城西腐

グローバルファームのマネジメントと乱れたSEXライフ/読書/グルメ/拡散返し/DQ10…

城西腐

グローバルファームのマネジメントと乱れたSEXライフ/読書/グルメ/拡散返し/DQ10/著書: http://onl.la/Upzz7As

マガジン

  • マンロニキ予備校ジョセクラスのカレー部(仮名)

    • 115本

    マンロニキとジョセとnoteで戯れる集いの場です。

最近の記事

【小説】テクノロジーを語る勿れ【第50話】

 就職祝いの内のそれなりの割を占める価格の英国製の黒いプレーントゥーのシューズを市内のセレクトショップで購入したことに、母は怪訝な表情を浮かべた。そのようなものに資金を費やすくらいであれば、もう少し実用的なものがいくつも揃えられるだろうとでも言いたそうであった。それはそうかも知れない。  就活用に購入して履いていた黒の革靴はシンガポールでのインターン先でも酷使を重ねてくたびれた状態であり、手入れをしながらまだまだ履き続けるにしても就職に向けて新調しておきたいものの一つではあ

    • 【小説】テクノロジーを語る勿れ【第49話】

       いわゆるサービスの範疇で一通りのことを寸でところまで手際良く済ませたユカは、広木の手を引いて身を起こさせながら、今度は自分がベッドの上に仰向けに横たわった。次は上から自分の方にも愛撫を寄越して欲しいと、その気になったユカから促されているのだと見て取る。体も既に十分に反応した状態となっている広木も、もはやこの状況でそれを拒んでいる場合ではないと、それまでのもったい付けたようなリアクションを無かったかのように、ユカの体に上から覆い被さろうとした時、ユカが口を開いた。 「…挿れて

      • 【小説】テクノロジーを語る勿れ【第48話】

         長い髪の毛をヘアピンで後ろで一つにまとめ、シャワーのお湯加減を指先で確かめながら微調整しているユカの姿を後ろから眺めながら、その小慣れた手付きに事務的な所作がうかがえるのはもはや不可避だと思いはするものの、そんなことよりも目の前の裸体に理性を擽られている自分を情けなく思う。  線の細いユカの体のラインは広木の好みのど真ん中にあった。出るところが出ていないとという男性が多数派なのであろうが、広木は華奢な体に小振りな乳房や尻をした女性が好みだった。恥ずかしそうに隠そうとするので

        • 【小説】テクノロジーを語る勿れ【第47話】

           シャワールームへと先に向かうユカが後ろを振り返りながら広木を促す。華奢な体つきのユカであるが、コートを脱いでニット姿になったかと思えば、着ぶくれしている分体の出るところの膨らみが顕著に見え、その様子に夏場にしか会ったことが無いのだったと改めて気付かされる。 人前で脱ぎ慣れているユカはサクサクと自分の衣服を脱ぎ、それらを軽く折り曲げるようにして畳む。下着に手を掛けようとするところでそれを制止し、せめてブラのホックくらいは外させてくれと無言のまま手を伸ばした。  互いの裸はこれ

        【小説】テクノロジーを語る勿れ【第50話】

        マガジン

        • マンロニキ予備校ジョセクラスのカレー部(仮名)
          115本

        記事

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第46話】

           洗面所やシャワールームなどの一通りの設備を確かめたのちにベッドの脇へと腰をかける。最初に何と声を掛けようかと思った矢先、静かに扉が開く気配を感じそちらへ目をやる。前回会った際の夏の装いで髪を上げていたユカが、厚手のコートで髪を降ろし、顔に掛かる髪を耳に掛けながらこちらに視線を向けた。 「こんばんは。お待たせしました。寒い中ご指名頂きありがとうございます」 「久しぶり、冬服だとまた雰囲気違うね!」 「???」 「わかる?久しぶり!」 「ん?分かるよ、分かるよ。え?」 「絶対ま

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第46話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第45話】

           1時間の待ち時間と聞かされると多少構えはしたものの、そのようなユカとのこの後の関係性の発展に向けた思考が頭を巡り始めてからは、この場で考えられるあらゆることを想定しながらこの後の再会の場へと臨もうと、寧ろ非常に限られた貴重な時間のように感じられた。時折りマサの何気ない言葉を拾いながら会話に発展しはするものの、上の空で返しているのが自分でも露骨に感じられることが申し訳なくなる。それについてはマサにとっても、わざわざ流川まで足を伸ばして女性の体に触れられる楽しみを控えているとい

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第45話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第44話】

           広木が写真を指差した動作に対して、店のスタッフがカウンター越しにリアクションを返す。 「おっミホちゃんかぁー、この時間からだとちょっと待ってもらうかも知れないけど大丈夫ですか?」  ユカがこの店ではミホという源氏名であることを認識する。 「程度にも依るかと思います。彼の指名相手も同じくらいの待ち時間であれば全然待ちますけど」 「お兄さんはどうされますか?」  口元に髭を蓄えた男性スタッフが今度はマサへと問いかける。 「じゃぁオレはこの子でお願いしまーす」  マサが含みを滲ま

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第44話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第43話】

