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小細工をかます余裕もなかったので「ナンパなんす!」とぶっちゃけながら声を掛けたらバイオリ二ストのお姉さんが高級外車に乗っけてくれた

最寄り駅に着き、少し遅めの夕食をラーメン屋で取り家路についた。
もう少しで日付が変わろうとしているというのに、こんな日に限って替え玉を3つも追加してしまったと、相当な後悔をしながら僕は自宅最寄のコンビニへ向かう。
そろそろ終電だし、こんな時間にたらふく食う位なら、身軽な状態で空腹を誤魔化しながら出会いを求めるべきだったのではないかと、考えれば考える程自己嫌悪に陥ってしまいそうだ。
気を紛らわせようとコンビニで買う物を頭の中で整理しながら歩き続ける。
必ず買わなければならないものがあったわけでもなかったがとりあえずエビアンでも買おう。急にキンキンに冷えた硬水で喉を潤したい衝動に駆られてもいた。
帰ったらそれを飲んでそのまま横になろう。
そう思い直しながらコンビニが見えかけた辺りで、そのコンビニの前を通過して歩いてこちらへ向かってくる1人の女性が目に入った。

両手で持つタブレットに夢中できっとかろうじて足元だけが視界に入っているといった格好ではないだろうか。
「おいおい、絶対ブツかって来るなよ」と思いながらすれ違う様子を頭の中で描いてみたが、ワルい癖が顔を出し始める。
どうせもう帰って寝るだけだし、何ならこちらからアプローチをけるのも悪くはないのではないか。衝動が湧き起こる。
きっとここでシカトされたところでショックはそう重くない。
上手くコトが運んだところでアレだけ食った後ではカラダなんて言うことを聞かないのだ。
そう自分への言い訳も用意しながら、この際小細工は不要だと、5メートルほど先を向かって歩いて来る彼女との距離を今一度確認する。
そして「ここだ!」というタイミングで、走り幅跳びのタイミングを合わせるかのようにタタッと両足でアスファルトを蹴った。

両足で彼女の50センチ程手前に着地し、運動不足で膝に来る衝撃に堪えながら問いかける。
「スミマセーン(笑)」
「え!? ビックリした!え?ちょっと。何ですか!?」
急に視界へ飛び込んできた僕への当然の反応にどう説明しようか迷ったが、その表情が不快感を示すようなものでもないと見て取れたのでしっかりとタメを作って正直に応えた。
「ですよね。うーんとその…。えっと、実はナ○パなんですよ(笑)」
更に眼を見開く様子で驚いた彼女であったが、堪らず吹き出した。
「え!?(爆笑) あ、何かすみません、笑っちゃった(笑)」
掴みも良いと認識した僕は更に続ける。
「良いです、良いです。僕が笑わせたようなものですから(笑) もう帰られますよね?ちょっとだけ並んで歩いちゃっても良いですか?」
「良いですけど車そこに停めてあるんで…。本当直ぐそこですからすみません」
「へぇ、車なんですね。じゃぁその直ぐそこまで行きます(笑)」
「えー。でも本当めっちゃ近いですよ」
「近いなら行きます(笑)」

はっきり言って近いか遠いなんてコトはこの期に及んでは超どうでも良い。
並んで会話しながらどれだけ手応えを得られるか、先ずはその機会が与えられたことで十分だ。
何ならガソリン満タンにしてあげるからドライブ連れてってとでも言いそうであった。
「お仕事帰りですか?この辺りまでいつも車で来られてるんですか?」
「ええ、父の会社の駐車場に停めさせてもらってるんですよ」
「お父さん社長さんですか?めっちゃかっこいい!」
「いえいえ、従業員身内だけですから大したことないです(笑)」

それくらいの言葉を交わしたところでお目当の機械式駐車場へ到着していた。
こなれたボタン操作で出庫予約を入れるとガタガタと音を立てながら彼女の車が降りてくる。
駐車場の重そうな扉が自動で開くとモデルチェンジしたばかりのメルセデスのAクラスがキラキラと輝きながら登場した。
「え。これおねーさんの?」
「家のですけどほぼ私が占有してます(笑)」
Aクラスといえど調子に乗ってガソリン注いでやるなどと言わなくて良かったとそっと胸を撫で下ろしながら僕も続ける。
「こういう車種を上手に運転する女性かっこいいですよね。運転上手いですか?(笑)」
「上手いどころか余り運転好きじゃないけど自宅から駅まで遠いので」
「普通駅から遠ければバスとか乗るんですって(笑)やっぱかっこいい!」
「いやいや、やめて下さい(照)ってか私はそろそろ帰らないと…」

