自腹で風俗には行かないマン vol.3

翌日。
土曜日は夕方の早い時間からジムに通うのが日課になっている。
それに合わせて朝食を兼ねたランチを昼前に取り、洗濯物や部屋の掃除などを片付け終えて、ジムの開く頃まではネットで日々の関心事を情報収集しながら、ついつい余計な買い物をしてしまう。
ジムで2時間程汗を流し19時頃からドライブを兼ねて外食をするという過ごし方が定着している。
この日も18時過ぎには帰宅し、何処で何を食べようかとシャワーで汗を流していた。サンドバックを蹴り込んだスネがヒリヒリと疼くのが心地良い。
浴室を出て身支度をしながらスマホを手に取るとLINEアイコンに受信バッチが表示されていることに気が付く。
帰省先から彼女か、あるいは実家の母親からだろう、最近は特に頻繁に連絡を取り合う女性もいない。
通知を開くと見慣れないアイコンからの新規メッセージであることに気付く。
「沙耶って誰だ?」
メッセージを開く。
「昨日は呼んでくれてありがとう。ドライブ連れてってくれるんだよね〜?本当に行くの?ノリで言ってただけかなぁ?」
下の名前では認識出来なかったが、昨日デリヘルで自宅へ招いた嬢だった。
返事を返す。
「ちょうど食事がてらドライブしようかと出掛けるところだけど。え、来る?」
「いくいく~(笑)」
「何それ、昨日と違ってめちゃ乗り気じゃん!(笑)」
「誰にでもほいほいついてっちゃうみたいに思われると嫌じゃん(笑)」
「そんなんいちいち思わねーわ」
「何時?」
「何時に出れる?」
「いつでもー(笑)」
「何か軽いなぁ…」
「何?(笑)」
「いや、何でもない!とりあえず拾うわ」

日付が変わる頃まで沙耶とドライブを楽しんだ。
2人で僕の最寄り駅前の居酒屋でノンアルコールで明け方まで食っちゃべって車に戻ると、駐車していた大学の敷地の駐車場にチェーンが張られていた。
守衛へ尋ねると1時間後には開場することになっているから、いっそそのまま待って欲しいと告げられ、無断駐車した手前余計な仕事を増やすのも申し訳ないと車で待つことにした。
駐車場の片隅の白い野良猫を沙耶が車を降りて行って撫でているのを眺めていた。
車に戻る沙耶に問う。
「眠くない?」
「少しは」
「ちょっとウチで寝て行こう。じゃないと送る途中で事故りそう」
「隣駅だからご近所さんって言ったの誰(笑)」
「近くても居眠りしたら事故るって」
「絶対お仕事じゃないから堂々とヤレるとか思ってるでしょ(笑)」
「眠くてそんなの出来ないよ…」
「なら安心だねwwwwww」

自宅へ着いて即効でエアコンをガンガンに部屋を冷やす。
シャワーを浴びるという沙耶をベッドの上で待っていると意識してしまってかアレがあれよあれよとギンギンに仕上がってしまい眠気が覚める。
沙耶がベッドに戻って来るのを冷気で冷えたシーツの上で堂々と全裸で待ち構えることにした。
沙耶が軽装で戻って来てベッドの傍に立った。
「すみませーん。服着てくれないかな?(笑)」
「寝る時いつも全裸だからさ…」
「ヒトが来ている時くらい着ないかな」
「良いよもう一昨日全部見られてるワケだし…」
「勃っちゃってるし」
「朝だから」
「寝るよ〜」
「おやすみ」
「ちょっとコッチに押し付けないで!(笑)」
「狭いんだから仕方ないじゃん…」
「もぞもぞ触って来ないで(笑)」
「触ってないよ…」
「先から何か出てるんですけど(笑)」
「出てないよ。触んなよ…」
「服に付いちゃうんですけど(笑)」
「脱げば良いじゃん…」

昼過ぎに目が覚めた。
全裸で横で眠る沙耶の寝起きを襲うように起こしてまた果て、自宅へ送った。
同棲する彼女の予定の合間を縫うようなご近所付き合いのスタートだった。

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