「ブス立ち入り禁止」としてしまったレズビアン団体の茨の道

積極的にLGBTに関わったりはしませんが、女装は、パートタイムトランスジェンダーと考えてるので、ウォッチはしてます。

少数者が大人数になれば、当然なあなあで隠されてきた問題が顕在化するわけです。

で、今回やらかしたのが、レズビアン団体です。イベントの参加条件に、「産まれた時から女性のみ」と明記したのです。

性別の確認は運転免許証ですら、不可能です。
つまり、個人情報のうちでも極めて厳重で、ほとんどパスポート取るときくらいしか使わない戸籍謄本を持ってこい、という意味になります。

もちろんそんなことができるわけはないので、運営者は、見た目で判断することになるでしょう。

「女に見えないブスは来るな」とほぼ同義なので、差別かどうかで言えば完全にアウトです。

しかし、話は単純ではありません。LGBT活動をしている団体が、そんなこと(T=トランス)を排除したら、ぜったいに怒られることはわかっているはずです。

それでもなお、明示しないとイベントが続かない危機が起きている、もしくは起きうる状況なのでしょう。

この手のイベントは仲間内で楽しむためのものです。

どんな人だって、仲間を守りたいはずです。

彼女たちの先には、どんなことをしても困難が待ち受けているでしょう。

「こんな社会にしたかったわけでない」

そう感じる当事者がいれば、私は共感します。

小さいコミュニティのレズビアン

レズビアンのコミュニティは、ゲイや女装などに比べるとかなり小さいです。

そのため、少ないコミュニティの一つがなくなるかどうかは、当事者にとって、ゲイや女装よりも死活問題です。

レズビアンバーでは、会員制のところが多いです。女性を含めて一般人が冷やかしに来て、コミュニティを壊されたくないからです。

一方、人口規模の大きいゲイは、ゲイバーやオカマバーで会員制というのはむしろ少なく、一般人に冷やかしに来てもらってナンボの商売という側面が強いです。

その背景には、ゲイだけの、女装だけのコミュニティが成立しているからであって、表の世界に対しては、「マツコデラックス」的な期待されてるオカマ像を演じて、広く一般人からお金をもらうエコシステムになってます。

女性のお笑い芸人が少ないのと構造は同じでしょう。女性を笑い者や芸人(オカマバーのように)扱いして、商売になる状況に今の日本はなってません。

ですので、現時点で、レズビアン団体がコミュニティの自衛を第一義にするのは、理想からはかけ離れていても、実態としては「しょうがない」と感じます。

今回「規制」の対象となるのは、トランスジェンダーで、レズビアンという人です。そういう人は、少数者の中でもさらに少数なので、一人一人とコミュニケーションを取ればいいのです、が、少数者の中の少数者というのを貫く人は、性自認だけがマイノリティーでなく、様々な考え方やコミュニケーションの取り方も独特な人が相当いると実体験では感じてます。

そうした人と高度なコミュニケーションをとって合意点を見つけるのは、大変なことです。その間に、肝心のコミュニティが壊れてしまうかもしれませんので。

理想と現実の大きさから、解決の困難な問題です。

いろんな意見

だめなものはだめと原則論の方もいます。遠藤まめたさんは、トランス男性(元女性)の論客の一人です。

https://wezz-y.com/archives/66379

6月7日に店側が謝罪のツイート

<blockquote class="twitter-tweet" data-lang="ja"><p lang="ja" dir="ltr">〈お詫びとお知らせ〉<br>平素よりGOLD FINGERをご愛顧頂き誠にありがとうございます。先日イベントへのご入場に関し不適切なご案内がございました。心よりお詫び申し上げると共に、今後も安心・安全に楽しんで頂ける空間をご提供できるようスタッフ一同より一層精進致します。 <a href="https://t.co/TcQ8bwRyPF">https://t.co/TcQ8bwRyPF</a></p>&mdash; GOLD FINGER (@motelgf) <a href="https://twitter.com/motelgf/status/1137061457474990081?ref_src=twsrc%5Etfw">2019年6月7日</a></blockquote>
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