聞こえないフリをして僕は更に続ける。
「そう言えば僕も車買ったばかりなんですよ。納車まだですけど一応メルセデスも見にいきました」
「へぇ、何買われたんですか?」
「やっぱメルセデスにしとくんだったかなぁ」
「って詳しくないので聞いても分からないと思うけど(笑)」
「じゃー秘密です(笑) ってか少しブラつきながら話しません?僕も朝早いんで長くはならないです」
「そういうお願いされたことないです(爆笑)」
「ってか最近仕事遅くてプライベートでヒトと会話がなくて喋りたいんですよ」
「じゃあ少しなら良いですよ」
そう言っておねーさんはとりあえず車を駐車場から出し、路肩に停めた。
「何か飲みましょうか、僕買ってきます。ってか絶対歳近いですよね?」
「〇〇年生まれですけど、近いですか?ってか車ここに停めておきたいので一緒に買いに行きます」
「おお、同い年だ!この歳にもなると同い年とかめちゃ親近感わかないですか?ってか何か買うって言ってもそこの自販機ですけど(笑)」

僕はワンダの新作らしい缶コーヒーとおねーさんウェルチの小さいペットボトルを買い2人で並んでメルセデスからそう離れぬ位置に立って話し続けた。
おねーさんはナツキといって僕と同い年のアラサーだった。
真面目と天然の間を行くようなキャラで、ドリンクを飲み始めたあたりからかは同学年ということもあってか互いにタメ口を交わすようになっていた。
「よく声とかかけられるの?」
「いや初めてだけど、これナンパなの?(笑)」
「まぁそうなるんじゃないかな(笑)」
「へぇ~、こんな感じなんだね!お母さんに自慢しよ(笑)」
「言わんで良い!(笑) ってか親とこう言う話出来るの良いね!」
「1人っ子だからかも知れないけど周囲には友達同士みたいな感じだねってよく言われるよ」
「彼氏は?」
「もう何年もいない!」
「マジ?そういう機会をもとうとしてないだけでしょ?絶対いそうだよ」
「本当!?」
「めちゃ美人じゃん」
「わーい嬉しい! じゃあちょっと頑張ってみるから色々相談乗ってよ!」
「おう、全然良いよ。頑張れ、ご無沙汰ガール(笑)」
「ちょっと!(爆笑) まぁでもそうだよね、ヤバいよね(笑)」
「オレそっちの方にも寛容だから何なら全然相談乗れるよ(笑)」
「え!?ってかもうどうやってヤるのかすら忘れちゃったかも、考えとく(笑)
「検討の余地有りか(笑)」
「ってかいやぁ…、冗談。ダメダメ…」
「ってか今日じゃなくて良いから車助手席乗っけてくんない?エンジン音聞いてみたい!」
「密室だからダメ(笑)」
「そういう理由か、堅いなご無沙汰ガール!
「まぁ考えときます」
「ってか何その自意識過剰な感じ(笑)」
「歳食っててもそんなに慣れてないので大目に見て(笑)」
「何か分かる気がする(笑)」
口説き落とすかどうかはさておき、やはり女性の本音や素顔を引き出そうとするには恋愛ネタは強い。
そうやって20分程度のつもりだった路肩での会話は、駅周りや川沿いを歩くに及んだりと気がつけば2時間近くも時間が経過していた。
最寄り駅も近いしとLINEで連絡先を交換し帰宅すると2時を回りかけていた。

10日程経った頃だろうか、ある日ナツキからLINEにメッセージが入ってきた。
「先生、大変!彼氏出来ちゃうかも!」
「え、先生ってオレ!?!?(笑) ってかやったじゃん、おめでとう!」
「ありがとう!でもブランクあり過ぎてどうしたら良いか分かんないよ(怯)」
「今電車?オレもう家だけどちょっと寄らない?詳しく話聞きたい。もしかしたら練習相手になれるかも知れないし(笑)」
「練習相手!?︎とにかく駅着いたら連絡するね!」
到着したナツキを散歩がてら駅まで迎えに行く。
僕の部屋まで歩く間にその久しぶりと言うところの意図するものが交際関係なのかプレイを示すものかの探りを入れると当然その先を見据えてどちら共を意図していた。
部屋のベッドに2人並んで座って会話を続ける。
「ってか大丈夫?久しぶりにちゃんと出来るの?」
「えー、分かんない!本当ご無沙汰なの。。」
「じゃー例えばさ、こう言う状況になったらどうすれば良いと思う?」
唐突かとも思ったが僕はナツキ手を取り、スラックスの上から僕のモノにその手をあてがわせた。
「え、どうするべきって…?」
「例えばキスしたり手で大きくしてみたりとか?」

