「好きなように決めてもらう」のは本当の優しさなのか

人生は数々の選択ですべて成り立っている。転職や結婚、家の購入といった大きな選択によるのはもちろんのこと、

「休日はどこに行こうかな〜」
「仕事終わったら何をしようかな〜」
「夜ごはんは何を食べようかな〜」

こういった小さな選択が、わたしたちの日常を形づくっている。

「じぶんのこと」を1人で決めるのは自由だ

上記に挙げたような例は、(じぶんが独り身であれば)決めるのは自由だ。

「休日は夏服を買いに出かけるか」
「仕事終わったら溜めていた本を読もう」
「夜ごはんはお寿司を食べようかな」

自分のしたいように、気分のままに選択できる。なんなら直前に変えることだってできる。

なぜならそこには「責任」というものがない。

服を買いに行ったけど、いいものが見つからなかった。本を読んだけど、内容がイマイチだった。お寿司を買ったものの、テレビでお肉を見てお肉が食べたくなってしまった。

こんなことがあったとしても、誰もあなたを責める人はいない。「まあいっか、また次に違うことをしよう」と思えばそれで終わり。


「誰かと何かを決める」のはたやすいものではない

しかしこれが「誰かと一緒に」となると少し話が違ってくる。

例えば友だちと旅行に行くとき。

何時に出発するか、どうやって現地まで行くか、どこでご飯を食べるか、どこに泊まるか……決めなければいけないことは山ほどある。

おそらく多くの人は、グループLINEなんかで話し合うときに「わたしは何でもいいよ」という気持ちを抱いてしまう。

こんなとき率先して決めてくれる、予約をしてくれる友だちがいるとすごく助かるという人は多いのではないだろうか。

色んな選択肢の中から、色んな点を考慮して1つに決めるというのはたやすいものではない。比較検討し、周りの人たちのことを考えて最善の選択肢を出す。少なからず相手の気持ちをよく考えたりする人は、何かしらの消耗をする。

まして決めたからには責任感のようなものが伴ってしまう。だがもし自分が決定者にならなければ、何か失敗したときに責任のようなものは感じにくくなるのだ。

これらの理由からついつい「何でもいいよ」と言って、決断することから逃げてしまう。


わたしが1人旅が好きなのも、この理由が関係しているのかもしれない。複数人での旅行に比べて、1人旅は気持ちの面ですごく楽なのだ。周りのことは気にせず何もかも自由に決められて、そのときの気分で動ける。直前に気が向かなければプラン変更だって可能。

日常に疲れてふらっと旅したくなるときは、じぶんをリラックスさせたいとき。周りの人の気持ちを推し量って気を遣うのは、リラックスしているとは言えないような気もする。


デートの予定を決めるときの一コマ

例えばちょっと気になる女性とデートをすることになったとき。そこでも決めなければいけないことは山ほど出てくるだろう。

何をするか、いつデートをするか、何時にどこで集まるのか、どこに食事に行くか、、、

こんなとき相手の女性が天真爛漫な感じで「この映画見たかったんだ!」「このレストラン気になってたから行こうよ!」と言ってくれたらすごくありがたいだろう。助かった!とガッツポーズしてしまうかもしれない。そこで「いやいや、俺が完璧に練り上げたプランがあるからそっちに従おう」なんていう人は少ないはずだ。

一方で相手の女性から「何でもいいよ」と丸投げされてしまったら。まして相手は「気になる女性」。自分のチョイスに対して「え…センスない…」なんて思われたら終わりだ。ここでの決定は、これから関係を続けて行くうえでわりと重要である。

女性はときに矛盾しているもので、「何でもいいよ」と言いながら何でも良くはなかったりするし、「これとこれどっちがいいと思う?」と聞いても答えはすでに決まっていたりする。複雑だ。女性である自分がいうのもあれだが、女性の取り扱いはときに難しい。笑


2人で一緒に決めたい!という場合は、相手がよっぽど行きたいところやしたいことがない限り、「どこに行きたい?」と聞くよりも「〇〇に行ってみない?」と提案するかたちがベストだと思う。

気になる相手をデートに誘いたいときは、「どこか行かない?」よりも「〇〇に行ってみない?」という方がデートにこぎつけやすい。What?の質問よりYesかNoの質問の方が答えやすいからだ。ここである程度選択肢を絞って決めるのは重要なのである。


「何でもいいよ」は1番のワガママかもしれない

何かを聞かれて「何でもいいよ」と答えたり、聞かれたことに対して「あなたは何をしたい?」とおうむ返しをしたりするのは、決めることを放棄するという点で1番のワガママなのかもしれない。

一見「好きなようにしていいよ」「あれしたい、これしたいなんてワガママ言わないから」という風に優しさを見せたとしても。そこには「わたしを楽しませて」みたいな気持ちが出ているようにも思う。

めんどくさいことは相手に委ねず、具体的な提案をしよう。多少なり自分の意見を言うことを心がけよう。こうしてお互い伝え合うことが、スムーズな関係を作る上で大切になるのではないだろうか。

本当に相手のことを想うのであれば、「何でもいいよ」で済ませるのではなく、「これとかどう?」と歩み寄ってみよう。

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