           この日ユカが出勤しているかについては、事前に確認するまでしなくとも実際に店舗へ足を踏み入れてからのお楽しみで良いと思った。唐突に出勤状況を確認したところで「どうしたの、もしかして会いに来てくれるの?」などという会話に至っては、驚かせるどころではなくなってしまう。それに、広島の繁華街にまで足を運べば無理にユカではなくても綺麗な女性は沢山いるだろうと、諸々のタイミングが合えばで十分ではないかという算段でいた。  西広島バイパスを宮島街道へと下り、西広島駅前を路面電車の線路を沿

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第43話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第42話】

           何処となくそっとしておいた方が良いような気がしたのは、後輩が昔想いを寄せた相手だったからも知れないし、あるいは広木が数週間後には就職して地元を離れてしまうことが具体的に決まっていたからかも知れない。そのまま亜美と深い関係になるわけでもなく、広木は上京するまでの時間を手持ち無沙汰にやり過ごす日々を送っていた。久しぶりに親戚の家へ顔を出したり、家族と過ごす時間も作った。  そんな中でも、ジローやマサ達は相変わらず弟のリョウを連れては繁華街へとナンパに繰り出そうと、夕食を終えた

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第42話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第41話】

           覆い被さったままの恰好で亜美の顔を覗き見ると、また少し虚ろ気な表情に返っていたが、視線が合うとこちらに対して「次は何を言い出すのだろうか」といったところか、再びこちらを試すように笑みを浮かべた。  色々と間をすっ飛ばして行動に移してしまっていた広木は、今更ながら取り繕うように真正面から窺う。 「で、いいの?」 「え、何が?(笑)」 「だから、このままして良いの?ってこと」 「普通このタイミングで確認する?(笑)」 「確かに(笑)」 「やっぱそういうつもりだったんでしょう」

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第41話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第40話】

           一呼吸置くまでの間、広木は流れに身を任せたままでいた。顔を離すと先ほどまで何かのスイッチが入ったかのように目を座らせていた亜美が、広木の顔をじっと見つめてはクスクスと笑う。何かのトリックにでも誘導されてまんまとはめられた、もしくは単に茶化されているかのような気がして、途端に狭い車内の中で居心地が悪くなる。 「何で人の顔見て笑ってんだよ」 「いや、別に(笑)」 「自分だって目がトロンとしてただろうが(笑)」 「してないよ(笑)」 「じゃぁ何?」 「いや、こうやっていつもこの車

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第40話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第39話】

           他の車の出入りで車内をヘッドライドの灯りが差し込むことのないよう駐車場の入口から奥の方まで車を走らせ、手前の橋の下を垂直に流れる川へと向かう恰好で、他の車との距離を保ちながら停車をした。少し離れたところで街灯がそのふもと周辺を優しく照らし、微かに社内まで届くその灯りとカーオーディオのディスプレイで辛うじて互いの顔の表情をうかがい知ることが出来る。  サイドブレーキを引いて靴を脱ぎ、運転席の下側のレバーを掴んでハンドル側へと寄せるようにスライドさせると、広木は座席のヘッドレス

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第39話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第38話】

           3月ともなれば真冬のような冷え込みは薄らいではいるものの、陽が落ちた後の車内はやはり人肌が恋しくなるように、ほどよく冷たい空気が身に染みる。車のエンジンをかけてエアコンをONにする。車内がそれとなく温まるのを待ちながら、手持ち無沙汰に掌を擦り合わせ、特段帰宅を急ぐ様子もない亜美に、この後の予定を示し合わせようと声を掛ける。 「直ぐに帰って用事があるとかでなければ、少しドライブでもしようか」 「用事があるなら食事にも出て来ないでしょ。ドライブ行きたい(笑)」 「いや、一応聞い

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第38話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第37話】

           亜美にデザートの注文を促しながら、広木は適当なところで店のスタッフを呼び止めようと、入口から厨房の奥へ、そして各テーブルへと続く通路の人の行き来を窺う。手元のオーダーを別のテーブルへ差し出しながら空いた食器を手際良く重ねた、大学生風のスタッフが調度良いタイミングでこちらを振り向いたので、広木は片手を上げて意志表示して見せた。亜美が装飾が施されたマンゴープリンの写真を指差して追加のオーダーをするのと同時に、これを最後に支払いの計算して欲しい旨をそのスタッフへ告げた。  間も

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第37話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第36話】

           居酒屋で食事を終えると広木は連れ添った亜美と共に、パーキングに停車していた車へと乗り込んだ。男女二人で食事し終えてそのまま帰宅というにはもの足らない、これまで互いにこういった場を設けることが無かった二人であったが、帰りの時間がそう遅くならなければどうにでも発展しそうな雰囲気が車内に漂う。  広木が亜美と知り合ったのは3年前に仲間内でライブハウスを貸し切って人を集めてバカ騒ぎした日のことだった。地元の後輩のマコトが人を呼ぼうと以前交際していた亜美にも声を掛け、高校生だった亜

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第36話】

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第35話】

           シティホールやカランより東側は、インターン先のクライアントのデータセンター所在地でもあるベドックへ行く時以外では、滞在期間中を通してそう訪れないエリアだった。大きな荷物を手に引きながらMRTへ乗り込むと、路線に沿って次の駅、そしてまた次の駅へとディンと広木を乗せたMRTは無情にも定刻通りに空港へ向かって東へ進んでいく。タナメラの駅を通り過ぎる時に車窓から見えた工場やビルの灯りが何とも言えない侘しさを広木へもたらした。  空港へ到着すると、滞在期間中にお世話になったスタッフ

          【小説】テクノロジーを語る勿れ【第35話】