本屋の息子が電子書籍と製本業について真剣に考えてみた


どうも、ガジェットミュージシャンの克樹です。

前々から導入しようと思っていたipadを遂に手に入れました!

ついでにワイヤレスキーボードも買ってパソコンの半分位の作業を担うまでになりました。

というのもApple pencilに大きな可能性を感じていたからです。譜面書くだけでなくデザインのラフ(セミプロ技術の人であればそのまま納品も充分に可能なレベルの質感です)やiPhoneだとやりずらいけど、パソコン出すにはちょっと面倒な作業など日頃から感じてる微妙なストレスを全て解消してくれるような気がしていたから。

結論から言うと満足度120%(当社比)です。
思惑通り丁度パソコンとiPhoneの間の動きをしてくれるこのツールは私の仕事に革命をもたらしました。先日Buzz proというシンガーイベントでの演奏の現場で早速ipad譜面を導入しましたが、非常に使いやすかったです。またレッスンでも体験レッスン時にレベルに合わせた譜面を予めストックの中から引き出せたり、生徒さんが譜面を忘れてきてしまった時などに代用するという事も出来るようになりました。

まさに痒いところに手が届くツールです。

そして少し前からKindleで本を買う機会が増えました。これは別にiPhoneでも特に問題もなく使用出来ていたのでipadに限った事ではありませんが、電子書籍は僕のようなずぼら人間からすると今後はスタンダードになっていくのだろうなと感じました。

ネックとしては値段がまだまだ非常に高いので電子書籍で購入するかは中古商品を検索した時の値段で決めています。これが解決されたらもう紙の書籍を買う事が殆どなくなるかも知れません

メリットをとしては

・本屋さんに行かないでいい、瞬時にダウンロードして読める
・新品でもポイントがついたりセールで半額で買えたりする事がある
・荷物の積載量が減る
・ブックマークや辞書機能との連動が使いやすい
・メモや部分的にブクマが出来る(消すのも簡単)
・読み進めた部分をロードしてくれる(栞が要らない)

といったところでしょうか。普段からギターや撮影機材を持ち歩いてる僕としては荷物の量が減るというのはたかが200g程度だったとしても非常に有難いです。

マーケティングの本などは人気書籍ですと値段が下がりずらいの現状です。またサイズが大きくページ数も多いので、持ち運びには不向きだったりします。
幻冬舎から出ているゆうこすさんの書籍面白いですよ。


そして声を大にして言いにくいですが、amazonのアカウントを共有すれば購入した製品を別のiPhoneやiPadで閲覧する事が可能です。
その際に同じ本を読んでたりすると最後に閉じたページも同期されてしまうので、そこだけ注意したいところ。

テキストレイアウトにはなりますが、自由に書き込みが可能なのも特徴です。本を極力汚したくない僕にとってはこれも嬉しい機能。

そして先日Kindleも勢い付いて買ってしまいました、ビバデジタル!

カバーも買っちゃった、分かりにくいけど僕が好きな紫色

またまた結論から言うと満足度120%(当社比)
ポイントとしては

・Kindle本体が軽い
・Kindle unlimitedによって月額制で本が読める
・バックライト機能がついてる(製品による)ので暗い部屋でも読める
・余計な機能が付いてないので集中して本を読める→これ重要!

図面が入るような書籍の場合ipadのような大型のディスプレイがいいですが、文字だけであれば丁度いい大きさです。
まさに文庫本を読んでいるのと変わらない感覚。
楽天のkoboとも迷いましたが、amazon中心で買い物をしているので Kindleにしました。
本体価格からみてもお得です、まあ中古で買ったんですけどね。
本当に時代の進化様々です。そこでふと考えた事がありました。

僕の父親は製本業という本を作る会社を営んでおりました。父の死後は義理の姉が引き継いで今もなお営業を続けています。
製本は簡単に言えば印刷された凄く大きな紙を車程もある断裁機で切って1ページ単位にして、のりでくっつけて最終的に本の形にする仕事です。電子化になるずっと前から業績は悪化し、子供ながらにおとんや会社の心配をしていた事がありました。

こないだググってみたらHPあった、町工場って感じの佇まい。
写真だと分かりにくいですが、実は学校の体育館並みの広さがあります。

幼い頃はよく社長の椅子に座って社員の皆んなの邪魔をしていたのをよく覚えています。こんな僕を可愛がってくれて、大人になった今でもあの人たちがいたから僕はご飯がたべれたし、何不自由のない暮らしをさせて頂いてたんだなと痛感します。自然と僕は小学校の真ん中くらいから本を読むようになりました。

