COVID-19ワクチンを接種した男性とのセックスは、ワクチンを接種していない女性の月経周期の問題を引き起こしたりしません。

COVID-19を接種した男性とセックスすることで、接種していない女性の月経周期に問題が生じるのでしょうか、またPfizer社の資料で確認することが出来ますか?いいえ、問題が生じることはありませんし、そもそもが間違った話なので当然Pfizer社の資料などありません:CDCのウェブサイトによりますと、これは(反ワクチンな人々が)「シェディング」と言い張っている過程ですが、クチンの成分は性交や一般的な接触によって人から人へ広がることは不可能であるとのことです。また、Pfizer社の資料でも、そのようなことは確認されておりません。

この主張は、2023年2月6日にFrank Speechのウェブサイトが「Dailyclout.ioのCEOのNaomi Wolf博士との真実に迫る対談」というタイトルで公開した動画(アーカイブはこちら)に掲載されており、動画の13分で、Wolfは次のように述べています:

正統派(ユダヤ教)のコミュニティでは・・・ワクチン未接種の女性は、ワクチン接種した夫と性交することが彼女らにとってとても苦痛で、酷い月経痛、恐ろしい月経痛を与えるので、ラビに相談している。実際、Pfizer社の文書によると・・・女性は性行為によってワクチン接種した男性から感染している。

https://frankspeech.com/video/absolute-truth-interview-dr-naomi-wolf-ceo-dailycloutio-0 

執筆時のFrank Speechのサイトでの投稿は以下のような感じでした:

(出典:2023/02/09 木曜日 16:47:05 UTCに取得されたFrank Speechのスクリーンショット)

Wolfは、"The Absolute Truth with Emerald Robinson "のインタビューで、その主張を裏付ける証拠を何も示していません。Wolfは2023年2月6日にTwitterでこのクリップの拡散を支援しています。彼女は次のように述べています:

(出典:2023/02/09 木曜日 22:04:54 UTCに取得されたTwitterのスクリーンショット)

クリップはこちらにも掲載されています。

Naomi Wolfについて

Wolfは作家であり、活動家です。彼女はまた、ウェブサイトDailyCloutのCEO兼共同創設者でもあります。彼女のTwitterYouTubeのアカウントは、ワクチンの誤報を共有したとして2021年に停止されました。

LinkedInのプロフィールによりますと、彼女は英語と文学/文学の博士号を持っていますが、医学の学位は持っていません。Wolfは現在、Twitterを再開しています。 彼女の説明には、次のような一行があります:『7回脱稿してもまだ正しい。』(⇦何を言いたいのか意味不明ですが、要は『アテクシは社会学の修士号持ちな高学歴でー』と言いたがる某光物好きと大差ないということですwww)

ワクチンのしくみ

CDCのウェブページ「COVID-19ワクチンに関する神話と事実」では、公衆衛生機関は、Pfizer社のCOVID-19ワクチンのようなmRNAワクチンは人から人へ感染することはないと述べています。そのエントリでは以下のように書かれています:

迷信:米国で使用が許可されているCOVID-19ワクチンは、その成分を排出または解放する。

真実:ワクチンのシェディングとは、ワクチン成分のいずれかが体内或いは体外に放出されることであり、不活化された生ウイルスが含まれている場合にのみ発生し得ます。

米国で使用が許可されているワクチンには、生ウイルスが含まれていません。mRNAワクチンとウイルスベクター・ワクチンの2種類が、現在使用可能なCOVID-19ワクチンとして認可されています。

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/facts.html#:~:text=MYTH%3A%20COVID%2D19%20vaccines%20authorized,weakened%20version%20of%20the%20virus. 

妊産婦

WHOのチーフサイエンティストであるSoumya Swaminathan博士は、ワクチンが生殖能力に影響を与えるというのは「よくある俗説」であると述べています。彼女は、WHOのビデオシリーズ "Science in 5" の2021年6月4日のエピソード 『COVID-19:ワクチン、妊娠、月経、母乳、生殖能力』にてコメントを発表しました。彼女は以下のように述べています:

まず最初に、ワクチンが男性でも女性でも何らかの形で生殖能力を妨げるという懸念の裏には、科学的根拠も真実も全くないことを申し上げなければなりません。何故なら、ワクチンが行なうのは、そのウイルスやバクテリアの特定のタンパク質や抗原に対する免疫応答を刺激することだからです。この場合、COVID-19ワクチンは、SARS-CoV-2ウイルスのスパイク・プロテインに対する抗体反応と細胞媒介性免疫反応の両方を刺激するのです。ですから、男性でも女性でも生殖器の機能を阻害するようなことはありえません。ですから、これらのワクチンは生殖機能を阻害することはありませんので、ご安心下さい。

https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/media-resources/science-in-5/episode-41---vaccines-pregnancy-menstruation-lactation-and-fertility?gclid=CjwKCAiA0JKfBhBIEiwAPhZXD9KSl-kXMAuS5J6jXIvYHLazgkGcDKi7epi8g38CIoa5MutfZKDetBoCoHUQAvD_BwE 

インタビューは以下からご覧になれます。

Pfizer社からの回答

2023年2月9日、Lead Storiesへの電子メールで、Pfizer社の広報担当者はWolfの主張に対して以下のように回答しました:

弊社の進行中のサーベイランスにおいて、Pfizer社はCOVID-19ワクチン接種者の一部で月経不順の報告を受けています。これらの事象の殆どが非重篤で一時的なものであり、医療介入を必要とするものではありません。この事例は入手可能な全てのCOVID-19ワクチンで観察されており、この話題は世界中の公衆衛生当局によって十分に文書化され評価されています。ワクチン接種に関係なく、月経不順は女性によく見られることであることに注意することが重要です。例えば、最大25%の女性が月経の大量出血を経験する可能性があり、月経不順がワクチンと因果関係があるという決定的な証拠はありません。規制当局は、ワクチンのリスク・ベネフィット・プロファイルに変更を加えていません。

https://leadstories.com/hoax-alert/2023/02/fact-check-sex-with-covid-vaccinated-men-does-not-cause-menstrual-cycle-problems-in-unvaccinated-women.html 

ハーバード大学の研究

2022年7月にハーバード大学公衆衛生大学院が発表した研究によりますと、ワクチン接種後の免疫反応中に軽い副作用を経験するのは正常なことだそうです。Apple Women's Health Studyには、9,652人の参加者のデータが含まれています。その結果、以下のような結論に至りました:

我々の予備的な考察から、COVID-19ワクチン接種に伴う月経周期の変化は小さく一時的であり、ワクチン接種前の変動幅の範囲内であることが裏付けられました。ワクチンを接種した月経周期は、接種前の周期と比較して約半日長くなり、殆どの周期は次の周期までに接種前の平均的な長さに戻ることが分かりました。

https://www.hsph.harvard.edu/applewomenshealthstudy/updates/covid-19-vaccines-and-menstrual-cycles/ 

CDCからの追加情報

CDCのTwitterアカウントの2つの投稿でも、同様の知見が示されています:

COVID-19ワクチンに関するLead Storiesのファクトチェックは、こちらでご覧頂けます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?