードモード。体調が悪いと仕事は最低限になってしまう。


変わらずの長文にお付き合いいただきありがとうございました。
溜まってる分書かなきゃな。

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