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説得では感情と理性のどちらにアプローチすべきか?

誰かを説得するというのは楽な仕事ではないのですが、説得するに当たっては、感情的なアプローチと理性的なアプローチのどちらが効果的なのでしょうか。今回取り上げる論文は、この二つのアプローチによる説得度合いと脳活動の変化を調べたものです。

センスか感性か?説得における構造一致効果の神経機能的基礎
Sense or sensibility? The neuro-functional basis of the structural matching effect in persuasion

この研究では被験者に、ある商品の説明を、感情的な語り口、もしくは理性的な語り口で紹介し、その後、商品を評価させているのですが、そのプロセスにおける脳活動をfMRIを使用して調べています。

結果としては、性格特性として感情的な傾向が強い人は感情的な語り口に、また理性的な傾向が強い人は理性的な語り口に強く反応することが示されています。

またこの時活動するのは自己意識や意思決定と関連する腹内側前頭前野であること、さらに感情的なアプローチでは右半球が、理性的なアプローチでは左半球が強く反応するなどの違いが見られていたことが述べられています。

腹内側前頭前野:Aquino et al., 2020, Figure 3

Q: 説得が上手な人と下手な人では何が違うのか?
明日読む論文
Entrepreneur passion and preparedness in business plan presentations: a persuasion analysis of venture capitalists' funding decisions
ビジネスプランプレゼンテーションにおける起業家の情熱と準備:ベンチャーキャピタリストの資金調達決定に関する説得分析

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