陽気なスペインが教えてくれた「今を生きる」本当の意味

Mayu、今を生きろ。今を感じるんだ。


信頼しているスペイン人にこんなことを言われた。長い文章のやりとりの中で「今を生きる」ということを何度も訴えられた。


てっきり自分は今を生きていると思っていた

新卒で入った大企業を辞めて、想いのままにスペインへ渡ってきた。準備なんて特にできてないまま、「今、行かなきゃ」という気持ちで海を渡った。

普通の人が歩むであろう、大学を卒業して就職、結婚、出産、子育てなんていうレールからは完全にはずれてしまった。でも、それでもよかった。自分のやりたいことを貫くためには、そんなことどうでもよかった。

スペインに腰を据えて2年。海外にいながらもSNSのおかげで否応なしに日本の情報は入ってくる。友人が結婚したり、子どもができたり。そんな中でも自分はスペインでやりたいことをやっている、この事実だけをただ見て、「ちゃんと今を生きてるんだ」と安心しきっていた。


勘違いしていることに気づかせてくれた言葉

先日ちょっとしたことである相手に不信感を持ってしまい、そこからずっとわたしの持ち前の笑顔がなくなっていた。

それに気づいていた彼(冒頭の信頼しているスペイン人)は、「最近よくない顔になってるよ」と教えてくれた。

わたしは彼に先日あったこと、わたしが感じたこと、最近思っていることを話してみた。なんとなく共感してわかってくれるんじゃないかと思っていた。

でも彼は違った。

むしろ見ている視点はそんなところになかった。



数日前にあったことがきっかけで、今も不信感を秘めて笑顔をなくしていることが理解できなかったらしい。

こんな言葉をかけてくれた。

「あなたの頭の中にはいつも過去がある。だから今を楽しむことも難しくなってるんだ。
過去の記憶はあなたが今に目を向けることを邪魔する。そうやって過去に邪魔されながら生きていくのは本当に大変だ。
困難に立ち向かい始めて、今を生きるようにすれば、人生は簡単じゃないってことを理解して受け入れていける。人生には良いことも悪いこともあるけど、それは全部あなたの考え方次第なんだ。それがわからなかったら、一生幸せというものにはなれない。
自分の気持ちや感情は常に中間のラインを保っておくんだ。バランスをもって。そうして今を生きる。過去のことは学びにして感謝する。良い未来を迎えるために。
とにかく今を生きろ。感じて、感じて、めちゃくちゃ感じろ今を。」
(原文のスペイン語を翻訳したもの)

メッセージでこの言葉をもらったのだが、何度も読み返した。何度も何度も。深夜1時に。紙にも書いた。忘れないように。

すでに自分は今を生きていると慢心していたから、衝撃が走った。雷に撃たれたような気分だった。

「人生で起きることが良いことか悪いことかは全て自分の考え方次第だ」というのは、自分なりに前々から意識していたことではあった。でもこう改めて言われると、思考の回路をもう一度一から戻って考え直すべきだという危機感さえ感じた。


「今を生きる」の「今」とは何か?

「今を生きる」の「今」っていうのは、わたしにとってすごく長い期間の「今」を想像していた。スペイン生活を送っている「今」のような。

でも実際に目を向けるべきだったのは、1日1日、もはやこうしてnoteを書いている一瞬の時間の「今」だった。言いかえるなら「今この瞬間」だ。


今を生きることで、人生における充実感というのはおのずとやってくると思っていた。でもわたしに足りていなかったのは、今この瞬間に目を向けるためにするべき心の整理だった。

「スペインでやりたいことをやっている」という事実に流されながら、実は心の中では一瞬一瞬の時間を全力で生きぬいてなかった。ちょっとした過去のことやこれからの不安なんかを気にして、今を楽しめずにいた。


「今を生きる」というのは細かな感情レベルだった

心を健康に保つために、嫌なことがあってもすぐに切り替える。今に目を向けるために。

今を生きるということは、好きなことをやることでもなく、自分のやりたいことができる環境に身を移すことでもなく、もっと細かな感情レベルのものだった。

自分の心がいまどこにいるのかに目を向ける。過去のことを考えているのか、未来の何かを想像しているのか。違うところに行ってしまっているなら、今この瞬間に連れてこよう。今に集中するために。


あたりまえだが、あなたが考えていることはあなた自身でコントロールできる。

でも過去のことを一切振り返らないとか、未来のことを一切想定しないというのはかなり難しい。そりゃ人間だから多少はよぎってしまう。ただ気をつけたいのは「ネガティブな感情」に至らないこと。

もしネガティブになると、
「今、過去のことを思い出して落ち込んでいる」
「今、将来のことを考えて不安になっている」

つまり「今この瞬間」に影響を与えてしまう。だからこのような感情に陥ったら、いかに対処するかが大切だ。

落ち込んだら、どうやって早く立ち直るか。不安になったら、どうやって早く切り替えるか。自分はダメだと卑下してしまったら、どうやって早くその思考を止めるか。

この思考の道すじを習慣づけよう。習慣化してしまえば、すぐに「今」に目を向けることができるはずだ。そして今をめいっぱい感じて生きる。そうすると心配なんてしなくても、おのずと素敵な未来はあなたの元にやってくるだろう。


スペインで学べるものはまだまだたくさんある

「自分は今を生きている」と勘違いしてしまっていることに気づかず、このまま時間を重ねて貴重な人生を失っていく寸前だったと考えるとゾッとした。こうして考えさせてくれた彼には感謝しかない。

スペイン人は陽気でいつも楽しそうで、今を生きている。何かケンカするようなことがあっても、すぐにケロッとしている。そんな国民性だ。おそらく日本人とは真逆なんじゃないだろうか。

彼らの「今を生きる」という姿は、決して何も考えていないわけでもなくて。おそらくそれが人生を愛でていく中で一番ベストな考え方だっていうことに気づきながら、小さい頃から無意識に育っているんだろう。

彼らから学ぶべきことは、まだまだたくさんある。

人生を楽しむ達人であるスペイン人に囲まれた「今この瞬間」をめいっぱい生きよう。感じよう。

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