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投資会議など〜休暇モードの会社|インパクト投資奮闘記9-10週目

こんにちは、ロンドンでインパクト投資業界に今年の10月から飛び込んだ城守です。

ヨーロッパは12月半ばから多くの人が休みをとって稼働しなくなるので、この週がほぼ最後の勤務週。

投資判断をする月1の会議で発言してみた


新卒社会人みたいな感想で恥ずかしいが、改めて内容が理解できる会議は極力勇気を持って発言するように意識した。

例えば融資チームの月次投資委員会。過去に融資した先の会社の経営状態が悪化していて、引き上げるか、経営再建を一緒にやるかみたいな話があったを(超簡素化している)
いわゆる商業銀行で融資の経験がある人は、その場で私しかいなかった。上司たちはソーシャルインベストメントが長かったり、投資銀行やコンサルから来た人が多かった。

多分私一番若手だし会社入って2ヶ月だしこの会議出るの2回目だし担当者でもないけど…という自分を宥めつつ、「商業銀行だったら迷うことなくxxという判断になると思う。今の勤務先だからyyのアングルをより重視して考えて、私の意見は…」と発言。

周りは、なるほどね、という感じで優しく見守ってくれた。

やったーーーーー!

まずは大きな会議で初めてadd valueできたことで、小さな前進。
色々反省もあるしこんなことで喜んでも仕方ないけど。

これまでの銀行と比べて


そういえばこれまで勤めた銀行では審査部と営業部(融資の承認をもらいにいく側)が別れていたけど、今の会社は小さいので(所謂ノンバンクだから?)、ある程度の金額規模までの融資判断についてはチームで話し合って行っている。(エクイティチームは別のプロセスあり)。


新卒の銀行にいた時、わたしは特に融資判断について発言することは怯えがちだった。
日本の大企業で働いたことのある人ならイメージしてもらてるかな…と思いながら恥を晒すと、自分よりシニアで融資の経験を10-20年積んだ人がたくさんいたし、そんな投資できるかスレスレの案件はあまり触れなかった気がするし、そもそも審査する側ではなくされる側だったこともあり、投資判断の会議の間に頭を回転させて発言しなきゃ!と思うことが少なかった。
というより審査部との会議に参加する時点で(厳密には会議ではなく個別に電話会議したりで承認降りることもあった)既に融資できそうな会社や案件を選んできていて、それが問題ないと言うロジックがちがちペーパーを上司と準備していたから、準備したものを披露する感覚

これまでの銀行と今の勤務先を比べて比べて良い悪いではなく、まず扱ってる案件のリスクが桁違いだし、意思決定のプロセスも違うし、やはり大手と言われる銀行はちゃんとしてた。だから社会人1ー4年目とかで下っ端の私がヤンヤヤンヤ言って投資判断がひっくり返るような世界には見えなかった。
新卒の銀行同期で今も審査部や営業部で頑張ってる子たちは難しい案件も担当していろんな議論をしているのかもしれない。(キャッチアップさせて!)
きな会議で自分の意見を発言することで、私の中でいろんな遠慮が消えてきたように思う。
半年しかいない新人ちゃんから、チームの一員という感覚がより湧いてきた。

coffee chat 共通の話題みつけた

もう今年も終わりなのにネットワーキングを頑張れていないことを反省。
5年ぶりに会う同僚含め4人の社外の方と直接ランチしたりお茶させてもらった。

お茶を頼むのは勇気がいる。自分がどこまで相手にとって有益な情報を提供できるかわからないから。
でもやってみて思ったのは

自分のことを聞かれて嫌な人はあまりいない(まして、お茶を応諾してくれてるなら尚更)

・同じインパクト界隈であれば私の参加してるプログラムは有名なようで、話聞いてみたかったの!と言われたりした。

インパクト投資はそれなりにニッチなので、共通点が見つけられることも多い。
まずこの業界に新卒で入る人は今ほぼいないので、どうやって入り込んだ?やっぱコネ?大変だったよね?笑 は一通り盛り上がるネタ。

あと意外だったのは学生時代に社会的企業を立ち上げた経験のある人が多い。
前職まで8年弱銀行勤めしてた時はあまりそう言う人には会わなかったが、この2ヶ月で4人会った。あなたも!?わー!何が大変だった!?だよねだよね、でまた一通り盛り上がれる。

ま、インパクト投資ってそう言う人たちが集まりやすい分野でしょって言われたらそれまでなんですが。

インパクト投資業界のDEI

DEI=Diversity, Equity and Inclusion
壮大なテーマをここで語るには足りないし勉強不足なんだけど思い出したので一言。

BSCのトレーニングで、インパクト投資業界で働く人は、そうでない人(定義失念…)より7-8倍の確率でOxbridge卒(オクスフォード大とケンブリッジ大。英国では誰もが認める最高峰2校)だというデータがあるそうだ。Oxbridge卒なんて、恵まれた家庭環境である人も多い。

今こちらのインパクト投資の世界では、社会課題を真に理解した元当事者が投資判断に係るべきだとの考えが広まっているから、
lived experience(※)のある人の割合が重視されている。
(※障害を持つ、貧困家庭出身など社会課題に分類される難しさの当事者経験)
感覚的には日本で女性役員比率が重視されてるのと同じ感じ。

Oxbridgeが多いかはわからないけど、英国のインパクト投資業界は投資銀行でバリバリ稼いだ人がやりがいを求めて転職してくるケースが一番王道の業界への入り口なので、環境に恵まれてきた人が多いことは間違いないと思う。
業界としてこれからどうなっていくんだろう。

私は定義上、アジア人(BAME)の女性で、Oxbridge卒ではない(笑)ので白人男性oxbridge卒よりはDEIに貢献しているが、
恵まれた環境で育ってきた(自分の意思で移住まで…)と思うので、自分でインパクト投資のキャリアを目指しながら、皮肉だなと感じたりもする

例えばロンドンで生まれ育って貧困の経験がある黒人女性と、私と。比べた時に、私が英国の国内インパクト投資の世界でよりadd valueできることは何なのだろう。

答えのあるものではないし、だからと言って英国でインパクト投資のキャリアを目指すべきではないとも思わないけど。
スキルを身につけ勉強することはできるし、外国人としてロンドンで子育てをする視点は例えば私の一つのユニークネスかもしれない。私のインパクト投資へのパッションは大きく、そこから生まれるエネルギーもある。
ただ、私はlived experienceのないただの外国人だという事実は若干のもやっとポイントなので書き残しておこうと思った。
そんなこと言っても背景は変えられないし、恵まれた環境に感謝して頑張るのみかな。

(そういえば学部時代に米国でマイクロファイナンスを学んだとき、クラスメイトはラテンアメリカやアフリカ出身の学生が多く祖国で何ができるかを考えていた。日本出身の私、日本で頑張るミュージックセキュリティズ等は知っていたが、同級生みたいに自分ごとにしきれない歯痒さを強く感じてもやっていたことを思い出した。10年経って同じことを感じている)


さて、また書き過ぎてしまったのでこの辺りで。

いつにも増して雑感が多いのは、クリスマスムードで新しい仕事があまりないため。

ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
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よいお年を。


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