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月刊「根本宗子」15周年記念興行第一弾~15年目で本気のバー公演もっかいやります~『腑に落とす。』

2024年の初観劇は…
劇作家『根本宗子』の作・演出・出演する作品。
新作「腑に落とす。」
根本宗子さん×小日向星一さんの二人芝居。

「本気のバー公演」と銘打たれているからには、
期待せずにはいられない。そして…期待以上。

今回の会場は、六本木にある『音楽実験室 新世界』
かつては「自由劇場」として、数々の名作を生み出している歴史的空間での上演される。

会場のキャパは…40名〜50名程度(着席時)
趣きのある空間で好きな会場である。

趣きのある空間
六本木の街にネオンの看板が…

「腑に落ちない」という言葉があるけれど…
『腑に落ちる。』というタイトル。

「腑に落ちる。」という感覚を意識するのは、
様々な人生の岐路に、何かの選択を決めた時ではないだろうか…。

そして、他人に腑に落とされることもあれば、
自分自身で腑に落とさないといけないこともある。

自分の人生を選択していくことに置き換えると…。
物事を決めて進めていくことは、腑に落とすことであり、腑に落とすことが人生を豊かにするのかどうか、そこにフォーカスしている印象。

その選択が、正解・不正解ということではなく、
『腑に落ちるのか』『腑に落ちないのか』
ここに焦点をあてて、受け止めていくと面白いと思ったのと、
人生の楽しみ方も変えられるのではないかと思えた作品。

今回の舞台は『結婚相談所』の男女の相談員と会員が出てくる設定。相談員(カウンセラー)が自分に合う人をマッチングしてくれる環境。

自分の人生を人の手を借りて豊かにする人(出来る人)もいるけれど。自分の幸せを自分で切り拓いていきたいと思うことも間違いではないと思う。
(劇中に出てきた「恋愛ルートを経由しての結婚」である)

登場人物2人の性格の正反対で噛み合わない幼馴染の二人が、お互いに強がりながらも、(腑に落とす)結末を見出していく。

人の歯車は最初からは噛み合うとは限らない。
ぶつかりながら歯車の角が取れて一つ一つの歯が噛みあっていく方が、より強固な関係性が構築され、個人的に良き関係構築されていくのだろう。

自分の気持ちを大切にする手段として、「腑に落ちない」ことにも向き合い、答えを導くために「腑に落とす。」

人生は、この反芻の繰り返しであり…。
前向きに進んでいくために必要だなと思いました。

根本さんの作品で好きな所。
「台詞量の多さ」「畳み掛けるリズムの心地良さ」

作品冒頭からトップギアへ駆け上がる。
その瞬間に自分の心が揺さぶられたのと同時に、
演劇の力を待ち望んでいた自分の素直な感情に満たされていた。
心が満たされた至極の時間(空間)となったのは言うまでもなかった。

最後に一言。劇作家の根本さんも好きだけど…。
改めて、俳優の根本さんもやっぱり好き。

2024年は、月刊「根本宗子」15周年year✨楽しみすぎます!
幸せな一年になる予感で、ワクワクしている。

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