名探偵コナンや金田一少年の事件簿に影響されてアガサクリスティを読んでみたり、母親が買ったソフィーの世界という哲学小説を読んだり、自分でも凄いチョイスだったなと思います。
僕は製本業という仕事も本自体も凄く好きです、これは死ぬまできっと変わらない。
ただ製本の仕事はマジでただのガテン系なのでもう二度とやりたくはありませんけど。

今だから言えるけど、中学三年生の夏休みくらいからバイトさせて貰ってました、時給600円という80年代かな?っていう値段設定で。
でも毎度のように遅刻しまくったし飲み物食べ物も親父から貰えるので、実質僕への甘やかしにしかなってなかった説。

でも実際に電子書籍を利用しだして、既存の本という形はリニアモーターカーのような速度で収束に向かっている気がします。

ネットで大半の情報は手に入る
かさばったり汚れたり壊れたりする
記載されている情報は当時のもののままだから
書籍じゃなくても身近に発信出来るツールが発達したから

違う点もあるけれど、やっぱりCD(音源)と同じような理由な気がする。その中で残るものとは何かを考えてみると

こち亀のコミックを持っている方はお分かりになるかと思いますが、普通の書籍と違い表紙の内側に絵が書いてあったりするんです。
他にも背表紙が並べると絵になっていたり挿絵が実際にある風景を写生したものだったりと風情に溢れています。
しかも同じ集英社の”りぼん”とかにも出た事があるし、マジでやりたい放題の漫画。だが僕はそこが本当に好きだ。
これこそが紙じゃないと表現出来ないアートであったり存在価値なんだろうなと僕は思いました。

因みに廃れないのは写真集とか。
ここでもアイドル産業は強い!

僕の本棚の80%はこち亀で埋め尽くされております。

他にもフォントが独特の小説や変わったレイアウトの漫画など
同一フォーマットにしなくてもいいという点も独自性があるものだと感じました

先日から発表されている Kindle unlimitedは月額制で本が読み放題という驚異的なサービスです。書籍数はまだまだ少ないですが、これからどんどん増えていく事でしょう。なんなら自費出版をここから出せば大幅に経費を抑える事が出来るので、新たな間口が広がったとも思えます。
出版業界もストリーミングの動きにシフトしつつあるという事は、遠くない未来に著作権ビジネスというもの自体ひっくり返るかも知れません。
中身の価値で買うのではなく、その製品にあるストーリーを含めて買う動きになると思いました。
サインが入ってるとか、お店の人と対話をしたからとか、SNSでその人のフォロワーになったからとか。

キングコングの西野さんが「注釈を残した本を売ってみよう」という試みを行っておりました、これも付加価値付けだと思います。
発信力の強いインフルエンサーがそうやって本に更に気付きを付与する事でより高い価値が生まれますし、本そのものも有名になります。

だから僕は”本の良いところをもったハイブリットな何か”に進化するべきではないか?と思いました。
その何かって全然イメージ出来てないですけど。強いて言うなら電子タバコみたいなイメージ。

製本業って機械化が出来てますけど職人さんがいないと全然どうにもならないんですよね。紙の材質や本のサイズ毎に対応変わるし、直ぐ機械詰まって壊れるし。そしてヒューマンミスがめちゃくちゃ多い。背表紙逆につけちゃったり、紙を切る位置間違えて全部やり直しになったり。機械が3つから4つ位で一冊の本になるんですけど、それに関わる人数が多いと10人位になります、これでも少なくなった方。

だから人件費もめちゃくちゃかかるし、ミスで余計なお金がかかったり納期がずれたりもします。
しかもここから新しく出版社が立ち上げる事は皆無に近いのでキャッシュフローが全然入ってこない。

何かここはバンドと似てるな。。オワコンだからといっても諦めずに製本業に育てて貰ったからこそずっと残って欲しいし恩返しもしたい。
これは完全なる独りよがりなのは理解しています、でも僕は好きな事を沢山やって生きていきたいから。

月並み案としては電子書籍で売れたものから書籍化するとか
個人や同人誌向けに最小ロット数でも対応するとか
香り付きとか物語に沿った音楽がDL出来るQRコードが付いてるとか
SNSで活動してる作家を集めた電子フリーペーパーサービスを展開するとか。

まあ出版社と連携取れないとどうしようもないんですけど、今の時代に製本業だからっていって何もアイディア出さなきゃ何にもならないですしね。

というわけで何か入り用があれば松本紙工にお問い合わせ下さい。僕は働いてないので一切対応出来ないですけど。
爆発的に何か改善出来なくてもいいから、会社の未来がちょっとだけでも明るくなるようなアイディアを探していきたいなと思いました。


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