母乳中に微量のmRNAが検出されても、ワクチン接種後2日間の母乳育児は危険ではありません。

ワクチン接種後2日間の母乳中に微量のCOVID-19ワクチンmRNAが検出された場合、赤ちゃんにとって安全でないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません:COVID-19 mRNAワクチン接種後の授乳を避けるべきとする根拠はありません。ワクチン懐疑派の中には、JAMA Pediatricsに掲載されたリサーチレターを利用して、COVID-19接種に警告を発している人もいますが、この論文自体は、「COVID-19 mRNA接種後の授乳は安全だ」と述べています。

この主張は、2022年9月26日のインスタグラムの投稿に登場しました。冒頭は以下の通り:

研究者らは、授乳中の女性数人の母乳に微量のCOVIDワクチンmRNAを見出しました。接種後、赤ちゃんに母乳を与えるお母さんに注意を促しています。我々は昨年、人々に警告したことで陰謀論者と呼ばれました。

https://www.instagram.com/p/Ci_VPsXsJwI/ 

記事執筆時のInstagramの投稿は以下のような感じでした:

(出典: 2022/09/28 水曜日 18:41:05 UTCに取得したInstagramのスクリーンショット)

ソーシャルメディアの投稿が自分の研究を正確に表しているかという質問に対して、論文の共同執筆者であるNazeeh Hanna博士は、2022年9月28日、Lead Storiesへの電子メールで次のように述べました:

私はそうは思いません。[Instagramの投稿]ではなく、論文を読んで欲しいと思います。

https://leadstories.com/hoax-alert/2022/09/fact-check-breastfeeding-not-unsafe-for-babies-despite-traces-of-mrna-in-breast-milk-first-two-days-after-vaccination.html 

Hanna博士はニューヨーク大学ロングアイランド校医学部の小児科教授で、ニューヨーク大学ランゴン病院-ロングアイランドの新生児科主任も務めています。

CDCは、妊娠中や授乳中の人を含め、6カ月以上の全ての人にCOVID-19ワクチン接種を推奨しています:

妊娠前・妊娠中のCOVID-19ワクチン接種が安全で効果的であり、母親と赤ちゃんの双方に有益であることを示す証拠が次々と得られています。COVID-19ワクチン接種の利点は、妊娠中のワクチン接種の潜在的なリスクを上回ります。

CDCは、授乳中の人がワクチン接種を受け、COVID-19ワクチンの接種時期になったらCOVID-19ブースター接種を受ける等、最新の状態を維持することを推奨しています。

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/recommendations/pregnancy.html 

Hanna博士らによる研究論文は、その範囲が非常に限られていました。授乳中の11人しか含まれていないのです。Hanna博士はLead Storiesに、もっと多くの研究が必要だろうと語っています:

我々は、母乳サンプルから微量のワクチンを検出したので、母乳育児は安全だと考えています。しかしながら、乳児は3~4時間毎に授乳するため、頻繁な授乳に伴うワクチンmRNAの累積暴露の可能性については検証していません。そのため、授乳中の女性は、ワクチン接種後2日間は授乳を中止するかどうかを決めることが可能です(48時間後の母乳にはワクチンは検出されませんでした)。これにより、生後6ヶ月未満の乳児に対する安全性調査が実施されるまで、乳児への曝露がないことが保証されます。

https://leadstories.com/hoax-alert/2022/09/fact-check-breastfeeding-not-unsafe-for-babies-despite-traces-of-mrna-in-breast-milk-first-two-days-after-vaccination.html 

COVIDワクチンに関するLead Storiesのファクトチェックは、こちらでご覧頂けます。


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