そう言うとナツキは一瞬躊躇しながらも、意を決したように眼を閉じながら僕にキスをして来た。
「分かった。じゃあさ、挿れるのは彼とするまで取っておいて、手と口でやってみて」
「うーん…。じゃあ。良いの…?」
「うん、オレもナツキちゃんがどうヤるのか見たい」
「いや、でもせめて暗くして」
「オッケー、分かった」
そう言いながら僕は部屋の灯を落としてベッドの上に仰向けになった。
上に覆いかぶさるように密着してくるナツキのアタマを下腹部へ導き、戻す手でブラを外した。
公約通り更なる展開には発展させず、そのワンプレイを済ませると僕はナツキを駐車場まで見送った。
僕が口の中で果てるとナツキは久しぶりに受ける口へのインパクトに咽せ返りながらもゴクリと飲み込み、吹っ切れたようにハイテンションでそのプレイを考察していた。
「進展あったらまた聞かせて!」
「分かった、また連絡するー!ってか今日ありがとう(照)」
「いやそれはこっちこそ(笑)」
「いや確かに絶対そうだよね!何か上手く乗せられた気がするー(悔笑)」
「まぁ感も戻りつつあるわけだし!」
「うん、ありがと(照)」

数日後、ナツキからまたLINEでメッセージを受ける。
「先生、今日ちょっと時間ある?」
アップデートの報告楽しみにしていた僕は夕食を済ませて帰宅しているところだったので時間を作ることにした。
「お、近況報告だな!聞かせて」
「ご飯食べた?」
「調度今食って帰ってるところだよ」
「残念、では私コンビニで何か買って車で迎えに行くね」
「おぉ!車乗っけてくれるんだ(笑)」
「ドライブでもしながらと思って」

ナツキが運転するメルセデスのAクラスの助手席に乗り込み、先ずは話よりもエンジンの音や加速、シートの具合いに意識が散る僕であったが、そろそろと本題へと切り出した。
「どうなった?良いことあった?」
「まぁ何と言うか付き合わないな、何となく」
「なるほど。そう言うことか」
「何度か会ってちょっと違うと思った」
「まぁ久々にそういう機会になりそうだったってだけでも全然良いじゃん」
「まぁそれはそうかもね、急いでどうこうすることでもないし。あ、そういえばお母さんに食べて帰るって連絡しなくちゃ」
海辺の通りへ車を停め、車中でコンビニで買ったらしきサラダを食べながらナツキはことの成り行きを僕に共有してくれていた。
一応真っ直ぐ帰宅しようとしていたところで寄り道して話を聞いて欲しくなったとのことで、夕食の支度をしている母親への一報を遅れながらもいれる。
「あ、もしもしー。ごめん、やっぱご飯食べて帰ることにしちゃった」

受話器から漏れる声は僕にも十分に届く。
「(え?そうなの?もう準備しちゃった。誰と行くのオトコ?オンナ?)」
「オトコだけど良いじゃん(照)」
「(よし!それなら行ってらっしゃい。頑張っておいでよ!って誰と?お母さん知ってるヒト?)」
「うん、こないだ話したナンパオトコと!」
僕は顔が若干ニヤけた。
正確にいうとこの時点では「誰だよ?それ」と、僕自身を指しての会話だということに気後れして気が付いていなかった。
「(あ、そうなの!良かったじゃない(笑) ちゃんと話聞いてもらって来なさいよ。ってか一応気をつけなさいよ!)」
母親の気をつけろの一言が飛び出したのとほぼ同時に、僕は飲んでいたペットボトルのお茶を思いっきり吹き出しそうになって必死に耐えながらナンパオトコが自分を指していることを認識した。
電話を切ったナツキに当然のことながら突っ込みを入れる。
「ってかナツキちゃん、オレのことお母さんに本当に話したの?」
「うん、そうだよ」
「え、ナンパされたって?」
「うん、そうだよ(笑)」
「ってかさ、電車オトコみたいに呼ばれるの初めてなんだけど(笑)」
「(笑)」
「ってか、ナンパオトコと飯行って帰るって普通親に言う?(笑)」
「マズかったかな?(笑)」
「いや、ああいう感じなら良いんじゃないかと思うけど(苦笑)」
何だか不思議とテンションが上がった僕は、ナツキと後部座席に移って上半身裸になった。
その気になったらいつでも交われそうな気がしたので、
前回僕の部屋でやってもらったように丁寧に口で弄んでもらい、同じように口の中で果てた。
例えそれが家の車であろうとインポートカーの中でのプレイという点に自己満以外の何ものでもないしょうもない付加価値を感じた。
何よりナツキは経験は少ないと言いながらも舌によるタッチは天性の感覚を持ち合わせていた。
その上途中で疲れたなどと言い出さぬほどのモノへの執着心に感動を覚えた。

後日。
Facebookでも交流を開始したナツキの写真がスクロールするiPhoneのディスプレイが捉えた。
所属する楽団のリサイタルのチラシにはオーケストラのなかでチェロを弾くナツキの姿がに少し大きめに掲載されていた。
その妖艶な姿と僕と2人きりの時の軽くおバカでちょっとエッチなキャラのギャップにただならぬ興奮を覚えた僕は、渾身の「超いいね」を送ったことは言うまでもなかろう。
元々仕事なんかでヒトのカラダやデリケートな物に触れることに慣れている女性は指先のタッチが逸材だという経験則があったが、ナツキのチェロを弾く姿とソレも見事に合点したのだった。

また良い友達が出来たと思った。

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